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つれづれ臭 アーカイブ

2002年3月16日

50Hzと60Hz

東日本と西日本の大きな違いのひとつに交流電源の周波数がある.
ご存知のように東日本が50Hzで西日本が60Hzである.
大部分の家電製品は,大型のもの以外簡単なせいぜい簡単な切り替えスイッチ程度で対応できる.
何でも明治期に輸入した発電機が東西でそれぞれ異なったメーカーから輸入したのが発端らしいが.

ところで,就職してから腰を据えてゆっくり部屋でレコードを聴く事がままならないので,本来ヘッドフォンは嫌いなのであるが,ポータブルCDプレイヤーを持ち歩いて通勤電車の車内などで聴いている.
単三サイズの電池で動作し,CDプレイヤー自体が充電機能を持っている.
それほど高い値の張るものでもなかったし,2年ほど使っていて,最近アンチスキップにスイッチを入れておいても音が途切れることが多くなってきたので,そろそろ充電池か本体の寿命が来たかなと思っていた.
しかし,大阪に帰ってきて充電した後に聴いていて全く音飛びしていない.
どうも東京では充電池が十分に充電できていなかったのかも知れない.

しかし,Ni-CdやNi-H充電池は一本たかだか1.2Vである.100Vを変圧器で減圧してるのだから十分のような気がするが,50Hzで充電すると起電力が弱まるのだろうか.
是非,電気に詳しい方教えていただきたい.

2002年5月12日

なんとかしてくれ~

 このページをお読みの方々は,パソコンあるいは電卓とプッシュホンどちらを使う頻度が高いだろうか.
私は職業柄,パソコンのキーボードの右側にあるテン・キーで数値を手入力したり,電卓を使って計算することが比較的多い.
このような作業をする場合,大抵は右手を見ず,紙などに記された元データのみを見て入力することが多い.
いわゆるタッチ・タイピングをしているのである.
ということは手の感覚でキーの位置を覚えていて,数字を目で認識したら,即考えることなく指の運動に変換されるようになっているのである.
これと同じ感覚でプッシュホンを使って電話をかけようとするとどうなるか?

 電卓とプッシュホンを見比べていただきたい.
電卓は左下から右方向に1,2,3,・・・と上に向かって数字が大きくなっていく.
電話機は左上から右方向に1,2,3,・・・と下に向かって数字が大きくなっていくのである.

 もうお分かりだろう.電卓やPCのテン・キーで付いた手癖で電話をかけようとすると,例えば3を押すつもりが9を押してしまうことになるのである.
何度もやり直す破目に陥ってしまっている.特に最近は電話番号の桁数が増えており,非常にイライラするのである.
携帯電話の電卓機能も同じである.電卓と逆の並びでキーが配列されているので全く見当違いの計算をしてしまうのである.
だから,携帯電話の電卓機能は使ったことが無い.

 私のような技術系の人間ですら,こうなのだから,経理等の仕事をされている方はもっと顕著なのではないだろうか.
どちらでも良いから,なんとかして統一していただきたいモノである.出来れば電卓に合わせるほうがベターだが.

2002年5月26日

車内一色

 通勤・通学途上の満員電車で,文庫本すら広げられないという経験は,都市部を通過する通勤・通学経路を利用の方は誰でもお持ちだろう.
そうした中では,無理な姿勢を余儀なくされていることもあって,例え10分くらいの時間でも非常に長く感じられる.
そういうときに気を紛らわせてくれるのが車内吊り広告である.
 現在の私の通勤事情は,間にJR大阪環状線を挟んだ2回乗り換えというものである.しかし,その大阪環状線がクセモノなのである.
車内吊り広告が一両まるごと同じということがしばしばある.
普通の中吊り広告は,雑誌や百貨店の広告が多い.これらは文字数がそこそこあって,一言一句すべて読むのには案外と時間を要する.
ところが一両丸ごと同一広告は,傾向がハッキリあって,決まってどこかの国の観光局や,国内の観光連盟のものなのである.
観光広告は大抵が,有名な風景を強調するものなので,風景写真と短いキャッチコピーのみ.非常に単調である.

ものの30秒で見飽きる.

拷問といっても過言ではない.


JR西日本は,乗客のことを考えていない.広告主もかえって悪い印象を与えていることに気づいているのだろうか.

京阪電車で以前あったという,某菓子メーカーの吊り広告一色なら大歓迎であるが…(笑).

2004年5月31日

20年の「刻をこえて」

「機動戦士Zガンダム」が富野由悠季監督のもと,
映画化が進んでいて2005年公開でファーストガンダム同様3部作となるとか.
TVアニメの放映が開始されたのが1985年1月.
良くも悪くもシリーズ化のきっかけになってしまった作品.
当時は,物語の複雑さ難解さから不評だったものの,ここ数年で再評価がなされているのは小耳に挟んでいたが,
まさか,劇場映画として俎上にあがるとは.

“シャアが敵役ではなく主人公の後見的役割”,“地球連邦軍内の内紛と終盤に陥る三すくみ状態”,
“初登場の姿が黒かったRX-178ガンダムMk-II”,“航空機形態に変形するMSZ-006Zガンダム”,
“主人公の人格崩壊で迎える結末”
等々,初作にまして,さらに勧善懲悪の色が薄まり,
複雑な展開で裏切られた思いを抱いた当時のファースト・ファンが多かったように思うが,
大人になった今,通して観てみると,実は「Z」のテーマは“リビドー”と“カルマ”に集約されていたように思う.
私は,富野監督作品あるいは宇宙世紀の時間軸に則って作られた作品しか観ないことにしている.

音楽ファンとして,今,主題歌の「Z・刻をこえて」「水の星より愛を込めて」を聴き返してみると,
新鮮で情緒に訴えかけてくるものがあると感じている.ノスタルジーもあるかもしれない.
しかし,歯切れのよいリズムギターやベースライン,ホーンアレンジを聴くと
ステロタイプ化されたアニメソングではないことは確か.
鮎川麻弥は,いまいずこ?
森口博子は,アイドル歌手としては歌がうますぎて売れなかったんじゃないだろうか.

2004年8月 3日

アナログカセット侮り難し

昨年のスピーカーに続いてカセットデッキもとうとうダウンしてしまった.
そんなことを昼食時の世間話で職場の同僚に話したら,使ってない3ヘッドのデッキがあるからということで譲ってもらった.
Technics RS-B705.
アンプにつながずに直でヘッドフォンモニターできたので,それで20年近くも昔のテープを聴いてみて愕然とした.
アナログカセットテープでもこんなに奥行きがあってメリハリのある記録がされてたのか!?と.
それまで使っていたデッキは,一度修理に出したことがあって,それ以来Wリバース・W RECデッキということもあり,
今ひとつ修理後の調整がうまくできていなかったらしく,ヘッド角度が合っていなかったようだ.
そんな環境になってしまっていたので,カセットテープには手が伸びなくなっていたが,また,昔のエアチェック・テープも聴きまくりそうである.
しかし,そんなせっかくの音像がアンプにつないでしまうと,ベターッとした立体感のない音になって,アンプも買い換えたくなってしまいそうで怖い.

2004年9月18日

「侃侃諤諤」新装

本サイト『喧喧囂囂-Rock'n Cafe-』を立ち上げてから,約3年間掲示板として「侃侃諤諤」をやってきたが,私自身あまり他サイトの掲示板にお邪魔できなくなってしまったことから,ビジターの往来が無くなってしまい,掲示板の回転が止まってしまった.
さらにはテーマ限定の支店『Cruising Jammer Man ~ Kenji Jammer Fan Site』を約2年前にあらたに立ち上げたこともあるいは要因としてあるかもしれない.
もともと,掲示板を自分で運営したくてサイトを始めた部分が大きいが,個人運営のよろず趣味サイトで待ちのみで掲示板を回転させて行くのも至難の業であることのあらわれだろう.
掲示板の形態を取りながら,ビジターの投稿が無く,管理人の投稿が続くのは,私の美的感覚として受け容れがたいものがあったので再考してみると,Weblogの形態がこの現状と合致している事に気付いた.
私が好き勝手に書いた内容に対して,ビジターの琴線に触れる事があればコメントを入れてもらえば良いわけである.
今後は,サイトの中にWeblogがあるという,いささか変則的ではあるが「つれづれ臭」も統合した形で「侃侃諤諤」を運営していこうと思っている.

2004年11月 2日

難解な物語

『∀ GUNDAM(ターンエー・ガンダム)』TVシリーズは,なかなか放送の時間帯等々の問題があって細切れにしか観られず,
よく話の中身まで見えなかったが,劇場用として編集された「地球光」「月光蝶」をようやくビデオソフトで観ることが出来た.
∀ GUNDAMはデザイナーがシド ミードで,ガンダムのあの兜の前立てに相当する特徴的な“角”がダリの口髭のようにデザインされ,
賛否両論があったし,実際に私も旧来からのファンとしてかなり違和感を覚えていたのだが,プラモデルとして立体化されたものを目にしたときには,
さすが実際の工業デザインも手がけるシド ミードであると感心した.
コメディやギャグでもないが,殺伐とした感じがなくどこまで行っても牧歌的でありながら,
物語自体は,非常に複雑で難解.生半可な見方ではなんのことかさっぱり分からないだろう.
しかし,やはりガンダムという作品は富野由悠季監督でないと物語の重みが生まれないような気がする.
今まで多数“ガンダム”を題に冠した作品が作られてきたが,富野監督が作った世界の中でしか動けておらず,
“ガンダム”世界を新たに創造できるのは富野監督唯一人であることが分かる.

富野由悠季という演出家の名を意識して作品を観たのは『機動戦士ガンダム』が初めであるが,
後から『鉄腕アトム』はじめTV向けアニメーション黎明期から第一線で活躍し続けていることが次々に分かってきた.
再放送されたり,懐かしがってビデオを借りてきた古い作品の演出に富野喜幸(当時)の名を実によく目にするのである.
しかも,“子供向け”作品で評判が悪かった回に限って富野演出だったのである.
例えば『勇者ライディーン』前半で全く視聴率が振るわなかったかったのに,後半,監督が富野氏から交代すると数字が良くなったとか.

氏は,ロボットアニメが玩具メーカーの販促でしかないと言う慣習にかなりの憤りを演出家として覚えていたそうで,
『伝説巨神イデオン』では,設定を頭頂高105mと極端に大きくし,機械でありながらエネルギー源が人智を超えるもので,
しかも主人公たちの意のままにならず,徹底的に悲劇が襲うという非常に暗い作品となり,結果的にTVシリーズは未完のまま打ち切りとなった.
しかし,玩具ターゲット層から外れるファン達の要望で劇場版で完結まで描かれることになった.

『機動戦士ガンダム』はブームに乗って見始めたに過ぎなかったが,『伝説巨神イデオン』で描かれた人間の業の深さ,
ある種,宗教神話的な広がりさえも感じさせる作品の凄味を見せられて富野由悠季という演出家の執念を感じたのである.

2005年1月 9日

パターンを打ち破って欲しい

本日より2005年のNHK大河ドラマ「義経」が開始となるが,これまで何度か書いてきたとおり,私は奥州藤原氏にシンパシーを感じているので,
源義経が描かれる際にはその最期で必ずと言ってよいほど四代泰衡が悪者にされてしまうところが気に入らない.義経北行伝説を支持したいほどである.
宮尾登美子氏の原作本は読んでいないので紋切り型のことも言えないが,吾妻鏡の記述に沿っていれば今までと同様の描き方になるのは必至である.

義経北行伝説によって産み落とされた史跡も多々あるのである.義顕(義経)一行に風呂を貸したといういわれのある“風呂”家や地元では“判官”さんと呼ばれている箱石家本家など逃亡の道すがら立ち寄った故事にちなんだ民家が多数ある.
渡島(北海道)から大陸に渡ってチンギス ハンとして活躍したなどというのは荒唐無稽過ぎるにしても少なくとも津軽海峡までは辿り付いたのではないかと思いたい.
何故なら,三厩と竜飛崎という地名がそれである.
竜飛崎というのは義顕が竜馬(西洋のペガススのようなもの?)に乗り渡島に渡ったことから付いた地名であると言われているからである.
そしてその竜馬の厩があったので三厩.
そこまでは,点在しているわけではなく時系列に非常に系統だった旅程なのである.

奥州藤原四代泰衡が鎌倉から義顕の身柄あるいは首級を催促されても,のらくらとしていたのはこの時間稼ぎだったのではないか.
鎌倉に時代の流れが味方し,それに抗うことは出来ないことを既に悟っていたのである.
何より,衣川で討ち取られたとされた義顕の首級は,頼朝の首実検を経ずに海に打ち棄てられているのである.
酒漬けで運ばれたとはいえ,焼け焦げた上に腐乱が激しく確認できなくなる夏季を選んだのが泰衡なのではないか.
鎌倉も平泉もそれが義顕の首級であろうがなかろうがどうでも良い,単なる駆け引きのためのポーズに過ぎなかったのではないだろうか.
もはや,いつでも攻め入って来いという泰衡から頼朝への合図だったのかもしれない.

とまあ,吾妻鏡の記述どおりでもこのくらいの解釈はできるはずなのである.
庶子とはいえ武勇に秀でた長男の国衡をさしおいて平泉の御館(みたち)に選ばれたのが泰衡である.
一般的に描かれてきたような腰抜けではあるまい.

2005年4月 5日

終わる番組あれば

ラジオ番組改編期である.
私は中波ラジオ好きである事は既に書いたことがある.

終了してしまって,もっとも残念で寂しい思いをしているのは,MBS夜な夜な倶楽部「ハーフータイム」である.
この番組は,10年前にあったFMとしては型破りの番組「レディオ・ハーフー!」が1年前に復活したもので,
ナレーターの畑中ふうと歌手で淡路島の米屋のおっさん打越もとひさの二人がウダ話をするだけの極めて大阪的なラジオであった.
3月いっぱいで番組は終了したが支持者は根強く,ウェブサイト「WEB RADIO HAAFUU」は存続しlivedoorのネットラジオを駆使するなど新しい試みで継続している.
ファンの間では10月の再開に大きな期待が集まっている.

期待している新番組は,「デーモン小暮ニッポン全国ラジベガス」である.
ニッポン放送だけでなく,全国ネットであるのがチューニングに苦しむことなく嬉しい.関西では,AM神戸とKBS京都の2局で聴く事ができる.
15年前に「デーモン小暮のオールナイトニッポン」を愛聴していたので,週一ではなく月~金の帯でもあり,毎日非常に楽しみである.
デーモン閣下の相方が,当時の聖飢魔II構成員ギター担当,オカマしゃべりのルーク篁参謀でないことが物足りないが,
曜日担当で多彩な女性アシスタントがつくことが曜日ごとの色が出て楽しいだろう.

2005年4月 7日

無料ISP終了

ライブドアが無料ダイヤルアップ接続サービスを6月いっぱいで終了するという.
昨年から何かと世間を騒がせ,一般層への知名度が一躍アップしたライブドアだが,実は,私は5年前からライブドア・ユーザーである.
当時は,まだアナログ回線のダイヤルアップが主流であったので無料プロバイダというのは非常に魅力的であった.
ただし,5年前のライブドアは現在のライブドアとは異なる.
2002年に経営破綻して,堀江貴文率いるオン・ザ・エッヂが引き継ぎ,再度ライブドアに社名変更したものである.
私個人の率直な印象を述べると,無料ISP事業をやめたライブドアに価値は全く見出せない.
ブロードバンドが主流になったとはいえ,未だにノートPCには内蔵モデムが標準装備されており,
とりあえず電話線があればダイヤルアップででもメールチェック等ができるのが良いのである.
通信インフラは別として,接続料無料という破格の存在に価値があるはずなのである.

2005年4月 9日

移行完了

サイト開設から昨年9月までに「つれづれ臭」として執筆したコラムを全てこのウェブログに移行した.
何もそんな手間を掛けなくてもとも思うのだが,実際,「音楽/雑想」篇はHTMLファイルにして100kBを超えていた.
一般に,ブロードバンドが主流となった現在にあってもウェブページは画像を含めて50kBを超えると重いと言われるのだが,文字のみでこれだけの分量になるとさすがに大きすぎる.
なんとかしたいと思いながらも,「音楽」篇と「雑想」篇にわけてしまうとさらに煩雑になり,
アクセシビリティのメンテナンスが大変になるのでなかなか踏み切れなかった.
ウェブログというのは都合の良い事に初めからカテゴリという概念が存在するので管理しやすい.
実際,「つれづれ臭」のバックナンバーのキーワードをウェブログの検索窓で検索されている方も居るようなので,
そういう意味でも使い勝手がよく,ビジターに親切な設計だろうと考えた.
約50篇を少しずつコピー・ペーストして時間はかかったが,なんとか形になったのではないだろうか.

2005年4月18日

Vシネマ

リーサルウェポン・シリーズに代表されるB級アクション・バカ映画が大好きである.

現在,ヤクザ映画,ソフト・ポルノなどのジャンルではVシネマが主流になっているが,Vシネマの元祖をご存知だろうか?
1990年前後の制作だったと思うが,世良公則主演の「クライムハンター」である.
劇場での興行収入を見込めるほどには費用は掛けられないが,TVドラマではできない大仕掛けな撮影をしたいという制作側の意図から生まれた形態だそうである.
当時放送されていた毎週土曜日20時からのFM番組「SERA Way」でしきりとことあるごとに,この初のVシネマ撮影進捗などについて話していた.
(一度,チャーが番組にゲスト出演した事があり“ロック御三家”のうちの二人が当時のことについて,音楽について熱く語っていたのが印象に残っている)

「クライムハンター」はリトル・トーキョーの捜査官を主人公にしたほとんどストーリーがないドンパチだけのガン・アクションである.
シリーズは全部で3作制作されたが,主要出演者が世良公則,叉野誠治,竹内力である事以外に連続性や関連は全くない.
やはり一作目がもっとも見応えがある.リリース直後に観て以来,一作目を10何年かぶりに観てみた.
ストーリー性と引き替えに銃器にこだわり,ガン・マニアには堪らないものとなっているというふれ込みだったと思う.
銃の整備シーンや弾丸の装填数と発射数の辻褄合わせとマガジン交換シーンは必ずあり,銃それぞれに全て発射効果音を違えるほどのこだわりようである.
人体への着弾音が入っているのはこのシリーズを於いて他にはないだろう.
一作目のラストでは,オートマグ44が排莢詰まりでしばしば動かなくなるという有名な欠陥を演出に利用していた.
世良公則氏はオートマチック拳銃であるコルト・ガバメント45がお気に入りらしい.他の作品でも拳銃を小道具に使う場合には必ずガバメントである.

そういえば,メル ギブソンのアテレコが世良公則氏だったことがあった.

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2005年5月17日

ここ一週間ほどの顛末

5月11日に一通のE-Mailが舞い込んだ.
差出人はKenji Jammerの公式ウェブサイトの制作・管理を任されたという方である.
新たなコンセプトの下で新作が発表され,それに伴う日本国内のライヴツアーが行われることでその広報を目的としたサイトということであった.
ついては,Cruising Jammer Man(以下CJM)の内容を参考にさせて欲しいという申し出であった.
事前に内容を確認してみて欲しいということで記されていたURLを辿ると,Kenji Jammer Official Web Siteと銘打たれ(当初は),
Kenji Jammerご本人によるウェブログも用意されていたので,前々から公言していたように,
もはやCJMは用済みとなるため,私が掲載しているデータは全部渡してしまって閉鎖しようと考えていた.
公式サイトに記述されるとそれなりの権威を持ってしまうので,完璧を期していただこうと私が気付く限りの指摘をE-mailで送信した.
するとその返信にはKenji Jammer公式ウェブではなく,あくまで新プロジェクト下の作品のプロモーション・サイトの位置付けになったとあった.
Kenji Jammer公式サイトということで担当の方も張り切ってらっしゃったのが一通目のE-mailの文面から感じられたのだが,その返信の文面には落胆と混乱しか感じられなかった.
新作の販促が目的なのでレーベルの販売元からCJMを参考にウェブ制作するようにという当初の指示だったらしい.
そのことについて販売元からは私に連絡はなかった.
バラバラの情報をまとめた(例えば年表)時点で私に著作権が発生するのである.そのあたりの認識は持っているのだろうか?
レコードレーベルであれば,著作権に対する見識は深いはずである.
レッドブックのCD-DA仕様に準拠していないと悪名が高いコピーコントロールド・コンパクトディスク(CCCD)は著作権保護の目的だったのではないのか.
素人の作ったウェブサイトの内容など盗用してもかまわないという論理なのか.
以前から大手レコード店のサイトや店頭POPでCJM記事の無断での二次利用も目立ったことも苦々しく思っており,
Kenji Jammerご本人やサイトの開設とは全く別の点でそういう大きなところの態度には少々憤りを覚えている.

だが,運営方針が固まらない時点で連絡を先走りすぎたと恐縮されていたものの,配慮して連絡いただいた担当者の方の誠意には敬意を表したい

2005年6月 3日

滑稽な組合せ

ちょっとした健診のつもりで,3~6ヶ月ごとに献血に行っている.
世の中の役に立とうなどと大それたおこがましいことは,全く考えてはいない.
採血の前に血圧測定(血圧はやや低め)があるし,1~2週間程度で血液検査の結果が届くからである.
献血ルームであろうと移動献血車であろうと毎回記念品がもらえる.
以前は,テレフォンカードやスルットKANSAI(関西私鉄共通プリペイドカード)だったが,
有価証券類を記念品にすることは売血につながるということでこれらは数年前に廃止されている.
それらに代わるものとして登場したものが
・歯磨きセット(歯周病予防デンタルリンスと歯ブラシ)
・クッキー・セット
・キャンディー・セット
この3点から一つ選ぶのである.
なかなか,洒落が効いていると思う.
クッキーとキャンディーのどちらかを選ぶのは,まあ,いい.
そこに一つだけ歯磨きセットが混じっているのが皮肉でよい.

2005年6月23日

Musical Baton

日ごろチェーンメールやSPAMについて防衛のためにメールマガジンをとったり,それらに関するブログをよく読んでいる.
そんなところに標題のようなものが回ってきた.

アンケートのような設問が4つあって最後に次に回す5人を紹介するというもの.
どこから回ってきたものかはここでは記さないが,私はこういうものは初めて聞くと胡散臭く感じてすぐには乗れない.
手法としては“不幸の手紙”や“チェーンメール”と全く同様で,媒体が郵便物からE-mailそしてブログに変遷しただけである.
前段があるか否かというだけである.
その前段にしても誰かが集計して結果を出すとかそういう目的が明確ではない.
以前に,携帯メールに希少血液型(Rh陰性)についての輸血提供者を探している旨を受け取ったこともあったが,矛盾点がいくつもあったのでこれも次には回さなかった.
そうしたら,しばらく後に携帯のキャリアからのお知らせとして全く同じ内容の文面を紹介して,チェーンメールなのでそれを実行しないようにとのことであった.
不幸の手紙やチェーンメールは,郵便業務やメールトラフィックの増加で本来の通信効率が低下し悪影響が大きいと言うことで反社会的行為とされている.
ブログを対象にしているので通信効率云々に対する影響はあまりないと思われるが,責任者あるいは立案者をはっきりしておいてもらいたいものだ.
今回の場合は,音楽仲間は横の連帯が強いということに付け込んだものと思われる.
検索エンジンで“Musical Baton”を調べると,それぞれの方は自分にお鉢が回ってきたことを喜んで答えておられるが,中には回答だけで次に回すことは控えるという方もいる.
好意的に解釈すると,発祥であるアメリカでは元々は狭いWEBサークル的なものから始まったが,Internetというメディアのもつ特性から一人歩きして国境も越えてしまったと考えられなくもない. 
このネタだけに関しては罪がないものであるが,包括的に見ると様々な危険性もはらんでいるため,チェーンメールの類であると判断した.
いろいろ検索してみて
東京大仏TV
に述べられていることと全く同じ印象をもっているので以下に回答するだけに留め,次に回すのは控えさせていただく.

1.PCに入っている音楽ファイルの容量
 ダウンロードはしない.
 メモリプレーヤーに入れるための受水槽のような目的だけなので所有レコード全てになる可能性ありと言える.

2.現在聞いている音楽
 ゆるゆるギターズ「Mellow Guitars」

3.最近買ったCD
 同上

4. 思い入れのある曲を5曲
 音楽は所詮音楽である.
 包括的に世間の人に比べて音楽が好きなだけで特に思い入れのあるようなものは,アルバム作品ならあるが楽曲では取り立てて無い.

私自身も,つてを辿っていただいたことについては嬉しく思っているので,そのことに関しては決して迷惑とは感じていないことを最後に記しておく.

2005年6月27日

ようやく慣れてきたのか

「つれづれ臭」をブログに移行して9ヶ月.
この6月はエントリ投稿数が10件を超えた.

「つれづれ臭」を始めた頃は週一題くらいのペースで書けていたのだが,
“コラム執筆”という気負いからネタ切れに陥って一時は月一題書ければ御の字になっていた.
そこへ掲示板への投稿数が減ったりウェブログと言うものが浸透してきたりという状況が重なって,
ウェブログ導入と掲示板の形式変更に至った.
ブログを日記のように使っている方も相当数いらっしゃるようだが,私は数行で終わるようなあまりに何気ないことは書きたくない.
私自身,他人が日常の生活でどうしたこうしたなどということには,興味がないからである.
泡沫サイトではあるが,私が何らかの問題提起や主張を行った物に対して
読んでいただいた方には一緒になって考えたり,そんなことがあるのかと思って新たに考えを巡らせるきっかけとして頂ければ嬉しい.

今月は,日記めいたことも多少はあるが,いろいろと考えることの多かった月なのかもしれないし,
ようやく純粋な日記ではなく,かつ,日記的感覚で気負いなく文章が作れるようになってきたことが形になって現れてきたのかもしれない.

2005年7月 6日

けったいな矛盾

もともと,矛盾しているから“けったい(大阪弁で奇妙な,おかしい等を意味する)”なのであるが.

livedoorがポータルで4日から「しんぶん赤旗」「朝鮮日報」の掲載を始めた.
livedoorといえば,昨年から今年にかけて資本主義の醜さを自ら露呈したかのような行動に出て話題を集めた.
「朝鮮日報」は韓国の代表的な一般紙なので,昨今の韓流ブームなどを鑑みてもlivedoorの“何でもあり”ぶりを見るかぎり不思議ではない.
ところが「赤旗」と言えば,日本共産党の機関紙である.
これはどうしたことか.
livedoorは,前述の通り“何でもあり”なので良しとしよう.
節操がないのが「赤旗」である.
私は,共産党の印象は“武士は食わねど高楊枝”だと思っていたのだが,この態度は滑稽なほどに悲しい.
やせ我慢のまま,萎んでいって欲しかったのだが.
それを資本主義の権化のような企業に掲載してもらうとは.
共産党の幹部なり「赤旗」編集責任者のコメントを訊いてみたいものである.

2005年7月23日

We[love]blog

このブログは,Movable Typeの限定個人ライセンス(無償)を利用して運営している.
開発元のシックス・アパートで,「Movable Type 3」の個人ユーザー向けライセンスパッケージの発売を記念して「We[love]blog(=weblog)」キャンペーンを実施するということである.

以前に書いたことの一部再掲になるが,サイト開設から昨年9月までに「つれづれ臭」として執筆したコラムを全てこのウェブログに移行してある.
ウェブログというのは都合の良い事に初めからカテゴリという概念が存在するので管理しやすい.
掲示板の形態を取りながら,ビジターの投稿が無く,管理人の投稿が続くのは,私の美的感覚として受け容れがたいものがあったので再考してみると,ブログの形態がこの現状と合致していたのである.
私が好き勝手に書いた内容に対して,ビジターの琴線に触れる事があればコメントを入れてもらえば良いわけである.
せっかく自由度の高いレンタルサーバーを利用しているのだから,自分のスペース内で収めたくて自分でCGIを動かしたいと思って導入したのがMovable Typeである.
外部にリンクを飛ばしてポータル運営会社などの出来合いのブログは用いたくなかったのである.

御指名

携帯電話に見知らぬ電話番号から着信があった.大阪府赤十字血液センターからであった.
私は献血登録をしている.登録して1年半ほどになるが初めて献血依頼がきたことになる.
いつものような気が向いたときにふらっと立ち寄る献血ではない.
いつもなら全血あるいは,血小板の成分献血である.
そういえば約1年半前に登録した際に検査用のサンプルの本数が常時とは異なっていた.白血球の型を調べるためである.
単純にABO式のA型,Rh式の陽性というだけではないようである.
今回も検査採血では1本サンプルが多かった.患者さんと適合性を確認するためだそうである.
しかし,結局採取したのは血小板だった.

2005年8月 8日

TalkMasterII-H

talkmaster.jpg
メモリーレコーダーつきラジオとでもいうのだろうか.
メモリープレーヤーやメモリーレコーダーは,各社から発売されており,最近はFMラジオ付きもぼちぼち出てきたが,AMラジオ付きは,有名オーディオメーカーからは発売されていない.
携帯型音楽プレーヤーは,アップルコンピュータのiPodが火付け役になって既存オーディオメーカーもそれに追従する形になっている.
しかし,何度かこれまでにも書いてきたように私はAMラジオも大好きなので,全く食指が動くに足るものではなかった.
特に勤め人としては,深夜ラジオがタイマー録音できる機能が欲しかった.
ラジオの番組は2時間がザラ,中には3~4時間という猛者番組もある.カセットテープならばデッキのタイマー起動は勿論,オートリバース,リレー録音が必須である.
ところがカセットテープは長時間タイプを使うとテープが薄く,使っているうちに疲労・劣化でキャプスタンやピンチローラーに巻きついてしまう危険性がある.
また,音楽だけならば,少々かさばっても通勤カバンを持つのだから,ポータブルCDプレーヤーで事足りるのである.
携帯電話にまでメモリープレーヤー機能が付くほど主流になってきたのでいまさらMDを購入する気にはなれない.
漠然とAMラジオをタイマー録音できるメモリープレーヤーがあったらいいなあと思っていたところに出てきたのが,サン電子VoiceLabのTalkMaster(写真左)である.
元々はトークマスターの名のとおり,NHKラジオ語学講座番組聴取者向けで,そこにFMラジオとMP3プレーヤー,ボイスメモ機能を付けたというものである.
一昨年の秋に購入して毎週3~4番組をタイマー録音し,メモリープレーヤーとして愛用してきた.
その後継上位機種として今春発売となったのがTalkMasterII(写真右)である.
ラジオチューナーの感度向上や録音フォーマットを全てMP3としてステレオ録音も可能とし,USB1.1ではあるがポータブルストレージデバイスとしても使えるなど,かなり機能・性能が向上している.
液晶画面表示がドットマトリクスとなり,ユーザーインターフェイスがわかりやすくなったので,直感的に扱えるようにもなった.
語学練習用ということで再生スピードを0.5,0.7,1.0,1.3,1.5倍に変えることができ,かつ,任意区間のリピート再生ができる.しかも音程は変わらないのでギターのフレーズコピーにも大いに活用できる.
TalkMasterでは,かなり混乱をきたしたファームウェアのアップデートもPCからUSBを介して行えるようになり,リセットスイッチも付いてフリーズに対処できるようになった.
実際,私のTalkMasterもフリーズして不具合が生じた.無償修理,元払い発送返却でかなりの痛手を余儀なくされたと推察できる.

逆に不安が拭い去れない部分もある.
携行時の電源がTalkMasterでは単4型電池だったのが専用充電池になっていることである.充電池交換にはドライバーが必要で手軽には行えない.
基本的に通販のみであるが,全国のいくつかの書店店頭でも販売されている.
TalkMasterは,当時関西ではそこしかなかったので京都三省堂書店で購入した.今年春から大阪旭屋書店本店でも店頭販売が始まった.
TalkMasterIIには内蔵メモリの容量が128MBのSと512MBのHの2タイプあり,Hタイプはメーカー直販のみのはずだが,旭屋書店では売られている.
MP3プレイヤーとしてみた場合には128MBあれば十分と思えるが,USBメモリとして使えるなら音声データのほかにも入る余裕があるに越したことはないと考え,
店頭でも入手できるならと,512MBタイプのTalkMasterII-Hにした.

様子を見に行ったときには在庫があったのに,2日後には売り切れていたので注文し,一週間足らずで入荷した.
サン電子といえば,一般層には知られていないが.主にパチンコ台のコンピュータ部分のメーカーだそうである.
しかし,VoiceLab製品はかなり売れているようである.私は4月10月に発行される『ラジオ新番組速報』の広告ページで知った.
基本はウェブによる直販であり,店頭販売は家電量販店ではなく書店の語学コーナーでのみである.
一流メーカーと呼ばれているところも追従して一通りの製品が同列に並べば,このジャンルがより洗練されると思うのだが.

機能がかなり多いので,使いこなすためには取扱説明書としばらくは首っ引きである.

2005年8月25日

ネット友にオフラインで会う

関東出張にかこつけて,ともにゃんさんに会った.
彼女の希望で,銀座のカフェ・ド・ランブルにて.

ブログでは少々過激な右よりなことも書いてらっしゃるが,実際には地味といっては失礼であるけれども,特に暴論を吐くような方ではなく,むしろ私のほうが暴論を言っていたかもしれない.
私も若く見られるほうだが,私より2歳下だとは思えないほど若く見える.
政治や時事についてあまり話すつもりは無かったのだが,ついついそちら方面へも….結局,予想したとおり,意見が対立することは無く終始同意しかなかった.
何にせよ,総選挙が楽しみである.というのも共通した見解であった.
他に主に話したことといえば,音楽やお茶・珈琲について2時間ほど.当然のごとく,まだまだ話し足りない.
いつになるかは分からないが次の機会が楽しみである.

過去何人もウェブ上で仲良くなった人たち,何人か実際に会った.
ちょっと,ちゃうかなっていう人も数人はいたものの,皆,押し並べていい人たちばかりだった.
同好の士であることが大きな原因なのだろうし,一応,選んでるつもりなので最長の方は7年になる.

2005年9月 5日

総選挙に思う

前回の総選挙のときにも同じ題でほぼ同じ内容をつれづれ臭に書いた覚えがある.

選挙はともかく,最高裁裁判官国民審査である.
過去,これで罷免された裁判官はいないそうである.
議員の選挙に関しては,記入ブースの上に一覧がある.そして,報道や政見放送などメディアにも主義主張は周知されるので聞く気が有れば情報は入ってくる.
しかし,裁判官の審査に関しては,能動的に取りにいかねば情報は入らない.
国民審査も選挙と同様に,記入ブースの上に担当した裁判の一覧を掲示すべきである.あるいは投票整理券と同時に郵送すべきである.
最高裁であるということから,形式上国民の信を問うということにはなっているが,まさに形だけで十分に機能しているとはお世辞にもいえない.
そういうことへの抗議の意味もあり,筆頭に示されている裁判官に対してペケ印が多く付く傾向があるそうなので,不公平(?)がないように,私は全てにペケ印をつけて投票箱に投函する.


ついでに選挙のことについても述べておく.
「誰にも票を入れる気がしなくても棄権するよりも白紙投票を」
と言う方もいらっしゃるが,私はもう一歩進めたい.
小選挙区には「該当者なし」,比例区には「該当政党なし」と書くのである.
まさか,カンボジアやあるいはイラクやアフガンではあるまいし,日本で選挙の際の不正が極端にあるとは…,とは思いつつも現に不在者投票での票数操作が数年前にあった.
だから白紙のままだと手を加えられる恐れがあるのである.
自分の考えと正反対のことに利用されることは絶対に避けたい.ロクな候補者,政党がないことに対する非難の意味もある.

投票を促す総務省のTVCMにも一言.
「あなたの一票には力がある」と言われても「6割が死票になる小選挙区制の下でそのスローガンは空しく響く」

2005年10月 1日

ダイエット

オフで私を知っている人はこの標題をみて「何だと!?」と思われるかも知れないが,さすがに30代も半ばになると代謝量が落ちてきて,すぐに贅肉に変化してしまう.
見た目に出ていなくても,端々に肥満の兆しが出始めているので,かなり注意している.
二十歳頃までは,燃費が悪かったので底抜けに食べても体重が50kgをなかなか超えず,献血でも400mlができずに検査項目が少なく不満に思っていた.

さて,世間一般に“ダイエット”とは“減量”と理解されているようだが誤りである.
Diet=食餌療法なので極度に痩せた人が体力をつけるために熱量の大きい食品を摂取して太ろうとするのもダイエットである.
そして現在私が減量のために行っているのは間違いなくダイエットである.
しかし,食べる量も全般的な食品の種類も全く変わっていないし,特別に運動をしてエネルギー消費を促しているわけでもない.
何をしているか?食べる順番を変えたのである.
小学校などで給食を食べるときに,まんべんなく食べる“三角食べ”を推奨して指導されるが,それからすると全く逆を行うのである.
どうやら空腹時に最初に胃に入った食品から吸収あるいは効果を発揮していくようである.
だから食卓に並んでいるものでは,野菜から食べるのである.そして,毎日体重計に乗ってその時その時の体重を意識する.
これだけのことで,定常体重が十日ほどで1kg減った.おそらく野菜の食物繊維が効果を発揮して,後から糖質や脂質が入っても上滑りして吸収されにくくなる効果があるように思う.
体重が1kg減ったというだけでは大した効果には思えないが,排便の感触がスムーズで胴回りや下腹が自分でも明らかに分かるぐらいすっきりしたのである.

半年くらい前にジーンズを新調した.裾あわせの試着の時,28インチのタイトフィットではウエストのボタンが正直留めづらかったのだが,ここで妥協しては体が油断して太ってしまうと思い,そのジーンズを購入した.
今まで,そのジーンズを穿くときは,ずっとボタンを留めにくかったが,食餌の仕方を変えて短期間でボタンが楽に留まるようになった.
細めのジーンズで意地を張っておくものである.自己の肥満ボーダーラインにして体型を管理できる.

とんでもなく太ってしまうと取り返しが付かず,落とすためには多大な努力を要するが,兆しが出始めたときにちょっとした意識で簡単に取り戻せるものである.
野菜から手をつけることと,朝の冷たい珈琲(非即席)がよく効く.

2005年10月11日

1980年代

1980年代の10年間というと,私自身は小学校高学年から大学生と心身ともに最も成長する時期であり,刺激を受けやすい年代に当たっていた.
誰もがそうであるようにこの多感な年頃に刺激を受けたものについては忘れがたい.
ロックシーンでは,1960年代の草創期,1970年代の爛熟期を経てテクノロジーとビジネス先行の1980年代はつまらなくなったと言われている.
ロックは「HOTEL CALIFORNIA」で終わったと.
しかし,私はその80年代に本格的にポップミュージックに浸っていったわけでそれ以前をリアルタイムで聴こうにも聴けないのは当然の話である.
そんな中でもハイティーンの頃,80年代後半にヒットチャートの上位を占めたわけではないものの,話題を集めていた内外のハードロックをよく聴いていた.

音楽的感性が薄く,テクノロジー,ビジネス,ヴィジュアル先行と良いとこなしの言われ方をしているが,20年経ってそこそこ再評価されているのではないだろうか.
1980年代に全盛期を迎えたがその後失速して解散に至ったバンドが再結成しているのここ最近よく耳にする.

アニメーションについても1980年代の作品が再評価が進んでいる.
その際たるものは20年経って劇場映画化されている「機動戦士Zガンダム」であろう.TVシリーズの放映が1985年なのでちょうど20年である.

しかし,残念なのは大半が懐古趣味の域を抜けられていないことである.
つい最近までは70年代の焼き直しだった.
それが80年代に移っただけのようにも思える.
再生産に毛が生えた程度であり,もはや全く新しいものは,創造されないのだろうか.

2005年10月20日

史上最強無敵のギャグ漫画

最近,4コマを除いて,まともなギャグ漫画を見かけなくなった.
70~80年代半ばあたりまでがせいぜいではないだろうか.
現在のものは,ストーリー主体で,しかも,どれも押しなべて長い.20巻は当たり前である.昔は,5~10巻程度が普通だったように思う.
漫画というよりも劇画といったほうが良いものばかりである.
そう,漫画はなくなってしまったのである.漫画と呼べるのは,新聞の4コマだけではないだろうか.

私が不滅のギャグ漫画と信じて疑わないのは「マカロニほうれん荘」である.
現在の漫画と比べると非常にコマ割りが小さい.ページ一コマなどはあり得ない.しかも一ページ当たりの文字数が異常に多い.
ビジュアルだけで笑わせている訳ではない証拠である.
それに作者の鴨川つばめが当時かなりミーハーなロックファンだったことが伺える.
コマの端に当時のロックスター達(AERO SMITH,KISS,VAN HALEN etc...)が描かれていたり,
きんどーさんのFreddy Mercury,トシちゃんもJimmy Pageのコスプレをしているのである.
にしても,無意味な破壊力が漲っている.
こんなアナーキーでパンクなハイスピードギャグは,誰にも生み出せないのではないかと思う.
読み手にもこれについていくために体力が要る.
絶対に予定調和しないのである.

実はこの「マカロニほうれん荘」絶版にならずに刷数を重ねているので,古本屋を探すことなく全巻簡単に入手可能なのも驚きである.

2005年11月16日

We[love]blogその後

wlvblg.jpg
7月末にWe[Love]blogというエントリーで書いてシックス・アパート社のキャンペーンに応募したことがあった.
10月下旬に当選したというトラックバックがあり,本日シックス・アパート社から記念品が送られてきた.
写真にあるように,“We[Love]blog”ステッカーとSix Apartロゴ入り携帯電話画面拭き,そしてMovableType/TypePadロゴ入りボールペンである.
他には,当選エントリーのダイジェスト一覧と「free paper C」が一冊.
はっきり言ってしまって粗品と言ってしまって差し支えないが嬉しいものである.
無作為に抽出されたのではなく,内容を審査されたのであるから.しかも私は無償ライセンスユーザーである.
前述のダイジェスト一覧にも私の一文が入っている.

ウェブログというのは都合の良い事に初めからカテゴリという概念が存在するので管理しやすい.私が好き勝手に書いた内容に対して,ビジターの琴線に触れる事があればコメントを入れてもらえば良いわけである.

ダイジェストに抜粋されていたのは以上であるが,他の方々はかなり熱くブログについて書いていらっしゃるので私など恥ずかしい限りである.

six apart

2005年11月18日

ええ加減にしとけよ

恐竜博2005を大阪市立自然史博物館に見に行った帰り,久しぶりに日本橋に行った.
最近はPCのパーツ等もあまり興味を持たなくなったので目的はもっぱら中古レコードである.
曜日の関係で定休日の店もたくさんあったのだが,その曜日には定休日ではないお気に入りの店があったのだが数ヶ月行かない間に閉店していた.
店自体はなくなったわけではなく,堀江に本店があるので,結果的にまあ良いのだが.
その店がなくなったことを知らずにいつものように店のあったビルの下まで行って見上げてみるとその店の看板がなく,いわゆる萌え系の看板が….

メイドカフェである.

ガックリきた.

東京の秋葉原に対して大阪の日本橋.
似たような傾向になってくるのは仕方のないことであるが,秋葉原になくて日本橋にあるのが五階百貨店と充実した中古レコード店である.
元々の五階百貨店も衰退の一途でほとんど無いに等しくなり,無線機や電子パーツ店,オーディオショップがPCショップに置き換わり,その上に中古レコード店まで無くなってしまっては,全くもって日本橋の値打ちがない.
家電量販店も関西勢は阪神タイガースのスポンサーとなっている上新電機を除いて軒並み会社更生法や民事再生法を適用して整理の憂き目に遭っているていたらくである.
関東系の量販店のキタへの進出が理由で日本橋が斜陽と言われているが,サブカルチャー中心になったがために一般客が敬遠するようになったのではないだろうか.
( 実はロックもサブカルチャーだが )

日本橋の買い物の楽しみは,値切りの交渉である.関東系の店は値切りには全く応じない.
価格交渉が嫌われるようになったということは,さすがの大阪人もいよいよ対人関係が苦手になってきたということである.

2005年12月 2日

頭上の蝿か蚊

この2,3日の間,当サイトの掲示板「KenKen-GO!GO! Board」でSPAM投稿が後を絶たない.
新規投稿有無の確認のために掲示板を開かなくても良いようにEメールで投稿通知が入るようにしてある.
十数分間隔で英文のEメールが一度に連続で5,6通入っている.SPAM投稿が入っていることが分かれば即刻削除している.
SPAMの内容は,ドラッグ関係や贋物ブランド品の闇販売などである.
「Crusing Jammer Man」はYahoo!にも登録されているし,アクセス数もそこそこある.手前味噌だがKenji Jammerに関する資料的記述は当代随一であると自負している.
しかし,本店はパーソナルよろず趣味サイトなので全く大した事は無い.トップへの純アクセス数は日に10件あるかなしかぐらいだと思う.
ましてや掲示板を見てくれている人は,その中でも一握りどころか一つまみのごくごく一部である.
はっきり言ってターゲットとしては間違っている.ちゃんとリサーチして欲しいものである.全くもって大迷惑である.一方的な広告のためのEメールであるSPAMメールを迷惑メールと訳したのは名訳である.
最初は,こまめに削除してやれば管理が行き届いていると思って諦めるだろうと思っていたが,どうやらロボット投稿のリストに入っているようで,削除しても数時間後にはまた投稿されている.
まるでいくら追い払っても寄ってくる蝿か蚊である.
とは言ってもSPAMMERを蝿叩きで叩いたり,蚊取線香を焚いたりするわけにはいかないので,当面の対処としてバッファページの設置とリンクではなくボタンフォームによる掲示板への移動でSPAM防止を図っている.
かつては違う目的で掲示板表紙ページを設置していたのだが,投稿も減ったし私自身種々雑多なサイトの掲示板に書きまくるようなこともしなくなり訪問者が減ったので,トップページから掲示板CGIに直接リンクを張っていた.

掲示板をご覧頂いている方々には,間違っても埋め込まれているリンクをクリックせぬように十分注意していただきたい.

2006年2月10日

時,既に遅し

つい先日,一通の封書が届いていた.
開封すると中学校の同窓会の案内だった.
今年で卒業から20年になる.卒業以来,初めての同窓会である.
クラス会ではなく,学年全てが対象のようである.
連絡が付かない者の卒業時の学級ごとの一覧も同封されていたのだが,私のいた学級が飛び抜けて多かった.
当時は,合唱祭や球技大会で優勝したり,表面上まとまった学級と見られていたようだが,フタを開けてみると実情はこんなものである.
学級のヤツらは,うわべばかりのええカッコしい揃いで,イヤでイヤで仕方なかった.級友とも呼びたくはない.
まとまっているように見えている学級の実態は全体主義で,ある意味で国家総動員法下の戦時中の日本のようだったかも知れない.
つまり個人を認めない学級だったのである.
決して私は“非国民”扱いされたり,いじめられていたわけではなかったし,行事からエスケイプしたわけでもなかったが.
そんなわけで中学校の卒業式のときには,せいせいしたという心境にしかならなかった.
卒業式の後には,男のヤツまで泣き出して,それを冷笑的にしか見られない自分がいた.
普通はイヤな思い出でも,年数を経ると美化されるものなのだが,中学3年生の時だけはイヤな思い出のままである.
中学時代の楽しい思い出は,全てクラブ活動に集約されている.
3年時の担任は,クラブの顧問でもあったので,よく知っていて良かったし,何かと気にかけてくれていたので恩師には会いたいような気もする.
そして,うわべだけまとまった学級を作ることはかえって罪悪である,また,あの学級のなれの果てがこんなものである,と言ってやりたい気もした.
しかし,即答で欠席である.
10年前ならば学年全体ということなので出欠を迷ったかも知れないが,中年太りや頭髪も薄くなったりで男女ともに醜悪な姿を余儀なくされている者も多いはずである.
幼い思い出はそのままにそっとして,今となってわざわざ掘り起こすべきではないと思うし,再会したところで,もはや近況の話も合わないだろう.

人間形成がほぼ完成に近づいた大学の同級生のうちの何人かと友人として続いていれば,私にとっては十分である.

2006年2月13日

冬季オリンピック・トリノ大会

どちらかというと,毎度のことながら夏季大会よりも冬季大会の方が興味を惹かれる.
冬季大会のほうが私にとって観ていて面白い競技が多いのである.
しかし,毎回のことであるがメダルの個数にこだわりすぎる.
「参加することに意義がある」≒「出場できるだけでも大したもの」だし,
世界の一流選手に「あの日本人選手は要注意」と言わせるだけで十分ではないかと思うのだが.

さて,開会式も回を追って派手になってゆく.
出場選手団の入場行進の際は特別に行進曲を作らず,1970~1980年代の世界的ヒット曲が次々に流されていた.
DOOBIE BROTHERS "LONG TRAIN RUNIN'"やVAN HALEN "JUMP"等々そのころの音楽が好きな私としては,なかなか嬉しい趣向だった.
しかし,選曲としては分からなくもないが,良いのか?と思う曲もあった.Village Peapleの"YMCA"である.
かつて書いたように日本では西城秀樹の「ヤングマン」であるが,原曲の"YMCA"は「ヤングマン」の印象を持っていては大間違いなのである.
まだまだ,流れなかった曲で当時のヒット曲はあったにもかかわらず,この曲が流されたことが非常に意味深長であるように思えてならない.
数ある楽曲の一曲なのだが,まるで選手村がそうであるかのように思えてしまう.

そんな穿った見方をするのは私くらいのものだろうが….

2006年2月22日

ニコンMF党結党宣言

ここ最近はずっとカメラ雑誌を買う気にはなれなかったのだが,この見出しに惹かれて何年かぶりにアサヒカメラ誌を買った.
ニコンの銀塩カメラ・ラインナップ縮小(事実上の撤退)を受けた記事である.
赤城耕一氏と神立尚紀氏の対談で始まる.
こうなってしまうと,思い切って買っておいたほうが良いレンズがあるのかも知れない.
対談記事の中で薦められていたのはどれもズームではなく,単焦点系レンズである.
35mmF1.4S,50mmF1.4S,マイクロニッコール55mmF2.8S,24mmF2Sである.
一方,私がニコンの一眼レフ・カメラを初めて買ったときから,ずっと思い続けているのがPCニッコール28mmである.
このレンズは,結構早々に生産完了してしまっており,中古市場にもなかなか出てこないレンズであるが,35mmフィルム・カメラでアオリができる変わり種である.
ボディは,やはりFM3Aは欲しいところであるが,それともNewFM2/Tだろうか.あれもこれもとなると資金が問題である.

他にも今号は興味をそそる記事がそろっていた.
「チタンカメラの誘惑」,私の所有しているものにもチタンボディがある.F3/Tである.
ま,残念ながら初期生産タイプのチタンカラーではなくブラックボディで金属部表面が梨地である以外には通常のF3HPと何らルックスに変わりはないが.
「ニコンD200で始まるMFの復権」もデジタルカメラの記事でありながら,MFユーザーとしては,なかなか興味深い記事であった.
先日も書いたのだが,デジタル一眼が普及機レベルで1200万画素となって実売価格がかなりこなれてこない限りは,デジタルカメラには手は出さないだろう.

2006年3月 1日

はよ,整備せんかい!

現在,私が使用している携帯電話はNTT DoCoMo mova SO505iである.これに機種変更して2年半を過ぎた.
もうそろそろ換えたいのであるが,もはやmovaの新機種は出そうにない.
DoCoMoは2008年までに第2世代であるデジタル携帯電話の電波を停止することを明言し,第3世代CDMA方式=FOMAに移行しようとしている.
料金体系は,movaもFOMAも一本化された.家族4人でもいちねん割引とファミリー割引を併用すれば1万円に届かない程度である.決して高くない.
しかし,電波の届く範囲の地図を見てみると,movaの通話地域に比していかにもFOMAの通話可能地域は貧弱である.
都市部での使用であれば遜色は無いとの見方もあるが,そう単純なものではない.
意外と神戸の山手の高級住宅街,夙川あたりでは電波状態が万全ではない.
movaとFOMAの比較ではないが,第2世代では,vodafoneは通話不可能地域なのに対し,DoCoMoは難なく通話できるのである.
人里離れているわけではないのに,こんな調子である.FOMAに換えてしまうには不安がつきまとう.
何のために携帯電話を持っているかといえば,もちろん第一に通信連絡手段である.
音声であろうが,メールであろうが通信できなければ意味がない.

カメラ付きは納得できる.何度か書いているように専用機のデジタルカメラは所有していないからである.
かつて常時持ち歩く高級コンパクトカメラが欲しいと思い,具体的に検討していた時期があった.
CONTAX T2かTVS,あるいはNikon 28Tiあたりにしようかと思っていたが,高級といえども所詮コンパクトカメラなので帯に短し…で,結局買わなかった.
そうこうしている間に携帯電話で100万画素級が出てきた.それが現在使用しているSO505iである.少々分厚く大きいし描写性能も悪いが一個で済むので妥協できる.本格的に撮影する目的ならば一眼レフを持ち出せばいいのである.
2年以上継続使用の交換充電池無料サービスも受けたし,無償修理も利用した.
実際問題,換え時なのだがFOMAに実用上の魅力を感じない.音楽プレーヤーとして使うにしても電池の持久力がなければ本来の役割を果たさない.
Felicaも面倒である.iDはクレジットなので不安が多い.

そういう付録の部分の開発をする前に,本来の目的のための手段となるインフラストラクチャーの整備が先決である.
卵が先か鶏が先かの議論になるのだろうが,FOMA通話可能エリアがmovaと同等にならない限り,今のところ乗り換える動機付けにはなりにくい.
私のようにモノに対して慎重な人間は動きたくても動けないのである.

2006年5月13日

落語>>演歌

10歳ほど上の人が話しているのを聞いたりすると,若い頃はフォークやニューミュージックと言っていたのに歳を取るとやっぱり演歌だなと言っている.

私にはまだ分からない.音楽は相変わらずブルーズロック~ハードロック/ヘヴィメタルが好きである.
演歌が日本人の心などというのは全くもって同意することはできない.酒場の男女の繰り言が日本人の心なわけがない.
ただ,二十歳前後の頃のように寝入るときにハードロックをかけて眠るということはできなくなった.
音が複雑に重なり合っていて,いちいちそちらに神経を取られるのである.
冒頭の演歌の代わりに私の中で登場してきたのが落語である.
落語であれば,基本的に人間の話し声である.音の隙間も多い.
聴きながら床に入ると良い按配で眠気が差すことが多い.人間の自然なリズムなのだろう.
眠気が差さなければそのまま聴きつづけることになる.
内容が分からなくなったときが集中力が切れて意識を失うときである.
おかげでマクラからネタにはいるところはよく知っていてもサゲを知らないネタが多かったりするのである.

桂枝雀師はわかりやすく面白(過ぎる)いが騒々しく,桂文枝師はトーンが高いので睡眠導入には向かない.
集中していれば深みがあって面白く意識が薄れてくると淡々としているので眠気を阻害しない桂米朝師がベストである.

2006年7月24日

よーやくわかってきた(遅っ)

このウェブログは,MovableTypeの無償個人ライセンスを用いているわけであるが,6月末から7月初めにかけてバージョンアップがなされ,ver.3.3がリリースされた.
サーバは無料で間借りしているが,ブログそのものは自分で手に入れてインストールしたものなので,Yahoo!,goo,楽天日記,livedoorといったポータル運営会社が提供しているものでも,ドリコム,SeeSaa,アメーバ・ブログなどともそもそも異なるので,リリース情報を得て自分でバージョンアップ作業を行うのだ.

確か,ver.3.11あたりから使い始めたと思うのだが,ver.3.17から3.2へのバージョンアップで設定関係に大きな変化が現れた.
設定ファイルが簡素化されてmt-config.cgiとなったことである.その他にも広告付無料サーバで使うには障害となることも出てきたが,このXREAでは比較的簡単に対処はできた.
従来の設定ファイルであるmt.cfgがあれば,移行措置として自動的にそれを読みに行ってくれるので結局ver.3.2はそれで通してしまったことになる.
ver.3.3でも同様なのだが,いつまでも放置していると,いざmt.cfgが無効になってしまうと対処に困るので今のうちにmt-config.cgiを使えるようにしておこうと,WEB上の諸先輩方のブログ等を調べて試行錯誤していたが,全くもって上手くいかない.
データベースが見つからないというエラーメッセージが出るのである.

そもそも思い込みが上手くいかない原因だったことだけはわかった.MovableTypeを設置した時にMySQLを利用できるように設定したのでMySQLで動いていると思っていたのだが,実際はBerkley DBで動いていたのである.
MySQLを利用可にしただけで作成していなかったのだ.
それに気付かず,MySQLの設定を一所懸命いじくって動かないと悩んでいたのである.当然ながらBerkley DBの項目はコメントアウトしてしまっていた.
ようやく,mt-config.cgiによって動くようになり,mt.cfgを削除した.
どちらにしてもエントリーも150を超えようとしているので,MySQLにデータベースを書き換えたほうが動作が軽快になるはずなので極力早く移行したいと考えている.
それとコメント/トラックバック・スパムへの対策である.管理者による表示許可としてあるし,スパム投稿への振分けも機能しているので投稿があっても表示はされないが,かなりの数と頻度である.

プログラムの経験はせいぜいN-BASICとPascalをちょっとかじった程度で,Perlスクリプトを少し書き換えたりくらいならばできるのだが一からCGIを構築したり,サーバ上のデータベースの何たるかなどはさっぱり分かっていないので時間がかかる.
しかし,幸いにも,生来,有形無形にかかわらず,モノをいじくって動くようにすることは楽しい.
逆にああでもないこうでもないと試行錯誤しているうちが花で,動いてしまうと途端に熱意が冷めてしまってその後は放置してしまいがちという本末転倒気味なことも多いので困ったものだが.

2006年7月25日

できたできた

前回のエントリーで,データベースをMySQLに移行しようとしたことを書いたが,上手くいった.
文字コードがSHIFT-JISが標準だと思っていたが,UTF-8が標準だということもわかった.
そういえばYAHOO!ブログにトラックバックしたときに私のトラックバックが文字化けしていた.
結局は,文字コードが違ったのである.
Berkley DBの文字コードをSHIFT-JISからUTF-8に変換した後にmt-db2sql.cgiを実行.
移行できたことを確認してBerkley DBのデータを削除した.
MySQLに移行するとやはり再構築が早くなったように思う.

なかなかいい調子でいまのところスパムも分別してくれているように思う.

2006年7月30日

真の思惑

今年2月頃に中学校の同窓会の案内が届いたことを書いた.
届くなり早々に欠席を決めたことは先に書いたとおりであるが,正解だった.

ある土曜日,ある男性が私の家に訪れたそうである.
私の中学校で同級生と名乗ったという.私は土曜日も出勤なので帰宅してから家族に聞いた.
もちろん,その男性の名は知っている.
しかし,多少は口を聞いたくらいで知っていると言うだけである.友人だったというほどではない.
私を訪ねてきた理由は,近々ある大阪府議会議員補欠選挙である.
最近引退した自民党の大臣経験もある地元の有力代議士の秘書をしていたということで,府議会議員に立候補するのでその挨拶に来たらしい.

そう言えば,同窓会発起人の一人に名を連ねていた.いわば同窓会が出馬決起集会だったのである.
実際に出席してみたら興醒めだったことだろう.欠席で正解というのはこういうことである.
当時も親交がなかった同級生からいきなり電話がかかってきて会ってみたらマルチ商法かネズミ講あるいは怪しげな新興宗教の勧誘だった,みたいなものである.


選挙公報板にも候補者のポスターが貼られ始めた.
今回に限っては投票日に投票所へは足は運ばない.

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2006年8月11日

約30年ともなれば

声優の鈴置洋孝さんが肺がんで亡くなった.
第一作の『機動戦士ガンダム』~『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』まで,歴代主人公が所属する戦艦の艦長:ブライト ノア役を演じた.
他にもファースト・ガンダムの主要登場人物を演じた声優の何人かが既に亡くなっている.
セイラ マスを演じた井上瑤さん,マ クベを演じた塩沢兼人さんである.
いちいち挙げることはしないが,それぞれにファンの間で語り継がれている名台詞がいくつかあり,もうそれらも劇中でしか聴けないわけである.
特に塩沢兼人さんについては,第一作劇場版3部作DVD-Videoが5.1ch音声で再録音されたときには既に亡くなっていたので,別の声優で当てられた.
取り立てて違和感があったわけではないが,腺病質で冷笑的な独特の雰囲気はやや薄れていたように思う.

TVシリーズの放映開始が1979年なので今年で27年になる.
当時に既にアニメーションのアフレコや洋画のアテレコで定番的な一線級の声優だった方々なので,それから25年以上も経れば無理からぬことである.
しかし,驚きなのは,主人公:アムロ レイ役の古谷徹さん,仇敵:シャア アズナブル役の池田秀一さん共に当時の雰囲気を全く失わない声を保っていらっしゃることである.
私は,第一作劇場版3部作の公開が小学校高学年に当たっていたのでジャストの世代である.
更には,私よりも上の世代では,古谷さんといえば『巨人の星』星飛雄馬役のほうが印象深いはずであるが,その雰囲気も未だ保っている.

日本のロックギタリストの代名詞,チャーこと竹中尚人先生もデビュー30年,齢50を超えて,なお「渋くなるなんて冗談じゃない」と言う.

自分自身では,まだまだ,そんなことも言う年齢に達していないし,達したとも思っていないが,“細く長く”ではなく,“Ever Green”,“太く長く”ありたいと思っている.

2006年9月29日

タブブラウザ乗換え

InternetExplorerベースのタブブラウザで初めて使ったのがCuam,Cuamの開発が終了してしまった後,Sleipnirも使ったが,動作が軽快だったのでLunascapeに落ち着いた.
軽快なだけならば,Donut系もあるが,LunascapeはVer.0.9あたりから使ってきた.Ver.2で現在のIEとGeckoのデュアルエンジン・ブラウザになった.
実際のウェブ閲覧には,もっぱらFirefoxを使っているが,未だ大多数がIEであることからGeckoで正確にレンダリングできないサイトも少なからず有る.
自分のサイトでは,ひととおりの全てのブラウザで意図した描画がされることを確認するために,IEはもちろん,Mozilla Seamonkey,同Firefox,Operaをインストールしてある.
とりあえずウェブページを構築した後の確認には,IEとGeckoのデュアルエンジン・ブラウザが便利である.
そうやって今まで主にLunascapeを使ってきたが,最新バージョン3.6で私が使用しているシステムではなぜかインストールできなくなってしまった.

再びSleipnirに挑戦しようと思っている.
Lunascapeと同様にIEとGeckoのデュアルエンジン・ブラウザで,なおかつ,中上級者向けであるということ,作者のPC盗難でSleipnir開発中断がニュースになったこともあり,Ver.2で新たに設計が起こされているので動作感が変わっているだろうという期待からである.
また,RSSリーダにInfoMakerのHeadline-Reader Liteを使っているということもある.数ヶ月前にInfoMakerとFenrirが提携してSleipnirにプラグインとしてHeadline-Readerが組み込むことが可能になったのである.
LunascapeのRSSリーダ機能が少々不満に思っていたということもある.どうもAtomで読み込んでいないようなので,ページを表示させずに全文を読むことができないのである.
できればAtomフィードに対応したリーダであるほうが好ましい.

2006年12月 8日

これが正しい姿なの?

最近,何の気なしに検索エンジンで「喧喧囂囂」「侃侃諤諤」を検索してみた.
YAHOO!で「喧喧囂囂」をひくと,当サイトがNHK放送文化研究所を抑えてトップ!
Googleでは逆の順位で3番目と4番目.
どちらにしても1ページ目のかなり上位にあるわけ.
「侃侃諤諤」の場合も当ブログがYAHOO!,Googleともに1ページ目に表示される結果となっている.
これは嬉しい反面,由々しきことなのではないかと思う次第.
検索の目的が,「喧喧囂囂」と「侃侃諤諤」の意味を調べるためではないと言うことなのである.

近頃,「喧喧諤諤」などという「喧喧」「囂囂」「侃侃」「諤諤」のそれぞれの意味がわかっている者にとっては奇怪な言葉が出てきているから,そちらが正しく認識されて用いられるようになってほしいと思っている.
「喧喧囂囂」は,やかましくて収拾つかない様を表しており,「侃侃諤諤」は,強く正しいことを臆面無く議論しあうこと表している.
ならば,「喧喧諤諤」は,やかましく遠慮なく言うことか?どこかの巨大掲示板のことを表しているような言葉である.
せっかく表意文字である漢字を使っている言語なのに言葉が表す意味を全く考えていないからこういうことになる.
言葉が記号化している.日本は良くも悪くも言霊の国のはずであるにもかかわらず.

2007年1月 4日

正月雑感

このテーマでほぼ毎年書いているように思う.
近所のスーパーマーケットも元日から営業する店が多い.
私の幼少の頃は近所の市場の年始開店は六日からだった.
道理で通常の休日とほとんど変わらないので正月気分が出ないはずである.

書き初めでも何でも二日にするのが大原則である.
おせち料理も食事の準備をしなくて済むように作り置きするのがそもそもの主旨である.
せめて元日は交通機関を除き原則全て休止.
ユダヤ教のサバト(安息日)のようなもののはずであるし,そうすべきであると思う.

2007年3月20日

Read Only Member

ITmedia newsに少々気になる記事があった.
「mixi読み逃げ」ってダメなの?
SNSの日記を読むだけは許してくれない風潮が増えてきているという.
私はmixiしか登録していないので他のSNSはわからないが,リモートホストやIPアドレスが記録されるだけの一般のアクセスログと違って,mixiは誰がというのがはっきりとわかるようになっている.
だから,アクセス痕があるのに他に何も残さないのは失礼だというのである.
しかし,そんなことを言っていたら,私のようにオープンなウェブサイトやウェブログをやっている者はやってられない.
BBSなど投稿が無いのにどんどんカウンタだけ回っていく.
このブログは,mixi日記の外部設定としてあるのでそこから辿ってご覧になっている方もいる.
サイトのアクセスログとmixiの足跡を時間帯で照合すれば,リモートホストでおおよそは誰だかわかるはずである.
SleipnirにMixChainプラグインを入れてあるのでそんなに面倒な作業ではない.
読み逃げが失礼だと主張する御仁は,SNS外部にリンク設定してあるオープンなブログやBBSに必ず投稿しているのだろうか.

読み逃げを嫌う人については,私から見れば幼稚に思える.甘えと依存傾向があるのだろう.
確かに自分の書いたことに対して何らかの反応をもらえるのは嬉しいことではある.
コメントをしてもらえないのは,自分がコメントをしてもらえるような魅力のある文章を書けていないと謙虚な態度で捉えるべきである.
あるいは,他人からみて理解し難い内容を書いているということである.
私の場合には後者であろう.
実際に他の人のmixi日記やブログを読んでいて,強く琴線に触れることは,それほど多くない.
そのことである.

知人が自分に興味の無いことをウェブ日記に書いていてそれに対する感想や何かを述べる義務がどこにあるというのか.
読後の感想に具体的なものなど無く,「ふーん【終り】」なことがほとんどのはずである.
小中学校の夏休みでの課題図書を定められた読書感想文を強制的に書かされる宿題のようなもので,退屈極まりないものに陥る.

2007年3月27日

ヘッドレスギター

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深夜のNHK総合(大阪)の「上方演芸ホール」を落語を中心によくみている.
先日,漫才の回ときに横山ホットブラザーズが出演していた.
三男のセツオさんの使用しているギター,いつものように黒のヘッドレスだったのだが,ピックアップ直ぐ下のブランドロゴがいつもとは違っていたことに気がついた.
よく見ると,今までHONERだったのがSpirit by STEINBERGERに変わっていた.ロックの奏法で弾きまくるわけでもなくフレットの損耗もそんなにないだろうにそれほど傷むはずもないように思う.長男のアキラさんもちょっと前まで大きなピックギターだったが,小さいアコースティックギターに持ち替えている.
ともあれ,ホットブラザーズのような音楽ショーやコミックバンドにはヘッドレスが重宝するそうである.
ビジーフォーのモト冬樹氏は本物のSTEINBERGERを使用している.
“コケ”がやりやすいそうである.ギターの全長が短く,どこかにヘッドをぶつける恐れがないうえに軽いのである.
昔はモト冬樹氏はLES PAULを用いていて重くて大変だったそうである.

ヘッドレスギターというものがあるのに気づいたのと,エレクトリックギターに興味を持ち始めたのはほぼ同時期だった.
当時の最新作『MOBO倶楽部』のジャケットで渡辺香津美氏がSTEINBERGERギターとともに写っていた.
そして,ライブビデオ『LIVE WITHOUT A NET』でEdward Van HalenがKRAMER "5150"のサブギターとして使っていた.
それ以来,あの素っ気ないSTEINBERGERタイプのヘッドレスギターがあこがれの対象の一つとなっている.
各弦相互の音程を保ったままアーム・アップ/ダウンができるTrans-TREMを搭載した本物のSTEINBERGERは高価すぎて購入できずにいるが,廉価版のSpirit by STEINBERGERは購入して6年あまり.手放すつもりは毛頭ない.

2007年5月22日

TVドラマ

もともと私はあまりTVドラマは見ることは少ない.NHK大河ドラマすらも見なくなって5年以上経つ.

しかし,最近,とみに思う.ドラマの脚本家というのは何をやっているのだろうか.
ほとんどが漫画原作のドラマ化である.オリジナルのテレビドラマのヒット作品がほとんどないように思う.
たいていの漫画家はストーリープロットと作画を同時に行っている.両方の能力が同時に要求される.
ドラマ作家は言ってみれば言語表現力だけで,作画力までは要求されない.
漫画というのは,もともとビジュアルが伴っている.
以前にも同じことを書いた覚えがあるが,いわゆる“漫画”は絶滅し,ほとんどが“劇画”である.
わざわざ実写化するとかえってそれぞれの読者がもつイメージを壊しかねない.
コマ割りという離散値的表現が,映像という連続量的表現よりも効果的なことも少なくない.
にもかかわらず,高視聴率を稼ぎ出すのは漫画原作付きドラマである.

漫画に負けているのはなんと情けないとテレビ制作は危機感を持たなければならないはずである.
紙の上という限られた中での表現が,音声と映像のテレビがまったく及ばないのである.
デジタル化やハイビジョン化といったハードウェアのほうは,進化の留まるところを知らないが,むしろソフトウェアはどんどん退化しているように思えてならない.

2007年6月19日

たまには日記めいたものなど

6月17日は,日曜にもかかわらず東京出張だった.
目的地が末広町で,早く着いたので御茶ノ水~神保町を久しぶりに流した.

ある楽器店店頭のショーウインドウに目が止まった.
Guyatone FLIP GA-300FCの中古品が14,800円!
ほ,欲しい…!
私が高校生の頃(1980年代中盤)に安価で初心者にも扱いやすい真空管アンプとして一部で絶大なる評価を集めたギターアンプである.
これの下位機種であるGA-100FCは長年愛用しているアンプである.
違いは,クリーン/ドライブの切替チャンネルとスプリングリバーブがGA-100FCには搭載されていないことである.
出力の違いが筐体の大きさに表れているので,余分な回路を納めるスペースが10Wには無かったためであろう.
これが大阪の街中で見つけたものならば,間違いなく衝動的にその場で買って帰るところである.
30Wのコンボアンプなのでそれなりの大きさと重量がある.出張帰りにえっちらおっちら新幹線で持帰れるような代物ではない.
これほどの大きさであれば宅配便でもかなりの送料が発生して予想以上に高くつく.
ほんの一瞬ではあるが,このときほど大阪にお茶の水と同様の楽器街が無いことを恨めしく思ったことはない.神保町古書街にしても同様である.
(秋葉原電器街は日本橋電器街を手本に作られた町なので,街の規模が小さくてもさほどの不満はない,むしろ秋葉原には五階百貨店のような商店会がないので,私としては日本橋に優位性があると感じている.)

仕事から解放された後には,約2年ぶりに,ともにゃんさんに会い,神保町の某珈琲店にて音楽談義等に花を咲かせた.

2007年7月14日

ICカード乗車券

美味しい焼肉店が並ぶことで有名な鶴橋駅で,近鉄とJR大阪環状線を乗り換えて通勤している.
JR西日本のFeliCaを利用した乗車券ICOCAは2003年より運用が開始され,関西私鉄と京阪神地下鉄で組織される,スルッとKANSAI協議会のFeliCa乗車券PiTaPaとも2006年に相互利用できるようになった.
さらには,この4月から近鉄線もPiTaPaに対応した.
ICOCAは運用当初より定期券も用意されていたが,PiTaPaは鉄道会社によりまちまちである.
ICOCAのプリペイド決済に対して,PiTaPaはポストペイでクレジット連動が基本である.乗車回数によって割引率を変動させるための手法で定期券が設定されていない鉄道会社が多い.

そろそろ通勤定期券の期限が切れる頃なので,FeliCaを利用した定期に切り替えようとJR鶴橋駅窓口でICOCAの連絡定期券を申し込んだ.
「近鉄線は磁気定期で買ってください」
その場で定期券の購入はやめ,少し考えることにした.

ほとんどの連絡定期券というのは,2社以上にまたがる場合に発券を一枚で済ませるだけで,改札口の通過手続きとしては,乗換え時には一旦改札口を出て,乗り継ぎ先の改札に改めて入るという,乗換え時に2度改札を通る必要があるのがほとんどではないだろうか.
鶴橋駅のJR-近鉄の連絡改札はそうではない.どちらか一方の改札を出ると同時に他方の改札に入っているのである.改札口の通過は一度だけ.
したがって,連絡乗車券が絶大なるメリットを発揮する.ところが現状では連絡定期券は磁気のものしかない.
FeliCaを使おうとすると2枚に分けなければならず,なおかつ双方FeliCaにはできない,磁気カードを投入した後にFeliCaをかざすという二段階の動作が必要になる.
せっかく改札が一つなのに乗車券が2枚必要という矛盾したことが起こる.
ならば従来どおりの磁気定期券で1枚とするほうが合理的である.

近鉄が「スルッとKANSAI」に加盟する前からJR-近鉄間で直接自動改札機に投入できる連絡プリペイドカード「Jスルーカード」があり,それ以前は近鉄の「パールカード」,JRの「オレンジカード」の2枚が必要だったのが「Jスルーカード」1枚で済むようになっていた.
「Jスルーカード」は鶴橋駅連絡改札のためのプリペイドカードと言っても過言ではない.
しかし,今のこの状態は明らかに逆行している.鶴橋駅の連絡改札の利便性が全く損なわれているように思えてならない.
朝,近鉄側から大阪環状線に乗り換えるときにはそれほど思わないが,帰りに大阪環状線側から近鉄への改札通過が非常に滞るのである.
定期以外の乗車券では,本来ポストペイのPiTaPaに料金をチャージしておけば,JRもPiTaPaで乗車できるし,ICOCAはもともとプリペイドなのでその逆に難はない.

朝夕の利用者は通勤通学が圧倒的に多いはずで,大方が定期券利用であろう.
FeliCaの処理速度を強調し,絶対数を普及させたいのであれば,まず,ICOCAでもPiTaPaでもどちらでも良い,連絡定期の設定が一番の早道である.

2007年7月27日

先生?師匠?

BBSなどの場では,敬愛するミュージシャン,たとえばEric Clapton大師匠,たとえばチャー先生というような具合で敬称を付けていた.
チャー自身がEric Claptonを手本としてギターを練習したという背景からECは師匠ということになり,師匠のほうが先生よりも格上という位置づけのつもりだったが,ところがこの敬称の使い方は間違っているのではなかろうかということが最近あった.
前大阪府知事の横山ノックこと山田勇氏が亡くなったときのことである.
ご存知の通り,強制わいせつ事件で有罪判決を受けて公の場には姿を見せなくなっていたまま亡くなってしまったわけであるが,その件についてハイヒール・リンゴ女史がこんなことを言っていた.

有罪判決を受けて犯罪者として政治生命を絶たれた人に対して“先生”という敬称はおかしいと非難されたことがあるが,政治家としてノック“先生”と呼んだことは一度もない.芸人として“師匠”よりもずっと上の存在だから“先生”と呼ぶのだ.

ということなのである.
そういえば,大阪市無形文化財に指定された夢路いとし・喜味こいしの大御所兄弟漫才師も,“いとこい先生”と呼ばれていた.
ダウンタウン,ハイヒール,トミーズなど,近年,師匠を持たない養成所出身の芸人が中堅~ベテランとなる中,徒弟制度を超越した存在なのだろう.

ということで,敬愛する大御所ミュージシャンへの敬称は“先生”で統一である.

2007年8月28日

ウェブサーバー増量

MovableTypeのVer.4.0へのメジャーバージョンアップがあって,アップデートをしてみたら,コメントスパム対策のプラグインが原因で動かなかった.
結局,データベースを削除してVer.3.35に戻した.
気になったので,現在どの程度スペースを消費しているのかを見てみたら,82%を超えていた.
XREAの無料ウェブスペースは50MB,ディスクサイズにして2.7MB程度を残すのみとなっていた.ちょっと計算が合わないがよく分からない.
ブログを続けていく上でいかにもこの残量は心もとない.
調べてみたら,申請すれば審査の上,ウェブスペースを増量してくれるそうなので申請した.

ディスク容量変更申請により,
私はディスク容量の変更を希望します。希望するアカウントの情報は下記の通りです。

○アカウント名:
○サーバー名:
○パスワードの前4文字:
○サイト内容の簡単な紹介、今後の予定:

○希望容量: 100MB 150MB 300MB(どれかを選択)


また、私は下記の項目に同意します。

・既にディスク容量の80%を使っています。
・倉庫利用はしません。
・変更は1日程度掛かることを知っています。

以上の内容を VALUE-DOMAIN.COMのサポートフォームから申し込む.
そうすると,ほぼすぐにメールによる返事が来て,サーバーの増量を許可してもらえた.
結局,150MBに増量してもらえて,現在約100MBの空きを確保している.
テキスト中心だし,画像も縮小や低分解能としているのでひとまずはサイズの憂いなくブログを書き続けることができる.

2007年9月14日

先入観とは怖いもの

6月に勤務先の本社が移転した.
それまでは所在地は曾根崎だったが,天神祭の船渡御で有名な大川のほとりに移った.
曾根崎は,JR大阪とは目と鼻の先.よくTVの街頭インタビューが行われる大阪駅前歩道橋から見える位置だった.
そのため,勤め帰りに音楽ソフトを買いにマルビルのTOWER RECORDSへよく寄っていた.
今の勤め先に転職する前でも,JR大阪は経由地だったのでよく寄っていた.
道順として,途中に大阪/梅田を経由していくのであれば,別に良いのだが今の通勤経路では帰路と反対方向なので,どうしても勤め帰りに寄ろうという気にはなれない.
天満橋のHMVも結構遠い.京橋京阪モールのワルツ堂も著しく物足りない.
ああでもない,こうでもないと迷っていたら,ふと思いついたのがビデオレンタルでよく利用しているTSUTAYAである.
TSUTAYAで販売が始まってかなりになるが,今までが専らTOWER RECORDSだったので,TSUTAYAで“購入する”など全く感覚になかった.
また,TSUTAYAで扱う品物など,Too Muchなものばかりだろうと高をくくっていた.
TSUTAYA onlineを見てみると,自主制作盤も扱っている.
何度かこのブログにも書いているとおり,好きな国内アーティストは,ほとんどがメジャーレーベルを離れ,インディペンデントレーベルから作品を発表しているので,自主制作盤が買えないと全く役に立たないのである.
この9月から10月にかけて,私の好きなアーティスト(メジャーレーベル)のリリースラッシュなので予約するついでに,店員に自主制作盤や輸入盤も扱っているか尋ねてみた.
ものにもよるが,取り扱い可能とのことである.
フラッと寄って思い付きでジャズ系を購入することができないが,どうせ,今までから新譜は予約で購入しているので,十分といえば十分である.
町屋のレコード店では自主制作盤や輸入盤はそもそも予約注文できない.それと比較すると御の字である.
灯台もと暗しとはこのことである.

2007年10月 1日

ネクタイ着用

今年の夏は暑かった.ちょうど職場でも今年から夏季のネクタイ・上着無しが認められるようになった.
いわゆるCool Bizである.これには7月1日から9月30日という期間が定められていた.
この後は分からないが,取り敢えずは平年並の気温に落ち着き,10月の声を聞くと急激に涼しくなったので,逆に上着がないと肌寒いくらいなので,ネクタイ・上着着用でも別に苦にはならない.
とはいうものの,この間1ヶ月に1回くらいの割合でネクタイを締めることがあったものの,やはり首周りが窮屈に感じる.
ワイシャツの襟が固定されるので首の可動範囲が限られてしまう.
これからまた毎日帰り道にネクタイを緩めて首をブリブリまわして鳴らすことになるのだろう.

帰りがけに上着を忘れかけた.

2007年10月 6日

やっぱりダメだ

Eric Claptonの作品群の中でどの辺りが最も良いかと問われた場合には,まず,DEREK & THE DOMINOSと答えるだろう.
ギタリスト然とした,BLUES BREAKERSからCREAMももちろん良いのだが,歌うことに目覚めた1stソロからDOMINOSが最もバランスが良いように思うのだ.
彼の私生活の上では最もでたらめな時期だったかもしれないのだが.

さて,DEREK & THE DOMINOSの唯一のスタジオ録音作品『LAYLA AND OTHER ASSORTED LOVE SONGS』であるが,この作品も初めて聴いてから20年くらいになると思う.
ロック史に残るロングセラーを誇る名盤であることは誰も異存はないと思う.私も大好きな作品の一つである.生まれ年に発表された作品であるということも多少は影響しているかもしれない.
しかし,聴いた回数は比較的少ないかもしれない.
同じDOMINOSの『LIVE AT FILMORE』はかなり前からメモリプレーヤーでよく聴いていたのだが,『LAYLA』は,これまでポータブルCDプレーヤーで持ち歩いたり,メモリプレーヤーに入れたことがなかった.
これが珍しく,私の涙腺を弛める数少ない作品だからである.
ちょっとした気まぐれにリッピングしてメモリプレーヤーに入れて勤め帰りに聴いてみたらもうダメである.
まさか電車内で泣きはしないが,そんな雰囲気の中で聴いてはいけない,いたたまれない心境になった.

やっぱりこの作品は,自室でイヤフォンでなくスピーカーから直に出てくる音を受け止めて,じっと腰を据えて聴くべきであると改めて思ったのである.

2007年11月 5日

続・ICカード乗車券

以前にJR西日本のICカード乗車券,ICOCAの通勤定期券を買おうとしたものの,連絡定期券がなく断念したことを書いた.
6ヶ月定期なのでまだそのときの磁気定期券を使い続けているわけであるが,通常のICOCAをものは試しと購入した.
(正しくは購入ではなく,500円の保証金で借りているだけなのであるが)
実際に使用してみて初めて様々な問題に直面するものである.使ってみなければわからないことが多い.
それほど回数を使ったわけではないが,いくつか直面した問題を列記してみる.

○東京の山手線内にICOCAで入場して(JR東日本のSuicaとICOCAは相互使用ができる)品川駅窓口にてエクスプレスE予約の新幹線切符を出す際にその間の乗車券をICOCAにて精算したが,入場記録抹消あるいは出場記録書き込みが完了されず(窓口係員の操作ミス),その後,使えない状態になっていたことがわからなかった.

○乗車駅下車駅ともにJR(ICOCAエリア)の場合
・定期券区間内の乗車駅に定期券で入場して定期券区間外で下車する場合には,改札を通る前に精算機での精算が必要である.
・定期券区間外の乗車駅にICOCAで入場して定期券区間内で下車する場合,自動改札機で運賃精算できない.別途精算機にICOCAを挿入してから定期券を精算機に投入して精算された精算券で改札を通過しなければならない.

○乗車駅下車駅ともにPiTaPaエリアの場合
・定期券区間内の乗車駅に定期券で入場して定期券区間外で下車する場合には,通常の精算機による現金精算となる.
・定期券区間外の乗車駅にICOCAで入場して定期券区間内で下車はできない.自動精算機も受け付けないため,駅員にICOCAの入場記録を消してもらって手動で現金精算しなければならない.磁気乗車券の場合,乗車駅から定期区間が始まる駅までの切符を購入し,出場の時にはその切符と定期券二枚重ねにして自動改札に投入すれば切符のみ回収されて改札通過と同時に精算が完了している.

精算機で精算することぐらい当たり前と思われるかもしれないが,定期区間外のJR駅からICOCAで入場してJR/近鉄鶴橋駅の連絡改札を通る際には,磁気定期券を自動改札に投入してICカードをかざせば改札通過と同時に精算できるというのが先入観念としてあると,なぜ鶴橋駅では手間なく通れるのにICOCAエリア内でそれができないのかと思ってしまう.

問題は,私が無理に磁気定期券とICカードを併用しようとするから複雑になるのだが,これらの問題を解消しようとすると,前回の結びにも書いたがやはりICカード乗車券による連絡定期券が必要不可欠ではないだろうか.
そのためには,プリペイドが基本のICOCAに残高不足になっても自動引き落としできるSMART ICOCAがあるように,逆にポストペイが基本のPiTaPaにもプリペイド版を用意するべきである.

2007年11月 9日

しばらく諦めよう

何度かMovableType4へのアップデートを試みたがことごとく失敗している.
導入はでき,データベースの更新も問題なくできるのだが,アーカイブファイルの再構築が全く進まないのである.
これについては,まだ試してみるべき余地は残されている.
それよりも大きな理由はコメントスパム対策のプラグインがMovableType4対応にバージョンアップされないのである.
よくポータルサイトが運営しているレンタルブログではコメントに画像認証が用いられるが,私の導入したMT-Keystrokeというプラグインは,投稿ボタンの押下動作によって投稿受理されるというものでこれが非常に効果を発揮している.
その他にテンプレートの難解さなどもある.
このブログだけでやっているならばデフォルトのままでも良いのだが,他にウェブサイトが二つあるのでそこへのリンクも表示しておきたいのだが,どこをどういじってよいのかが分かり難い.
ウェブ上で様々な覚書ブログを検索しては見ているのだが,皆さんも悪戦苦闘しているようである.
ということは,根本的にMovableTypeが改良されて分かりやすくならない限りは,無理がついてまわるということのようである.

2007年11月27日

ようやく見つかった

半自動であるが,mixi日記とMovableTypeへの投稿が同時に行えるのである.
プラグインのタイトルは「mixiSync」であり,
http://www.magicvox.net/archive/2006/02041724/
で配布されている.
mixi日記から外部ブログをたどるのが面倒と思われる方が意外と多いと思うので一度使ってみようと思った次第である.

2007年12月 6日

ちりとてちん

以前にほとんど連続テレビドラマは観ないと書いたことがあったが,現在,気に入って観ているのがNHK連続テレビ小説「ちりとてちん」である.
私は勤め人で通勤に一時間弱を費やさねばならないので,当然ながらリアルタイムでは観ることができない.
毎朝,タイマー録画して休日(水・日)に週の半分ずつを観るのである.
我が家は比較的NHKをよく観る家庭なので毎回それなりに,特に母親などは朝ドラは観ているので,話題にはよく上る.
今回は大阪放送局制作で,しかも上方落語がテーマにあるということで私が制作発表の頃から注目していた.
期待に違わず面白い.ハッキリ言ってドタバタのバカドラマである.これは褒め言葉である.
私の勤め先のビルの玄関付近がロケにも使われていたので,地理的にもなじみが深い.朝から某女性脚本家Hの辛気くさいものを見せられるよりもずっと前向きで楽しくて良いではないか.

毎週なにがしかの上方落語の題目が脚本にショートエピソードとしてちりばめられているので落語ファンとしてはそれも楽しみの一つである.
登場人物からその他ちょっとしたことまで,すべてが上方落語にちなんでいる.
主人公が弟子入りした落語家・徒然亭草若の向かいの居酒屋が“寝床”(「寝床(浄瑠璃)」),草若の四番弟子・四草(しーそー)のアルバイトする中華料理店が“延陽伯”(「延陽伯(江戸落語で言う「たらちね」)」),寝床の店主が熊五郎,嫁さんがお咲さん,常連客の理髪店主が磯七,仏壇屋の店主が菊江(「菊江仏壇」),主人公の親友の父親が喧嘩の仲裁が趣味の幸助(「胴乱の幸助」),母親がおしゃべりで有名な“雀のお松”(「舟弁慶」)等々枚挙にいとまがない.

主人公・和田喜代美を演じる,貫地谷しほりは映画「スウィング・ガールズ」で知ったが,喜劇の似合うキュートな役者だと思う.
主人公の母親.糸子役の和久井映見がこの上なく素っ頓狂でこれまたドタバタに彩りを添えている.私と同い年の彼女が高校生の娘の母親役というのが少々ショックだったが.
そんな中,師匠の草若役の渡瀬恒彦が,これまた飄々としてそれでいて見るところはしっかり見据えているという印象が雰囲気を引き締めている.
渡瀬恒彦というと,私が気に入ってみていたNHK大河ドラマ「炎立つ」で奥州藤原三代秀衡を演じていた.おしなべて彼の印象はそういうものであったので,今回の役柄は異色ではないだろうか.
12月初旬現在,舞台は1993年頃である.1995年の阪神淡路大震災が話に関わってくるかどうかというのはあるが,草若がかつて落語の常打ち小屋の設立に奔走していたというとうころから想像してみるに,結末は,昨年,実際に設立された,天満天神繁昌亭の完成が一つのキーとなるのではないだろうか.

2007年12月22日

ちりとてちん:その二

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私の勤務先の所在地は天満橋である.連続テレビ小説「ちりとてちん」の舞台は天満界隈である.
すなわち近所である.勤務先が入居しているビルの玄関や大川のほとりもよく使われている.

普段,ドラマもあまり視ないのでロケ地には興味はほとんどないのだが,なじみのあるところだとやはり気になる.
そんななかで,ここはどこかと興味を惹かれたのが,たびたび劇中に登場するこの細い橋である.
幅は普通自動車が通行すればいっぱいになってしまう程度.完全に生活道路のレベルである.
主人公,喜代美の徒然亭一門への年明けからの正式な入門を控え,喜代美が恋心を抱く兄弟子,草々と銭湯へ向かうときに二人が並んで歩く後ろ姿と大阪
城と電車が夜空に浮かぶ画が印象的だった.
それ以来,この橋はどこかと地図を広げて大阪城と電車道との位置関係を探した.
それ以降も心情を印象的に描く場面でこの橋が効果的に使われている.
おおよその見当がつき,たまたま仕事が早く終えられたときに行ってみることにした.
仕事が終わってからであるし,しかも冬至の日だったのですっかり日が暮れてしまっていた.
ちょうど,大川が西に向かって大きく流れを変え,寝屋川と合流するあたりに架かるこの橋である.
橋は北西から南東に向かって架かっており,橋の上から北に向けば,正面に国道1号線が走る桜宮橋(銀橋)が見え,左手に桜の通り抜けで有名な造幣局がある.
反対の南に向けば,黒くそびえ立つ大林ビルが正面に位置している.

西から東に向かって歩くと,ライトアップされた大阪城が浮かび上がり,京阪電車が横切る.橋そのものも欄干に照明が埋め込まれていてなかなか雰囲気があり,ドラマの演出上の効果で選ばれたことが納得できた.

阪神淡路大震災は素っ飛ばされてしまった.
避難所の慰問落語会か何かをネタに,エピソードを作ると予想していたのだが,大ハズレだった.

2008年1月21日

天満天神繁昌亭

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念願の天満天神繁昌亭での落語生体験である.
このときは,桂都んぼ,桂吉弥両人の企画で「米朝一門獅子十六の会」というのが五日間で催されていた.
米朝一門といっても若手となると桂米朝師の直弟子はおらず,孫,曾孫弟子である.
都んぼさんは,ざこば師が朝丸を名乗っていた頃の弟子,都丸さんのさらに弟子なので曾孫弟子,吉弥さんは故・吉朝さんの弟子なので孫弟子である.
(吉弥さんは大河ドラマ「新選組!」連続テレビ小説「ちりとてちん」の出演でとみに知名度が上がった)
見に行ったときは「十六の会」四夜目前半,吉坊さんと二乗さんの二人会だった.
前売りでなく,当日,仕事帰りに入れたら儲けもんくらいの気持ちで行った.開演20分前で2階席2列目である.
小屋自体がさほど大きくないので,良い距離感である.マイクなしでも声が聞こえるくらいだし,表情もよく見える.
この回は,二人とも全く何も決めずに臨むという趣向だった.初めに二人でフリートーク.
さすがに大阪である.この距離感なので,客席のおばちゃんが高座の二人に話しかけるのである.
私はその内容と態度に少々むかついたが,さすがに若手といえど落語家である.うまく利用しておられた.
演目は,二乗さんが「茶の湯」,吉坊さんが「不動坊」であった.
やはり,レコード音源やテレビラジオでは伝わらない面白さがあり,十分に堪能できた.
その割に料金の安いこと.当日券で1800円である.劇場映画でも1800円なのに実演でこの値段である.若手の勉強会であるということはあるのだが.

写真は,開演前に携帯電話で撮ったものであるが,繁昌亭設立資金の寄付者の提灯が天井一面に吊られている.
緞帳が開くと高座の後ろに見える欄間には,米朝師の筆による「樂」の文字が掲げられている.

きっかけをつかんでしまったからには,少なくとも月に一回はふらふらっと気が向いたら行ってしまいそうである.
何せ,仕事場から徒歩10分くらいで行ける場所なのである.

2008年2月25日

ちりとてちん:その三

これを書いている時点で収録が終わり,放送も残すところあと1ヶ月あまりとなった.
以前にタイマー録画して週の半分ずつを楽しんでいると書いたことがあったが,年の瀬も近づいている頃だったか,勤めから帰宅して食事を摂っていると,母親か妹のどちらかが
「今日の『ちりとてちん』な,…」
と話し出すようになったのである.しかも話の筋ではなく,ギャグポイントをである.こうなってしまうと,
「言うなよぉ,気になってしゃあないやないか」
私はほとんどネタ割れというのは気にしない.それよりも聞いた話がどのように演じられたかが実際に見たくなる.
ということで結局その日のうちに見てしまうようになってしまった.
朝ドラに限らず,連続ドラマというのは気になるように切って“つづく”が常である.週で言えば1時間半であるが,一回の放送はわずか15分である.
で,次の回を見るまでフラストレーションを抱えながら毎日過ごすことになる.

今まで,祝祭日や土曜日だけ断片的に見たり,総集編だけを録画して残してある朝ドラはあったが,初回から一回も逃さず見続けるのは初めてである.
あまりに伏線が多く,密度が非常に高いことが,作品の人気に比べて低視聴率に留まっている理由であることが,新聞・雑誌の評論等で述べられてきた.
細かいやりとりやギャグ,さりげなくちりばめられた落語の引用が多いために“朝ドラは時計代わり”に当てはまらず,地上波の放送ではなく視聴率に反映されないBSや録画で見る人が多いと指摘さ
れているのである.
落語の引用では前半でわかりやすかったのが,喜代美が水をかぶって止まらないくしゃみの中,恨み言こぼす「くっしゃみ講釈」からとか,居酒屋のつけが払えない草若が死んだふりをする「掛取
り」から,があった.
後半に入って喜代美の両親の若い頃,喜代美を身ごもり,産気づいて分娩室に運ばれる糸子の後を追う正典の手になぜか魔法瓶が握られていた.
これはおそらく「不動坊」で咄の主人公・金貸しの利吉が美人の後家・お滝を嫁にとる日に舞い上がってしまい,鉄瓶もって風呂屋に行こうとしてしまうことの引用であると思っている.
なかなか気づかれていないようなことも多いのではないだろうか.うかうかとは見ていられないのである.

それらに加えて本作品だけに見られる特徴があることに気づいた.
主人公の台詞が異常に少なく,既に放送された回想シーンがかなり多いのである.にもかかわらず展開が早いので,少々の考証不足は気にならない.
(実在の上方落語界を考えると“四天王”と称される大御所の弟子が五人やそこらのはずがない.最低でも直弟子二十人である.)
第21週「嘘つきは辛抱の始まり」では,一回15分のうち,喜代美は三分の一も出ていない回があった.
回想シーンがあまり多すぎるとダレるのだが,前述のように伏線が複雑かつ多いので全く興味が失せない.
主人公以外の登場人物のエピソードが多いことも理由だろう.
一応の形としてのヒロインは若狭こと喜代美だが,登場人物のすべてが主人公といえる.
第17週「子はタフガイ」では喜代美の両親,第18週「思えば遠くへすったもんだ」では徒然亭一門の弟子各人について,第20週「立つ鳥あとを笑わす」では喜代美の周辺の人物について語られ
ている.

さて,また懲りもせず当たらないであろう予想である.
設定上,徒然亭草若こと吉田仁之助邸は大阪天満宮に隣接している.表通りの突き当たりは天満宮の土塀.通りの脇には稲荷社がある.
草若が息を引き取った後,あの世で喜代美の祖父・正太郎とともに入っていった地獄寄席は吉田邸のセットである.内観は天井に数多く下がった提灯と『樂』の額,一目でわかる繁昌亭だった.
倅で三番弟子・小草若がプロダクション会長に草若の遺志を継ぐ,名跡を継ぐ覚悟を問われていた.
これは吉田邸の敷地が落語の常打小屋に提供されることの伏線ではなかろうか.
実際の天満天神繁昌亭は大阪天満宮の北隣に建っている.

2008年3月29日

ちりとてちん:その四

とうとう,終わってしまったな,というのが正直な感想である.しばらくは空虚感を持ってしまうと思う.
連ドラなので当然ながら始まりも終わりも最初から決まっているのであるが.

ここまではまり込んで見た朝ドラはかつてなかった.
私自身のタイミングとしては上方落語に本格的な興味を持って数年,定番の古典落語百数十の概略くらいは説明できるようになり,もっとも知識欲が深い頃である.
加えて朝ドラのヒロインの定義から外れた人物像が空々しくなくて共感と感情移入がしやすかった.
この作品ファンの大多数も同様ではないだろうか.
それから,感動的なシーンで盛り上げてその週が終わっても絶対に次の週の冒頭ですっとーんと鉛直下向きに落とされる.
90年代初頭に急展開のドラマを指して“ジェットコースター”と称したことがあったが,これはまさしくジェットコースターである.
第13週の最後,年末最後の放送で大晦日の除夜の鐘が鳴り終わった後,草々が壁を蹴破って喜代美を抱きしめ,「これからおまえが俺のふるさとや!」という名台詞を言って終わったかと思うと,年始一発目には,その後のなんともとぼけたやりとりが明かされる.
また,第25週最後には草若邸お別れ落語会で常打ち小屋の光明が見えたかと思うと,最終週冒頭では小屋の名前を巡って喧嘩から始まるのである.
最終回に至ってもやはり同じ.いろんな意味での母親になるという決意をみせたかと思えば,陣痛への不安から「どねしよ〜」で最終回が始まる.
普通の朝ドラならば,だいたい,最後1ヶ月で終わる気配をみせるものであるが,本作品はラスト2週でようやく結末の兆しが見えてきた.
この期に及んでまだ事件が起きるかという展開だった.
毎回,最後に流される「ただいま修行中!」の大トリは,喜代美の内弟子修行を描くために取材された,露の団姫(まるこ)と大師匠にあたる露の五郎兵衛だった.
露の五郎兵衛の弟子に上方落語史上初の女流,露の都がいる.

天満天神繁昌亭の計画が持ち上がって上方落語の盛り上がりを見せ,繁昌亭オープン一周年のタイミングでドラマが始まったわけであるが,上方落語を知らない人には,楽しみ方やネタの紹介といった入門編としての一面もあり,少し知っている人には脚本・演出に隠されたネタを楽しみ,もっと知っている人には,実際の上方落語界に起こった出来事をかき集めてモチーフとしたフィクションとして見せていたという,どの段階のファンにでも楽しめる作品になっていたことに放送が終了した今,改めて驚かされる.
前回書いた,草若邸が落語の常打ち小屋として姿を変えることは,大阪天満宮に隣接しているという設定から繁昌亭になぞらえていることは想像できた.
しかし,四天王の一人の死後,その持ち家が寄席に変わるということも事実から得ていることには気づかなかった.
笑福亭鶴瓶師が売りに出されていた師匠の六代目松鶴の旧宅を買い取り,勉強会の会場として「無学」という多目的ホールに改装したことがそれである.
ほかにも,死期を悟った草若の「生きるのが怖い」発言=枝雀師が鬱病を指して「死ぬのが怖い病」と称したことなど,様々なことが思い当たる.

撮影終了直後の記者会見でチーフプロデューサーが続編に意欲をみせたことが一人歩きしてしまって少々騒動になったようだが,一ファンとしては続編が制作されることはとても楽しみだし,嬉しいことである.
しかし,物語の結末時点で喜代美は33歳,貫地谷しほりさんの年齢は22歳で10歳も隔たりがある,ほかの出演者も同様である.
続編となるとその後から再開されるわけだからちょっと無理があるんじゃないかと思わざるを得ない.
一つの完結した作品として置いておきたいという気持ちもある.

既に総集編の放送予定が5月に決定している.前後編で計200分,泣きのシーンに偏らず,ちゃんとくだらないギャグの部分もバランスよく配されていることを期待したい.

2008年5月 7日

ちりとてちん:その五

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5月5日,6日の二日にわたって総集編が合計200分放送されたわけであるが,懸念していたことがまともに起こってしまっていた.
本放送時から,この相互に複雑に絡み合った個々のエピソードが総集編ではどのようにまとめられるのだろうか?と考えていたのである.
全151回あったので,単純計算で2265分(37時間45分)が200分にまとめられたと言うことは1/10以下である.
前編で100分中,約30分が第一週分に費やされていた.物語全体のキーとなるヒロイン・喜代美の祖父・正太郎との関わりに重点が置かれたのはよく理解でき
るが,重要と思われるエピソードがずいぶんととばされてしまっていた.
まんべんなく織り込むには無理があることは十分にわかっている.
・喜代美と清海の間に,結末近くまでしこりとして残り続ける恐竜の化石事件
・喜代美が草々に恋心を抱くきっかけとなったデタラメな辻占茶屋と,清海,草々との三角関係
・内弟子生活,高座名命名と大失敗の初高座
・清海が東京に行くきっかけとなる喜代美の告白
・草々の破門騒動
・親子ともども夫婦喧嘩
・清海の挫折・変貌と秀臣の塗り箸への思いの吐露
・小草若の失踪と復帰
ざっと挙げるだけでもこれだけある.
しかも,私は上方落語からこの作品に入っていったので,落語モチーフの大半が端折られていることが非常に不満が残った.
平均視聴率は,過去の連続テレビ小説でも最低.しかし,終盤近くには朝ドラとして数年ぶりに20%超を記録した.
ということは,この総集編でしか本作品に触れない人も多いはずである.そんな人たちにも魅力が伝わったのだろうか,「噂に聞いてて総集編を見たけど,全然面白くなかった」と感想を持たれると一回も逃さず見ていたファンとしては不本意である.

当初,低視聴率の原因がキャストの弱さにあるのではとの説もあったが,逆に突出したキャスティングでないからこそ,ヒロイン・喜代美の体裁をとってはいるが,その実,二つの和田家と徒然亭一門全員が主人公で濃い複雑な内容となり得たのではないだろうか.

5月21日から3ヶ月連続で完全版DVD-VideoのBOXセットが発売される.既にシリーズ3セット購入予約済みである.
「そこまで?」と問われても,「そう,そこまで」と答えるしかない.
落語は古典で同じ噺を聞いても,全く同じところで笑ってしまう.
女流落語家としてのサクセスストーリーではないながらも古典落語が物語を構成する各部品のモチーフになっているだけに笑いのツボも同じなのである.

2008年7月25日

ちりとてちん:その六

連続テレビ小説(朝ドラ)として初のスピンオフドラマ「ちりとてちん外伝 まいご3兄弟」が先行して関西ローカルで放映された.
全国放送がまだなので,なにかの間違いで当ブログでネタ割れしてしまうといけないのでストーリーについて詳細は書かない.
落語「宿屋仇」をモチーフに本編同様,小ネタ満載であるとだけは記しておく.

本編結末で,徒然亭若狭こと喜代美が落語家を引退してしまうことが少なからず賛否両論を呼んだが,「まいご3兄弟」を見る限り,全く落語から離れるということはしていない.
もちろん,喜代美が登場することはなかった.あくまで名前が出てきただけ.
しかし,むしろ,より強く密に落語に接していることが示唆されているようにも思えた.
子供をあやすのにも上下を切っているという.
演じ手としては引退しても,落語家の妻として,寄席小屋のおかみさんとして,また,落語作家として生きているのである.
徒然亭草々をこのドラマのストーリーテラーとして,創作落語の体裁で導入部が始まる.その新作落語の作家として扱われるのである.

先日,朝日新聞夕刊1面の連載で,上方の女流落語家がテーマに挙がったことがあった.
「ちりとてちん」は,実際の上方落語界にも少なからず影響を与えていたようである.
露の都,桂あやめ,共に母である.感情移入が強かったのだろう.
実際には女流の代表であるが故に,二人の分身ともいえるキャラクターだったので,結果的にはフィードバックなのだろうが.

想像するに,育児の手が離れたら,復帰することも考えられるし下座を勤める余地もある.
いくらでも勝手な想像で話が膨らみそうである.

2008年9月 8日

第18回彦八まつり

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上方落語に本格的に興味を持ち始めて約3年,生国魂神社で毎年9月第1土日に開かれる上方落語協会主催彦八まつりに初めて足を運んだ.
本当は土曜日の夕方仕事帰りに寄るつもりだったが時間が取れず,さらに翌日曜午後2時頃出かけるつもりだったが,大雨警報が発令されたので外出は控えていた.
警報解除が午後4時半を過ぎたので,結局,5時頃にまでずれ込んでしまった.
当初は,奉納落語の入場受付にも間に合わないだろうから,ただ,雰囲気を味わいに行くだけのつもりだった.
時間がたまたまそうなってしまったので,私の影響で上方落語に興味を持った職場の同僚と落ち合うことにした.
合流するまでの間,一人で境内をうろうろしていた.
9月といえど,まだ,夏の風情が残っているので,浴衣姿の客も少なからずいる.落語家たちは浴衣姿である.識別の方法は浴衣の柄と首から提げている名札である.
イメージとしては,落語家=芸人≒芸能人なのだが,自ら屋台を出したり,境内を普通に歩いて,客達とも普通にすれ違い,普通に立ち話をしているという,ある意味で不思議な光景だった.
テレビや寄席の高座という,客側から少し隔たった位置にいるはずの人たちである.
天満天神繁昌亭でも演者自ら出入り口に立って呼び込みや終演後の送り出しをしているが,それとも少し違うように感じた.

気軽に話しかけられて,気軽にサインや写真に応じてもらえる.
私も笑福亭生喬さんに尋ねたいことがあったので直接話しかけてみた.とても丁寧に応えてくださり嬉しかった.

まあ,失礼な話ではあるのだが,結局は,褒めることになるので記しておく.
連続テレビ小説「ちりとてちん」において,二十歳そこそこの主人公・喜代美の落語家内弟子修行生活を描くための取材を受けたという,露の団姫(まるこ).
「ちりとてちん」以降,テレビ等のメディアへの露出が増え,見かける機会が増えた.
テレビや写真を通じて見ると,泉Pン子にしか見えないのだが,実際に見るととても綺麗なお嬢さんである.正直驚きだった.

そういえば,ちょうど到着したときにメインステージで話されていたことがある.
露の都率いる女流落語家チーム“上方笑女隊”の出番でちょうど雷雨が降り始め,上方笑女隊のステージは中止になってしまったという.
幸だったのか不幸だったのか….

(写真は生国魂神社正面鳥居前と笑福亭松喬実行委員長の閉幕挨拶)

2008年12月 6日

目的不明

本日,午前11時過ぎ,携帯電話に見慣れぬ番号から着信があった.
市外局番が06なので大阪である.とある(非合法でない)業者のしつこい勧誘電話は,市内局番まで把握しているので,すぐに判るのだが,まったく見覚えがない.
土曜日は普通に出勤して勤務時間中なので,ポケットに入れたまましばらく様子をみていたら,設定呼び出し時間を過ぎたので伝言メモ(簡易留守電機能)に切り替わった途端に伝言も残さずに切れた.
Googleでこの電話番号:06-4560-2607を検索してみたら,迷惑電話のブラックリストに載るくらいのものだった.
かなり多数の方がブログで書いていらっしゃる.
何でも,心斎橋のヘアサロンが行っているヘアケアについてのアンケートだそう.
しかも,何故か電話に出たのが女性だったり,どこから自分の電話番号を手に入れたか尋ねたら切ってしまうらしい.
また,男性ならば,甘えた声で前述のアンケートと称して尋ねるらしい.

デート商法の類か?
まったくよくわからない気持ちの悪い電話である.

本当は携帯電話は登録外拒否設定しておきたいくらいなのだが,店に取り寄せ注文したときに困るので設定していない.


2009年3月21日

阪神なんば線営業開始

この3月20日から,近鉄奈良線と阪神本線を大阪難波と尼崎とで結ぶ阪神なんば線が営業運転を始めた.
私は,近鉄奈良線沿線に住んでいるので神戸までの心理的距離がぐんと近づいたような気がする.
これまでは神戸方面に行こうとすると,鶴橋で大阪環状線に乗り換え,さらに大阪/梅田でJR神戸線か阪神あるいは阪急に乗り換えなければならなかった.
それが,実際には普通から快速急行への乗り換えが必要なものの,一本で繋がっているのである.
奈良と三宮が繋がったと報道や広告では言われているが,阪神電鉄は山陽電鉄とも相互乗り入れしているので実は姫路まで繋がったのである.現に2010年には近鉄大阪線も含めて名古屋から姫路までの直通特急も計画されているという.
鉄道ファンでもないし,日常は神戸に行く用事もさほど無いので良くも悪くも大きな違いは無く,直接的なメリットも無いのだが,何か理由もなくわくわくするものである.
経済的観点からみても,最近はキタに比べて活気に乏しいミナミにとっては期待できる材料といえるだろう.

朝の通勤に使う電車の行き先のほとんどが難波行きから尼崎行きに変わった.
営業開始初日が明けて新聞をみてみると,さまざまな不具合が明らかになっているようである.
どうも,5分程度ダイヤが遅れるようである.
あとは不便というほどではないにしろ不慣れなことといえば,ドア位置が近鉄と阪神の車両で少し異なることくらいである.
景色として普段使っている駅のプラットフォームに阪神電車が停車したり,阪神電車の行き先表示に「奈良」,逆に近鉄電車の行き先表示に「尼崎」や「三宮」と記されているのは不思議な感じである.

始発/終着駅のプラットフォームは行き止まりになっているのが通常だと思うのだが,近鉄の難波駅だけは初めからプラットフォームよりもさらに西に延びていた.
つまりは,近鉄難波線(上本町-難波間)の計画当初頃から,近鉄か阪神かどちらかはわからないが,さらに西への延伸が視野に入っていたということである.

2009年7月22日

日食

本州では部分日食しか見られなかったわけであるが,大阪における食分は0.82.視直径比率にして8割も欠けるというかなり大規模なもの.
初めて部分日食を見たのは小学校の2年生だったか,夕方4時頃に3割程度欠けたくらいものだった.

今回はちょうど勤めが休みの日に当たり,期待していたが残念ながら曇天.
しかも,欠け始めた10時前には見ることができたが,もっとも最大に達する午前11時前後には厚い雲に覆われてその8割欠けた太陽の姿を見ることができなかった.
しかし,日食が引き起こす微妙な変化は感じとることができたように思う.
昼に向かって気温上昇していくはずが逆に涼しく感じ,雲の影響か日食によるものかは判断しにくいがやや暗くなったように感じた.
不思議とこの前後の間にはうるさかったクマゼミも鳴き止んでいた.
NHKの特別番組も同時に見ていたのだが,日食雲という雲が発生しやすくなるそうで,食が最大になる前後で厚い雲があったのことと関係するのかもしれない.
気温低下が生じるために露点温度も低下し,空気中の水分が凝集して雲が発生しやすくなるというのである.

日食が折り返し,再び太陽光が強くなり始めた頃には雲の切れ間ができ始め,蒸し暑さが戻ってきた.
日食は空調の効いた室内で窓越しに観察してはいけない.欠けていく太陽を直接的に見るのではなく,外に出てその微妙な変化を感じ取るべきである.
その微妙な変化を体感できただけでも意義深かったように思う.

次に日本で皆既日食が観測されるのは26年後,富山から前橋あたりだそうで,またも大阪では皆既にはならないが,世の中はどうなっているだろう.

2009年8月23日

ゴム草履

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いわゆるビーチサンダルではなく,ゴム草履でなのである.
ビーチサンダルだと,使っている最中に砂が挟まって,最後には鼻緒にあたる部分が切れたりはがれたりして意外と寿命が短い.

20年来愛用しているのが,PEARL印の発泡ゴム一体成型のゴム草履である.何年か使っていて当然ながら劣化や摩滅などがあって,そろそろ新しいのを準備しないといけないというので,近所の靴屋やホームセンターを駆けずり回って探したが,最近はまったく扱っていないというのである.
店に並んでいる多くの発泡ゴム一体成型のサンダルといえば,近頃ではクロックスになってしまっている.あるいはバンド型いわゆる“便所サンダル”である.
夏場のちょっとした農作業などには,草履型がよいのである.バンド型やクロックスではいけない.
草履の地面を掴む感覚がないと力が入らないし安定しないのである.それと前述のように土が挟まらないので洗いやすい.

どうやら,PEARL印のものがT急Hンズにはあるらしいという情報を得て,心斎橋店に問い合わせてみた.
1足1,280円で,紳士用でもL,LL,3Lサイズしかないというのである.
欲しいサイズはMサイズで500~600円程度だったはずなので,そこを問いただしたら無いものは無いと半分逆ギレ気味に言われた.
確かHンズの店員教育は,第一声で無いと答えてはいけないと聞いたことがあったのだが….

結局,足で探しても手に入らないので,インターネットに頼ることになる.するとやはりちゃんとあるではないか.
PEARL印は丸中工業所という奈良県御所市のメーカーで作っており,電話問い合わせをしてみたところ,Mサイズからあり,やはり1足700円である.
Hンズのおよそ半額.

T急Hンズのアホー!

丸中工業所では小売りはしていないというので,取引先の松菱ゴム工業所を紹介してもらった.
直接行けない距離ではないが,代引き手数料と送料の計が895円で往復電車賃より相当安かったので代引き通販でMサイズ5足をまとめて購入した.
しかし,20年以上使ってきてネットで調べてみて初めて知ったのが,これを“漁協サンダル(ギョサン)”と呼ぶことである.
なんでも小笠原の漁業従事者が水揚げ漁港の防水したコンクリート土間でも滑らず作業できるので好んで使ったということからきているそうで,
製品として正しくは“発泡ゴム製一体成型サンダル・カリプソタイプ”というらしい.
漁業も相当力仕事である.もちろん農作業にも使えるわけである.
使用者が小笠原なのに製造者は奈良というのがよくわからないとこではあるが.

色とりどりそろっているので,PEARL印のギョサンを買うなら,製造元で直接購入することを強くお勧めする.
間違ってもぼったくっているのでT急HンズやLフト,小じゃれたスポーツ店で買ってはいけない.

2009年12月11日

TalkMaster Slim

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4年前に紹介した,TalkMaster-IIの新型である.(実際に購入したのは白ではなく黒)
4年間以上使っていて特に不自由や不満は感じていなかったのだが,職場の落語仲間に冗談交じりに,使用サポートつきで5000円で買わないかと持ちかけたら,ちょうど使っていたWalkmanが故障して修理が5000円くらいかかりそうだということでうまく乗ってくれたので買い換えることにした.
相変わらず,一流メーカー製の同等機能を持ったものは出てきていない.
三洋製でAM/FMラジオつきICレコーダーはあるが,タイマープログラムは5件までしかない.

IIとSlimでは,初代とIIほどの使用感の違いはない.ちょっと痒いところに手が届くようになった程度の進歩である.
例えば,内蔵メモリとSDカード相互のコピーがPCを経由せずにできたり,逆にタイマー録音プログラムがPCで編集可能であったりということである.
操作感は,やや回りくどくなった印象が否めないが,誤操作でファイルを削除してしまったりすることがないようにとの配慮であろう.
目に見えにくいところでの仕様アップは録音時のサンプリングレートである.
96kbps以下で11kHzだったものが32kHzになっている.128kbps以上ではCD並みの44.1kHzである.
IIだけ使っていたら気にならないところだったが,一旦使ってしまうと分解能が細かいので滑らかで聴きやすい.

ナイターオフシーズンはタイマー録音して聞く番組が増えてしまい,電車やビル内ではAMラジオの受信が困難なので家に置きっ放しにしなければならないので,再生レジュームと早送り/早戻し機能のついたメモリプレーヤーが別に欲しくなってきたところである.

2009年12月24日

ラジオサーバーポケット

オリンパス・ニュースリリース:ICレコーダー機能付ラジオ録音機「ラジオサーバーポケット PJ-10」

とうとう,有名メーカーからTalkMasterと機能的に肩を並べるものが発売されることとなった.
以前からあった同社HDD搭載ラジオサーバーの携帯型である.
この新製品発表の記事を12/18の朝刊経済欄で見たときは,正直,
「早まった!!」
と臍を噛んだ.
前回の投稿で書いたとおり,11月にTalkMaster Slimを購入したばかりだからである.
記事によると1月下旬発売,オープン価格で予想実勢価格は2万円前後になるという.
実勢価格が2万円ということは,TalkMaster Slimの約半額である.
TalkMaster Slimは,語学練習用機器ということで家電量販店では扱っていないため,インターネット経由のメーカー直販か大型書店での定価販売しかない.

なんとか納得したいので現在分かっているPJ-10の仕様で有利と思われる点を確認してみると,
・単4電池で駆動すること
・AMループアンテナが標準品として付属していること
・VHF-H波(TV音声4~12ch)受信
・WindowsだけでなくMac OSからでも操作可
程度であり,
Macを使っているわけでもなく,TV音声も2011年7月にはアナログ放送が終了するのがわかっているわけであるから,
電源が単4電池であることに魅力を感じる程度である.
逆にTalkMaster Slimにしかない機能は,
・外部メモリカードスロット(SDHC16GBまで対応)
・録音ビットレートが3段階以上(32,64,96,128,192,256kbps)でステレオということで,外部メモリカードが使えることが非常に大きく,メモリ容量増設が容易なことはもちろん,
PCに音声データを移動する際には,ケーブルを接続するよりもメモリカード経由の方が手軽な印象がある.
ライン入力でアナログレコードやカセットテープ音源をデジタルキャプチャするのにも重宝している.

ということで,約2万円の価格差に納得できるほどの機能差とは言えないが,
私の使い方では,比較の相手がTalkMaster-IIであっても,まだTalkMaster側に軍配である.
ただ,初代TalkMasterの後くらいに発売されていれば,迷わずPJ-10を購入していたと思う.

2010年9月15日

天満天神繁昌亭四周年

私の勤め先の関係で普段から水曜が定休日であるが,なぜか,水曜に天満天神繁昌亭の昼席には行こうと言う気にはならなかったのだが,勤め先の落語仲間がたまたま,四周年記念興行で噺家演ずる歌舞伎=鹿芝居があることを見つけて,観たいと言い出したので行くことにした.1ヶ月半ほど前のことである.

その言い出した人は,公演3回のうち,18時開演分は都合が悪いということで,1回目と2回目のどちらかの入場券を手配することになった.
2回目は14時半開演ということと,出演者がマスコミの露出度が多い,桂米團治や笑福亭鶴瓶だったので早いうちに売り切れ,結果,11時開演の1回目に行くことになった.

桂三扇「シルバーウェディングベル」,桂梅團治「転失気」,桂米二「始末の極意」,笑福亭仁智「川柳は心の憂さの吹きだまり」に続き,
メインイベントの鹿芝居「白浪五人男」である.
弁天小僧(林家染丸),南郷力丸(桂春之輔),赤星十三郎(桂小枝),忠信利平(桂米團治),日本駄右衛門(桂三枝)という面々だったのだが,しかし,この面白さは申し訳ないが私の拙い筆力では表現できない.
中入り後には,桂小枝(「悋気の独楽」),トリに林家染丸(「蛸芝居」)という番組構成だった.

鹿芝居を含めてどの演目も爆笑の渦である.
ひとつ,感心したのは,小枝さんが著しく上手くなっていることである.繁昌亭ができた頃は,アマチュアの方が上手いのでは?と思えるような感じであったが,登場人物の演じ分け,特に女中と丁稚が絶妙だった.
枕の「私は本来落語家です.リポーターではありません,探偵でもありません.ましてや不動産屋でもありません.」は,もはや,繁昌亭の高座では定番であろう.
繁昌亭という上方落語の定席があるということで,タレント業が主な仕事だった人が落語に力をいれられるようになったというだけでも意義深いのではないだろうか.

この日の夕方,18時の関西ローカルのNHKニュースでもこの話題がとりあげられたのだが,演時間10分前になっても連れ二人が来ないことに客席でヤキモキしている私の姿がまともにTVに映ってしまっていたのには驚いた.

2012年12月 5日

新・ICカード乗車券

こんなことを書いてからはや5年である.
ようやく,私が利用できる定期券付IC乗車券が発行されるようになった.
この12月1日から近鉄でもICOCAが発売されるようになり,近鉄・JRの連絡定期が搭載できるようにもなったのである.
結局,スルッとKANSAIネットワークのIC乗車券=PiTaPaでは近鉄の定期券は搭載されず,かつ,クレジット決済のポストペイ方式はあまり受け入れられなかったということなのだろう.
実際,クレジット連動の乗車券というのはかなり抵抗がある.
連絡定期搭載のICOCAは近鉄でもJRでも発売されているのであるが,住んでいる最寄駅は近鉄であるし,百貨店やスーパーをはじめとした近鉄グループはもちろん,乗車についても対象となるポイントカード=KIPSも搭載されるので,近鉄で購入するのが私にとっては最善である.
当初は1月末に定期券の期限が切れるのでその機会にしようと思っていたが,途中でも磁気定期券からICOCAに交換してくれるというので,早速KIPS ICOCAを入手して使い始めた.
ICOCA自体は以前からそれなりに便利に使っていたが,以前に書いたように定期券の区間を含むと精算がかえって面倒なことになり,うかうかできないところがあったが,連絡定期券と一体となることでかなり使いやすくなったと思う.
デポジット500円の返金があるので旧来のICOCA返却を忘れないようにしなければ.

2013年4月20日

日本での珈琲は何なのか?

結婚自体は昨年の4月にしていたのだが,新婚旅行は後回しになっていた.
職場の特別休暇は一年で期限切れになるので,いよいよ取得せねばということで3月末から4月初にかけてタイはチェンマイ,アユタヤ,バンコクに行ってきた.
消去法的に決めたのだが,仏教国で親日的なので不安も少なく十分に満足できた.
あともう一日くらい居たかったと感じたのでかなり楽しめたのだと思う.
旅程はパック旅行でもあるし,観光先は定番中の定番だったので割愛する.

妻がカプサイシンが苦手なこともあり,心配していたのであるが全体的に食事が非常においしく,中でも不思議だったのがどこでも珈琲がおいしかったことである.
宿泊したチェンマイのHoliday innでも,バンコクのImperial Queen's Parkでも,朝食はブュッフェ形式で珈琲はコーヒーメーカーのつくり置きだったのだが,日本でのような煮詰まった感がまったくなく,さらっとした口当たりで重くなかった.
最終日にみやげ物を買いに行った,サイアム・チッドロムのCentral Worldでふと出来心でSTARBUCKSでも珈琲を飲んでみた.
すると,意外や意外,これもまたおいしいものであった.

一体,何がよいのだろうとImperial Queen's Park Hotel近くのTHE COFFEE BEANS & TEA LEAFで豆を買って帰ることにした.
その店で閉店間際の時間だったこともあったのか,店員の女の子に興味を持たれて"Are you Korean?"と買い物とは関係のないことを話しかけられ, "No,Japanese.",いろんな挨拶の言葉を尋ねられたりなど,しばし,久しぶりに話す無茶苦茶な英語でのおしゃべりを楽しんだ.

帰国した翌日,やむを得ず知人との待ち合わせでSTARBUCKSを使わざるを得なかったのだが,やはり,日本で飲む珈琲は不味い.

買って帰った珈琲豆を使って家で淹れた珈琲はさすがにおいしかったが,なぜ,日本の店で飲む珈琲はこんなにだめなのであろうか.
容易に想像できるのは水であるが,欧州系のミネラルウォーターで日本で流通しているものとタイで流通するものに違いがあるとは思えないし,まったくもって不思議である.

2013年5月 5日

トーニングシューズ

アメリカでは,Reebok社の「EASYTONE」,Skechers社の「SHAPE-UPS」などが虚偽広告ということでメーカーは罰金を支払い,返金にも応じているという.
日本では相変わらずTVCMが流れている.
かくいう私もつい最近,ウォーキング用と通勤用にトーニングシューズを二足購入した.
ずっとレディスしか店頭に並んでいたなかったものがようやくメンズが見られるようになったためである.
しかし,私自身はだまされたとも思っていないが,確かに減量や体脂肪減少などのシェイプアップ効果については怪しいのかもしれない.

古来,一本歯下駄というものがある.普通は二枚の下駄の歯を一枚として非常にバランスがとりにくくしてある.
ふくらはぎに常に負荷がかかるようになって,よほど関節に問題を抱えていない限り,悪い作用はあまり考えられない.
数年前に,右股関節の痛みと右足底腱膜症が同時に起こったがスクワットと通勤電車内で体重を掛ける脚を左から右に変えることで治った.
トーニングシューズはわざと不安定に作ってあるので常にふくらはぎに力が入り,筋肉が弱るのを防いでくれるはずである.
まさか,普段の生活で一本歯下駄を履くわけにはいかないので,これはよいと思ったのである.
そのほかにも気のせいかもしれないが,背筋が伸びるような感じがあるのと,歩くときの蹴り出しが飛ぶように感じる.

まあ,広告の謳い文句と私の期待する効果が似て非なるものなので何の問題もないのである.
問題といえば,誇大広告,虚偽広告のレッテルを貼られてまたもや決して悪いものではないのに商品が消えてしまって継続使用できなくなることである.

2013年5月30日

火怨・北の英雄アテルイ伝

NHK-BSで1月,同総合で4月に放送された全3時間の時代劇である.
録画してあったのをようやく見終えた.
当ブログをずっとお読みいただいている方には,私が高橋克彦氏作の東北歴史小説のファンであることをご存知であると思う.
東日本大震災復興への応援として,「火怨-北の耀星アテルイ-」がドラマ化されると聞いて期待もしたが,正直見終わって落胆のため息しか出なかった.
番組BBSを見てみるとそれなりに好評価も多いようだが,そういう方の書き振りを見るに原作を読んでいないように見受けられる.
私にとっては原作のスケール,読者の裏をかく演出をはじめ,あらゆることが不満である.

まずは,朝廷の陸奥に対する支配を強めようとする理由が薄弱であり,また逆に蝦夷が反抗する理由も描かれ方が薄弱である.
物語の事の発端である宝亀の乱に至る過程が単純に伊治呰麻呂が阿弖流為にほだされただけのように思える.
阿弖流為と母礼による蝦夷軍組織,周到な戦術,また,坂上田村麻呂の懐柔戦略の進め方などが全く説明不足である.
終末近くの蝦夷の長たちの離脱と朝廷への帰順も阿弖流為を見限ったかのようで,結局,人望がなかっただけのように見える.
呰麻呂も阿弖流為もあまり先のことを考えていなかったような印象しか受けない.
原作ではそうではない.田村麻呂の人物を見込み,蝦夷が生き残る方策として離脱させていったのである.
歴史的史料は『続日本紀』くらいしか文献がないのだから事実はわからない.しかし,原作を「火怨」とし,題名にもそう記してあるのだから原作の精神を垣間見せて欲しい.
出来上がったドラマは単にモチーフとして取り上げた全く別の物語であった.それならば「火怨」にしなくてもよかったのではないか.
原作にはなかったが,唯一,評価できるとすれば,製鉄・製刀に必要な木炭のために,山は伐られ,川は流出した金気(かなけ)で魚が死に,美しい故郷を守るために荒れてしまった矛盾に阿弖流為自身が気づいても見過ごしてしまった反省が描かれたことである.

NHKの製作なのだから,同じ高橋克彦作の1993年度の大河ドラマ「炎立つ」につながるような演出を期待していたのである.実際,「炎立つ」には精神的な背骨として阿弖流為が登場する.
平安時代末期を舞台とした「炎立つ」では,安倍氏・奥藤原氏の後ろ盾として,『平治物語』『平家物語』『義経記』『源平盛衰記』などに登場する“金売り吉次”を中央で政争に敗れた物部氏の末裔としている.
奈良・平安時代初期を舞台とした「風の陣」「火怨」でも同様に蝦夷の後ろ盾として,軍用馬と黄金,製鉄の根拠として物部氏がある.
ドラマ化された「アテルイ伝」には物部氏は登場しない.ただ,陸奥馬の養育になぜか大伴氏が携わっていた.
物部氏に蝦夷の財力と技術の根拠を求めるのは偽書と結論されている「東日流外三郡誌」が下敷きになっていることを憚った結果なのか.

映像化するのならば,高橋崇氏や高橋富雄氏といった研究者の監修を得て,本当の意味の“大河”ドラマとして「風の陣」から「火怨」に至るまで,主人公を道嶋嶋足,伊治呰麻呂,阿弖流為と変えながら2,3年懸けて壮大にやってほしいものである

番組公式サイト

2013年10月 5日

市川寿憲氏逝去

最近の中で新聞の訃報欄を見てこれほど驚いたことはない.
3日に名古屋出張から帰宅して夕刊を広げていて訃報欄にこの名前を見つけてまず身を乗り出し,朝日放送のプロデューサーであることを確認して愕然となった.

普通は,この名前を聞いても社会的地位としては単なる会社員でしかないし,ピンと来る人はほぼいないと思われるが,直接関係のない人でもきわめて馴染み深い特定の人々がいる.
私もその一人である.
朝日放送のプロデューサーにして上方の伝統芸能に精通した方であった.54歳とは若すぎる.


この9月いっぱいで放送終了した朝日放送ラジオ「桂米朝よもやま噺」で上方落語の重要無形文化財保持者(いわゆる人間国宝)桂米朝師を相手に聞き手を務めていた方である.

番組終了を米朝師の高齢による健康状態を配慮してということを理由にしていたが,もうひとつの隠された大きな理由が市川氏の健康問題だったのではないだろうか.
米朝師の孫弟子に当たる雀松師の三代目文之助襲名に立ち会えなかったことになる.
米朝師の周りの父親,正岡容,四代目桂米團治という二人の師匠,みな55歳でなくなっているという.
米朝師自身も節目だと思っていたそうである.
しかし,倅ほどの年齢の市川氏まで54歳で亡くなるとは.
しかも,八年あまり番組の聞き手を務めてきた相方である.
枝雀師,吉朝師,先代歌之助師など頼りにしていた弟子,四天王のうちの二人,六代目松鶴師,五代目文枝師,上方芸能の同胞である茂山千作,千之丞,また,小沢昭一氏など正岡門下の後輩らも先に逝き,取り残されたように思われてますます気落ちされているのではないだろうか.

これから,上方の古典芸能のご意見番として市川氏の活躍が期待されていたのにという思いと同時に,米朝師の心情を思うと上方落語ファンとして気がかりでならない.

2013年10月25日

Movable Type update

つい先日,Movable TypeのVersion6がリリースされた.
当ブログのエンジンであるMovable Typeのバージョンはしばらくver.3.1.7でずっと放置していたが,サポートは終了しているし,新バージョンはリリースされたし,いい加減アップデートしようとしてver.5.2.8をインストールしようとしたが,なかなか一筋縄ではいかなかった.
アップグレードモジュールが起動してもすぐにデータベースの項目がダブっている旨のメッセージが出てまったく前に進めない.
ウェブ検索して諸先輩方で同じ症状を回避した例を探して何とかデータベースのアップデートを通過してようやく全体のアップデートが完了したと思ったら,今度はアーカイブページの再構築ができない.
いつまで経っても14%で止まったまま.何回試みても同じところで止まる.
理由がまったくわからないまま,また同じように検索してみると,再構築記事数を増やすことで解決できた.
ところがこれも,人によってはサーバーに負荷をかけすぎると一方的に切られるので少なめにしておくべきと書かれている方もいる.
トライ&エラーで結果的に済んだからこれが正解だったと結論するしかない.
本来は,この借りているサーバーにインストールされているモジュールは不足していたり,古かったりするようでVer.5系は何とか動く程度らしい.
Ver.6はまだリリースされたところなので,不具合が修正されて落ち着いてからにしようと思う.

2013年10月29日

要らない演出

テレビを観ていて,常に字幕が出るようになって久しい.
しかし,気になりだすと非常に目障りである.
かつて,新聞か何かのコラムがこの字幕を非難したら,聴覚に障碍を持っているとありがたいものだと逆非難されたということがあったようで,それはそれで認めざるを得ないが,完全にデジタル放送に移行したのだから,選べるようにしてほしいものである.
なぜ気になりだすと余計に目障りになるかというと,誤字というか誤変換が多すぎるのである.
国語審議会的には厳密ではないかもしれないが,「基」や「元」とすべきを「本」と表示したり,目に余るのは「濡れる」を「塗れる」と表していたのにはあきれ返るしかない.
字幕を作っている御仁は前後の脈絡をあまり考えていないとしか思えない.
画面と一致した印象にならないので興ざめである.

デジタル放送の字幕でも,全国放送の演芸番組あたりで上方演芸がかかろうものならそれはひどい.ちゃんと聞き取れてないならば,出演者に確認すればよいものをテキトーなそれらしい言葉を嵌めてある.
ネイティブの上方の人間からしたら,そんなことは言わんとしかいえない.あきれるばかりである.
テレビを見るときの脳の働きとしてはバラエティ的な字幕が出るとあまり活発にならないそうで聞くだけで理解するということが重要らしい.
それにも増して目に入ってくる文字もその内容も目障りである.
いやなら見なければよいというお説はごもっともであるが,しかし,内容は見たいものなのである.
おおよその傾向としては東京キー局のバラエティ番組で顕著である.
何でいちいち動物が歩いたりちょっとした動作をするたびに効果音を付けるのか.面白いどころか,興ざめである.
絶叫型の実況アナウンス風も気になる.状況として実況アナウンスの必要もないし勝手に作り手で盛り上がっているだけのように見えて,内輪受け,自己満足に近くこれまた興ざめである.

2013年11月16日

食材偽装騒ぎに思う

最近,ホテルやレストラン等の食材偽装問題がかまびすしい.
産地詐称や成形肉など,当然,非難されて然るべき事項も多い.
しかし,的をはずしているのではないかということもいくつかある.
私が「何じゃ,これ?」と思ったのは,"鮭と称して鱒を出していた"というものである.
だいたい,生物学上,サケとマスの区別は海に出るか出ないか程度で明確なものではないそうである.
あと,"おふくろの味と称しているが実際には中年男性料理人が調理していた"というもの.
そもそも"おふくろの味"の提唱者は誰かといえば,料理研究家の土井勝氏である.
確か,モノクロの頃のNHK「きょうの料理」だったかと思う.すでに当時で土井勝氏は中年男性である.
それを鬼の首を獲ったかのごとく,非難するマスコミ.
自分らの不祥事はたいした反省もせずに,誤報は誤報と認めず,訂正や謝罪は申し訳程度.
新聞なら紙面の目立たない片隅,テレビならば何のことかわからない一言の詫びのみ.

根源的なことは,日本人の上っ面のみのブランド志向ではないだろうか.
看板やキャッチコピーに惑わされ本質を見極められないことにつけこまれている結果なのである.

2014年10月11日

天気予報

近年,気候の変化に伴うと思われる大災害がほぼ毎年数件起こっている.
そんな状況を反映してか,ひまわり8号も打ち上げられ,運用が開始されるということも聞こえてくる.
特に,台風18,19号と一週ごとに来襲という事態になっている.

そんな中,テレビの気象情報を観ていて気づいた.

今現在,テレビ,新聞,また,気象庁のウェブページすべて,北海道の釧路から下に向かって最後は沖縄県の那覇である.
日本の気象,天候は,基本的に西から順に移り変わってくる.
ということは,全国の天気予報の並べ方が逆なのではないか.
今の表示は,気圧配置等の進行とは逆行しているのである.
沖縄方面から並べる方がその後の気象の予想がイメージしやすいのではないかと思うが,いかがだろうか.

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