Eric Claptonの作品群の中でどの辺りが最も良いかと問われた場合には,まず,DEREK & THE DOMINOSと答えるだろう.
ギタリスト然とした,BLUES BREAKERSからCREAMももちろん良いのだが,歌うことに目覚めた1stソロからDOMINOSが最もバランスが良いように思うのだ.
彼の私生活の上では最もでたらめな時期だったかもしれないのだが.
さて,DEREK & THE DOMINOSの唯一のスタジオ録音作品『LAYLA AND OTHER ASSORTED LOVE SONGS』であるが,この作品も初めて聴いてから20年くらいになると思う.
ロック史に残るロングセラーを誇る名盤であることは誰も異存はないと思う.私も大好きな作品の一つである.生まれ年に発表された作品であるということも多少は影響しているかもしれない.
しかし,聴いた回数は比較的少ないかもしれない.
同じDOMINOSの『LIVE AT FILMORE』はかなり前からメモリプレーヤーでよく聴いていたのだが,『LAYLA』は,これまでポータブルCDプレーヤーで持ち歩いたり,メモリプレーヤーに入れたことがなかった.
これが珍しく,私の涙腺を弛める数少ない作品だからである.
ちょっとした気まぐれにリッピングしてメモリプレーヤーに入れて勤め帰りに聴いてみたらもうダメである.
まさか電車内で泣きはしないが,そんな雰囲気の中で聴いてはいけない,いたたまれない心境になった.
やっぱりこの作品は,自室でイヤフォンでなくスピーカーから直に出てくる音を受け止めて,じっと腰を据えて聴くべきであると改めて思ったのである.