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ちりとてちん:その六

連続テレビ小説(朝ドラ)として初のスピンオフドラマ「ちりとてちん外伝 まいご3兄弟」が先行して関西ローカルで放映された.
全国放送がまだなので,なにかの間違いで当ブログでネタ割れしてしまうといけないのでストーリーについて詳細は書かない.
落語「宿屋仇」をモチーフに本編同様,小ネタ満載であるとだけは記しておく.

本編結末で,徒然亭若狭こと喜代美が落語家を引退してしまうことが少なからず賛否両論を呼んだが,「まいご3兄弟」を見る限り,全く落語から離れるということはしていない.
もちろん,喜代美が登場することはなかった.あくまで名前が出てきただけ.
しかし,むしろ,より強く密に落語に接していることが示唆されているようにも思えた.
子供をあやすのにも上下を切っているという.
演じ手としては引退しても,落語家の妻として,寄席小屋のおかみさんとして,また,落語作家として生きているのである.
徒然亭草々をこのドラマのストーリーテラーとして,創作落語の体裁で導入部が始まる.その新作落語の作家として扱われるのである.

先日,朝日新聞夕刊1面の連載で,上方の女流落語家がテーマに挙がったことがあった.
「ちりとてちん」は,実際の上方落語界にも少なからず影響を与えていたようである.
露の都,桂あやめ,共に母である.感情移入が強かったのだろう.
実際には女流の代表であるが故に,二人の分身ともいえるキャラクターだったので,結果的にはフィードバックなのだろうが.

想像するに,育児の手が離れたら,復帰することも考えられるし下座を勤める余地もある.
いくらでも勝手な想像で話が膨らみそうである.

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「まいご3兄弟」見ましたよ。面白かったです。主役は四様(笑)なんですよね?
「宿屋仇(江戸では「宿屋の仇討」)」をどう料理するのかな~と思っていたら、なかなかですね。

私が一番「おぉ!」と思ったのは、3兄弟でなく田村亮氏です。いやぁ、いつのまにこんなに渋くなったんでしょ。
一瞬、亡くなったお兄ちゃんかと思ってしまった。
優男なイメージがあったもので…。驚きました。

こういうスピンオフドラマ、もっとできそうですよね?
本編よりも素直に笑えました。

3人のテンポが良かったです。噺の登場人物たちもあんな感じなのかな~と見てしまいました。

KenGO! :

一応,主役は3人ですが,四様ファンに応えてと言うことではないでしょうか.
何しろ,「スタジオパークからこんにちは」のゲストで加藤虎ノ介出演のときにメールサーバがダウンしたというんですから.

しかし,冒頭の導入部での青木くん,本編よりも格段にうまくなってたように思ったんですが,やっぱり撮影終了した後に天満天神繁昌亭の本物の高座に徒然亭草々として一度上がったことが利いていると思います.そのときの演目は「道具屋」だったそう.ちなみに虎さんは「つる」でした.

すごいのは,登場人物は正味5人なのに,小浜でも大阪天満宮界隈でもない安曇川の民家なのに,喜代美も糸子お母ちゃんもいないのに,紛う方なく,「ちりとてちん」の世界なんです.
田村亮,徳田尚美ご両人ともそれだけできあがった世界に単発といえ,入っていきにくかったのではと要らぬ心配をしてしまいます.
田村亮氏については,誰もが異口同音に言いますね.兄・高廣が亡くなって,より以上に父・板東妻三郎に似てきたと.

最初,スピンオフ制作決定の話を聞いたときに思い浮かんだのは,若狭のメディアの仕事を兄弟子達があちこちで潰して回るドタバタだと思っていたんです.
本編の時間軸ではごくごく近いところだったわけですが.
まだまだできそうです.寝床の熊五郎・咲夫妻の,草若邸向かいに店を持つまでの経過とかね.

上方の「宿屋仇」の3人組は,喜六,清八に源兵衛ですから,いつものお調子者の面々です.兵庫の生まれと言うところだけ違いますけど.

最近,あちこちのイベントで,桂吉弥&茂山宗彦の組み合わせが頻繁にあるみたいです.大師匠である,桂米朝,茂山千作がもともと親交深いですしね.

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2008年7月25日 23:11に投稿されたエントリーのページです。

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