最近,4コマを除いて,まともなギャグ漫画を見かけなくなった.
70~80年代半ばあたりまでがせいぜいではないだろうか.
現在のものは,ストーリー主体で,しかも,どれも押しなべて長い.20巻は当たり前である.昔は,5~10巻程度が普通だったように思う.
漫画というよりも劇画といったほうが良いものばかりである.
そう,漫画はなくなってしまったのである.漫画と呼べるのは,新聞の4コマだけではないだろうか.
私が不滅のギャグ漫画と信じて疑わないのは「マカロニほうれん荘」である.
現在の漫画と比べると非常にコマ割りが小さい.ページ一コマなどはあり得ない.しかも一ページ当たりの文字数が異常に多い.
ビジュアルだけで笑わせている訳ではない証拠である.
それに作者の鴨川つばめが当時かなりミーハーなロックファンだったことが伺える.
コマの端に当時のロックスター達(AERO SMITH,KISS,VAN HALEN etc...)が描かれていたり,
きんどーさんのFreddy Mercury,トシちゃんもJimmy Pageのコスプレをしているのである.
にしても,無意味な破壊力が漲っている.
こんなアナーキーでパンクなハイスピードギャグは,誰にも生み出せないのではないかと思う.
読み手にもこれについていくために体力が要る.
絶対に予定調和しないのである.
実はこの「マカロニほうれん荘」絶版にならずに刷数を重ねているので,古本屋を探すことなく全巻簡単に入手可能なのも驚きである.