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ちりとてちん

以前にほとんど連続テレビドラマは観ないと書いたことがあったが,現在,気に入って観ているのがNHK連続テレビ小説「ちりとてちん」である.
私は勤め人で通勤に一時間弱を費やさねばならないので,当然ながらリアルタイムでは観ることができない.
毎朝,タイマー録画して休日(水・日)に週の半分ずつを観るのである.
我が家は比較的NHKをよく観る家庭なので毎回それなりに,特に母親などは朝ドラは観ているので,話題にはよく上る.
今回は大阪放送局制作で,しかも上方落語がテーマにあるということで私が制作発表の頃から注目していた.
期待に違わず面白い.ハッキリ言ってドタバタのバカドラマである.これは褒め言葉である.
私の勤め先のビルの玄関付近がロケにも使われていたので,地理的にもなじみが深い.朝から某女性脚本家Hの辛気くさいものを見せられるよりもずっと前向きで楽しくて良いではないか.

毎週なにがしかの上方落語の題目が脚本にショートエピソードとしてちりばめられているので落語ファンとしてはそれも楽しみの一つである.
登場人物からその他ちょっとしたことまで,すべてが上方落語にちなんでいる.
主人公が弟子入りした落語家・徒然亭草若の向かいの居酒屋が“寝床”(「寝床(浄瑠璃)」),草若の四番弟子・四草(しーそー)のアルバイトする中華料理店が“延陽伯”(「延陽伯(江戸落語で言う「たらちね」)」),寝床の店主が熊五郎,嫁さんがお咲さん,常連客の理髪店主が磯七,仏壇屋の店主が菊江(「菊江仏壇」),主人公の親友の父親が喧嘩の仲裁が趣味の幸助(「胴乱の幸助」),母親がおしゃべりで有名な“雀のお松”(「舟弁慶」)等々枚挙にいとまがない.

主人公・和田喜代美を演じる,貫地谷しほりは映画「スウィング・ガールズ」で知ったが,喜劇の似合うキュートな役者だと思う.
主人公の母親.糸子役の和久井映見がこの上なく素っ頓狂でこれまたドタバタに彩りを添えている.私と同い年の彼女が高校生の娘の母親役というのが少々ショックだったが.
そんな中,師匠の草若役の渡瀬恒彦が,これまた飄々としてそれでいて見るところはしっかり見据えているという印象が雰囲気を引き締めている.
渡瀬恒彦というと,私が気に入ってみていたNHK大河ドラマ「炎立つ」で奥州藤原三代秀衡を演じていた.おしなべて彼の印象はそういうものであったので,今回の役柄は異色ではないだろうか.
12月初旬現在,舞台は1993年頃である.1995年の阪神淡路大震災が話に関わってくるかどうかというのはあるが,草若がかつて落語の常打ち小屋の設立に奔走していたというとうころから想像してみるに,結末は,昨年,実際に設立された,天満天神繁昌亭の完成が一つのキーとなるのではないだろうか.

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2007年12月 6日 19:26に投稿されたエントリーのページです。

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