10歳ほど上の人が話しているのを聞いたりすると,若い頃はフォークやニューミュージックと言っていたのに歳を取るとやっぱり演歌だなと言っている.
私にはまだ分からない.音楽は相変わらずブルーズロック~ハードロック/ヘヴィメタルが好きである.
演歌が日本人の心などというのは全くもって同意することはできない.酒場の男女の繰り言が日本人の心なわけがない.
ただ,二十歳前後の頃のように寝入るときにハードロックをかけて眠るということはできなくなった.
音が複雑に重なり合っていて,いちいちそちらに神経を取られるのである.
冒頭の演歌の代わりに私の中で登場してきたのが落語である.
落語であれば,基本的に人間の話し声である.音の隙間も多い.
聴きながら床に入ると良い按配で眠気が差すことが多い.人間の自然なリズムなのだろう.
眠気が差さなければそのまま聴きつづけることになる.
内容が分からなくなったときが集中力が切れて意識を失うときである.
おかげでマクラからネタにはいるところはよく知っていてもサゲを知らないネタが多かったりするのである.
桂枝雀師はわかりやすく面白(過ぎる)いが騒々しく,桂文枝師はトーンが高いので睡眠導入には向かない.
集中していれば深みがあって面白く意識が薄れてくると淡々としているので眠気を阻害しない桂米朝師がベストである.