1980年代の10年間というと,私自身は小学校高学年から大学生と心身ともに最も成長する時期であり,刺激を受けやすい年代に当たっていた.
誰もがそうであるようにこの多感な年頃に刺激を受けたものについては忘れがたい.
ロックシーンでは,1960年代の草創期,1970年代の爛熟期を経てテクノロジーとビジネス先行の1980年代はつまらなくなったと言われている.
ロックは「HOTEL CALIFORNIA」で終わったと.
しかし,私はその80年代に本格的にポップミュージックに浸っていったわけでそれ以前をリアルタイムで聴こうにも聴けないのは当然の話である.
そんな中でもハイティーンの頃,80年代後半にヒットチャートの上位を占めたわけではないものの,話題を集めていた内外のハードロックをよく聴いていた.
音楽的感性が薄く,テクノロジー,ビジネス,ヴィジュアル先行と良いとこなしの言われ方をしているが,20年経ってそこそこ再評価されているのではないだろうか.
1980年代に全盛期を迎えたがその後失速して解散に至ったバンドが再結成しているのここ最近よく耳にする.
アニメーションについても1980年代の作品が再評価が進んでいる.
その際たるものは20年経って劇場映画化されている「機動戦士Zガンダム」であろう.TVシリーズの放映が1985年なのでちょうど20年である.
しかし,残念なのは大半が懐古趣味の域を抜けられていないことである.
つい最近までは70年代の焼き直しだった.
それが80年代に移っただけのようにも思える.
再生産に毛が生えた程度であり,もはや全く新しいものは,創造されないのだろうか.