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ちりとてちん:その五

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5月5日,6日の二日にわたって総集編が合計200分放送されたわけであるが,懸念していたことがまともに起こってしまっていた.
本放送時から,この相互に複雑に絡み合った個々のエピソードが総集編ではどのようにまとめられるのだろうか?と考えていたのである.
全151回あったので,単純計算で2265分(37時間45分)が200分にまとめられたと言うことは1/10以下である.
前編で100分中,約30分が第一週分に費やされていた.物語全体のキーとなるヒロイン・喜代美の祖父・正太郎との関わりに重点が置かれたのはよく理解でき
るが,重要と思われるエピソードがずいぶんととばされてしまっていた.
まんべんなく織り込むには無理があることは十分にわかっている.
・喜代美と清海の間に,結末近くまでしこりとして残り続ける恐竜の化石事件
・喜代美が草々に恋心を抱くきっかけとなったデタラメな辻占茶屋と,清海,草々との三角関係
・内弟子生活,高座名命名と大失敗の初高座
・清海が東京に行くきっかけとなる喜代美の告白
・草々の破門騒動
・親子ともども夫婦喧嘩
・清海の挫折・変貌と秀臣の塗り箸への思いの吐露
・小草若の失踪と復帰
ざっと挙げるだけでもこれだけある.
しかも,私は上方落語からこの作品に入っていったので,落語モチーフの大半が端折られていることが非常に不満が残った.
平均視聴率は,過去の連続テレビ小説でも最低.しかし,終盤近くには朝ドラとして数年ぶりに20%超を記録した.
ということは,この総集編でしか本作品に触れない人も多いはずである.そんな人たちにも魅力が伝わったのだろうか,「噂に聞いてて総集編を見たけど,全然面白くなかった」と感想を持たれると一回も逃さず見ていたファンとしては不本意である.

当初,低視聴率の原因がキャストの弱さにあるのではとの説もあったが,逆に突出したキャスティングでないからこそ,ヒロイン・喜代美の体裁をとってはいるが,その実,二つの和田家と徒然亭一門全員が主人公で濃い複雑な内容となり得たのではないだろうか.

5月21日から3ヶ月連続で完全版DVD-VideoのBOXセットが発売される.既にシリーズ3セット購入予約済みである.
「そこまで?」と問われても,「そう,そこまで」と答えるしかない.
落語は古典で同じ噺を聞いても,全く同じところで笑ってしまう.
女流落語家としてのサクセスストーリーではないながらも古典落語が物語を構成する各部品のモチーフになっているだけに笑いのツボも同じなのである.

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2008年5月 7日 18:36に投稿されたエントリーのページです。

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