この3月20日から,近鉄奈良線と阪神本線を大阪難波と尼崎とで結ぶ阪神なんば線が営業運転を始めた.
私は,近鉄奈良線沿線に住んでいるので神戸までの心理的距離がぐんと近づいたような気がする.
これまでは神戸方面に行こうとすると,鶴橋で大阪環状線に乗り換え,さらに大阪/梅田でJR神戸線か阪神あるいは阪急に乗り換えなければならなかった.
それが,実際には普通から快速急行への乗り換えが必要なものの,一本で繋がっているのである.
奈良と三宮が繋がったと報道や広告では言われているが,阪神電鉄は山陽電鉄とも相互乗り入れしているので実は姫路まで繋がったのである.現に2010年には近鉄大阪線も含めて名古屋から姫路までの直通特急も計画されているという.
鉄道ファンでもないし,日常は神戸に行く用事もさほど無いので良くも悪くも大きな違いは無く,直接的なメリットも無いのだが,何か理由もなくわくわくするものである.
経済的観点からみても,最近はキタに比べて活気に乏しいミナミにとっては期待できる材料といえるだろう.
朝の通勤に使う電車の行き先のほとんどが難波行きから尼崎行きに変わった.
営業開始初日が明けて新聞をみてみると,さまざまな不具合が明らかになっているようである.
どうも,5分程度ダイヤが遅れるようである.
あとは不便というほどではないにしろ不慣れなことといえば,ドア位置が近鉄と阪神の車両で少し異なることくらいである.
景色として普段使っている駅のプラットフォームに阪神電車が停車したり,阪神電車の行き先表示に「奈良」,逆に近鉄電車の行き先表示に「尼崎」や「三宮」と記されているのは不思議な感じである.
始発/終着駅のプラットフォームは行き止まりになっているのが通常だと思うのだが,近鉄の難波駅だけは初めからプラットフォームよりもさらに西に延びていた.
つまりは,近鉄難波線(上本町-難波間)の計画当初頃から,近鉄か阪神かどちらかはわからないが,さらに西への延伸が視野に入っていたということである.