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2006年3月 アーカイブ

2006年3月 1日

はよ,整備せんかい!

現在,私が使用している携帯電話はNTT DoCoMo mova SO505iである.これに機種変更して2年半を過ぎた.
もうそろそろ換えたいのであるが,もはやmovaの新機種は出そうにない.
DoCoMoは2008年までに第2世代であるデジタル携帯電話の電波を停止することを明言し,第3世代CDMA方式=FOMAに移行しようとしている.
料金体系は,movaもFOMAも一本化された.家族4人でもいちねん割引とファミリー割引を併用すれば1万円に届かない程度である.決して高くない.
しかし,電波の届く範囲の地図を見てみると,movaの通話地域に比していかにもFOMAの通話可能地域は貧弱である.
都市部での使用であれば遜色は無いとの見方もあるが,そう単純なものではない.
意外と神戸の山手の高級住宅街,夙川あたりでは電波状態が万全ではない.
movaとFOMAの比較ではないが,第2世代では,vodafoneは通話不可能地域なのに対し,DoCoMoは難なく通話できるのである.
人里離れているわけではないのに,こんな調子である.FOMAに換えてしまうには不安がつきまとう.
何のために携帯電話を持っているかといえば,もちろん第一に通信連絡手段である.
音声であろうが,メールであろうが通信できなければ意味がない.

カメラ付きは納得できる.何度か書いているように専用機のデジタルカメラは所有していないからである.
かつて常時持ち歩く高級コンパクトカメラが欲しいと思い,具体的に検討していた時期があった.
CONTAX T2かTVS,あるいはNikon 28Tiあたりにしようかと思っていたが,高級といえども所詮コンパクトカメラなので帯に短し…で,結局買わなかった.
そうこうしている間に携帯電話で100万画素級が出てきた.それが現在使用しているSO505iである.少々分厚く大きいし描写性能も悪いが一個で済むので妥協できる.本格的に撮影する目的ならば一眼レフを持ち出せばいいのである.
2年以上継続使用の交換充電池無料サービスも受けたし,無償修理も利用した.
実際問題,換え時なのだがFOMAに実用上の魅力を感じない.音楽プレーヤーとして使うにしても電池の持久力がなければ本来の役割を果たさない.
Felicaも面倒である.iDはクレジットなので不安が多い.

そういう付録の部分の開発をする前に,本来の目的のための手段となるインフラストラクチャーの整備が先決である.
卵が先か鶏が先かの議論になるのだろうが,FOMA通話可能エリアがmovaと同等にならない限り,今のところ乗り換える動機付けにはなりにくい.
私のようにモノに対して慎重な人間は動きたくても動けないのである.

2006年3月 6日

本当に認識できる人は?

進化するコーヒーショップ 郊外型や“団塊”向けなど続々
コーヒーショップチェーン店が様変わりしている。都心部を中心にした立地から郊外へ進出したり、ターゲットを団塊世代に絞るなど個性を打ち出して、顧客の囲い込みを目指している。
UCC上島珈琲(神戸市)は来年度、セルフコーヒーショップ「上島珈琲店」を二十店舗開業し、首都圏での本格展開に乗り出す計画だ。
同社は喫茶店に対するコーヒー豆の卸売り事業が中心だが、コーヒーチェーンの増加により、喫茶店が減少し、チェーン店の自社展開に乗り出した。団塊世代を意識した店作りで、差別化を徹底している。中高年への配慮は店内の至るところで見られる。椅子(いす)の高さは低めに設定し、安定して座れるようにした。コーヒーカップは団塊世代に人気の工業デザイナー、柳宗理氏がデザインしている。
スターバックスコーヒーが代表格のコーヒーチェーンは、若者に人気で味の濃いエスプレッソにミルクを混ぜ、甘みを増したメニューが主流だ。これに対し、UCCは「中高年でも親しめるコーヒー」として、二回続けて抽出するダブルネルドリップマシンを自社開発し、濃厚な味わいを実現した。上島達司社長は「若者にも人気で、本格コーヒーの需要の高まりを感じる」と自信を見せる。
一方、スターバックスは都心を飛び出し、郊外店の開発に注力する。ドライブスルーを併設した店舗はロードサイドやショッピングセンターなどに開業。深夜営業を開始するとともに、郊外のファミリー層の取り込みをはかる。都心店にはないテラス席を設けるなど、解放感のある空間を作り上げた。
郊外進出の背景には都心部での店舗過多があるとの指摘もある。課題だったフードメニューも充実し、昨年八月以降七カ月連続で既存店売上高がプラスに転じるなど、攻勢を強めている。
ドトールコーヒーは、二年前から全国七地区に分けた地元密着型の出店戦略を練る。今年度は年間百五十店を出店するなど地方都市を中心に積極展開しており、コーヒーチェーンの競争激化に拍車がかかっている。(川上朝栄)
(産経新聞) - 3月6日2時59分更新


シアトル系コーヒースタンドの乱立にうんざりしている者としては,好ましい傾向である.
何よりも“中高年でも親しめる”というのが良い.
いくら若くても,ファッションでなく本当の意味での珈琲を追求し始めると,年増好み(笑)のものに行き着くのである.
二十歳前後で珈琲に興味を抱いた私が身をもって体験してそう思っているのである.

ただ,上島珈琲のダブルネルドリップマシンというものには,疑問を抱かざるを得ない.
ネルフィルターは手入れが手間である.しかし,この手間を惜しんではならないのである.
銀座カフェ・ド・ランブルでは,カウンター席に座ると,カウンター内の端に電気洗濯機が置いてあるが見える.もちろんネルフィルターを洗濯するためである.
その上島珈琲のマシンには,ネルフィルターの洗浄機能が付いているのであろうか.そして仮に付いているとして,それは万全なものなのだろうか.
私は家庭で珈琲を淹れるだけなので,ネルフィルターは一回ずつ煮出し洗浄している.そうしなければ脂質が蓄積し,雑味や悪臭の原因となる.
何にでも当てはまるのであるが,少量であれば上手くいくものがマス化すると品質が低下するのである.
機会があれば,銀座・カフェ・ド・ランブルや表参道・大坊珈琲店,大阪八尾・ザ・ミュンヒ,そして福岡・美美でのドリップ作業を直にご覧頂きたい.とても機械に出来得るものではないことが分かるだろう.

コーヒースタンドと名だたる珈琲店を同次元で評価することは,そもそも間違いであるが,コーヒースタンドが高級志向を目指すのであれば,ユーザー側も本物とはどんなものかを知っておく必要があるだろう.
知った上でマス化のために何が犠牲になっているかが推測でき,値段と比較してユーザーとしての妥協ができるのである.

2006年3月25日

RISING SUN

英語で「日の丸」である.

トリノ・オリンピックがあり,トリノ・パラリンピックがあり,各冬季スポーツの世界杯が行われた.
そしてWBCが開催され,日本チームの優勝で幕を閉じた.
同時に卒業式の季節である.またぞろ,新聞の端々に国旗・国歌の掲揚や斉唱についての是非の非難が書かれている.

スポーツの大きな国際大会があると大いにナショナリズムが昂揚されるものである.特にWBCでは誤審騒ぎが拍車をかけた.
オリンピックにしろ,WBCにしろ,試合中継や選手へのインタビュー等でしきりと「日の丸を背負って云々」という言葉が聞かれた.
サッカー世界杯でも言われるであろう.

卒業式での日の丸・君が代の問題になると目くじらたてるのに,なぜ,スポーツの国際大会で日の丸掲揚・君が代斉唱となると何の非難もされないのか.
非難する人々は,必ずといって良いほど左翼系である.
帝国憲法下で軍部が日の丸と君が代のもとに過ちを犯したことは確かにそうだろう.
しかし,考えてみて欲しい.
かつての共産・社会主義国家は自国の国旗を赤地にしていることが多かったり,共産主義者のことを侮蔑的に“アカ”と呼んだりするが,そもそも共産主義国家建設が最初に実行に移されたロシア革命で打倒されたロシア皇帝のシンボルカラーが赤色なのである.
すなわちソビエト共産党が仇敵である帝政ロシアのシンボルカラーを拝借したことになる.新たな道を歩もうと全否定して別に作ったのではないのである.

ならば,同じ左翼の思想を持っているのならば親玉に倣って日の丸・君が代に対しても解釈を新たにして平和のシンボルとして掲げようという,柔軟な考えは出てこないものだろうか.
もともと日の丸というのは薩摩藩が船の識別用に掲げたのが最初である.
そして君が代の「君」は決して君主を指すのでなく現代語と同じく“君=伴侶”で恋歌なのである.

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2006年3月28日

あくまで一説

カナダ・トロント大などの研究チームが,遺伝子の違いによってはコーヒーが心筋梗塞を引き起こしやすくなるのではないか.
という論文を米医師会雑誌に発表したというニュースがあった.
遺伝子の酵素CYP1A2というものが関係しているらしいのだが,対立遺伝子の問題で突然変異でカフェインを分解する酵素を分泌できなくなってしまう遺伝子が優性になってしまうという.
これが体の中で起きてしまうと,1日にコーヒーを2杯飲んだだけで心筋梗塞での危険性が大きく高まるというもの.
将来的にはそうした遺伝子のタイプ別に食事指導の必要性があると言われているようである.
今まで提出されていた論文では心臓疾患系の病気にコーヒーは無関係とされているものがほとんどだったので新しい見解だと言えるようである.
要は遺伝子がカフェインを分解できるかどうかということで,コスタリカで行われた実験では,健康な2000人の内,半数はこのカフェイン分解が遅い遺伝子を持っているそうである.

以前,コーヒーが心筋梗塞等の心臓疾患と因果関係があると言われた時期があった.
研究調査がすすむとコーヒーそのものが悪いのではなく,紙フィルターが塩素系漂白されていたからだと結論づけられた.
現在は,紙フィルターも無漂白だったり,酸素漂白されている.
何にせよ,コーヒーの構成成分は未だに未解明の部分も多いのである.
クロロゲン酸というポリフェノールが良いと最近は騒がれて,その含有量を2倍に増やした缶コーヒーも出てきているが,いくら体に良い成分であろうとクロロゲン酸は雑味成分の代表である.
常に主張していることであるが,珈琲というのは嗜好品である.美味しく喫めればそれで十分である.
過度の摂取はどちらにしろ控えるべきで,逆に健康のためになど飲用するものではない.

2006年3月31日

物事は疑ってかかれ

「ニセ科学シンポ」血液型性格診断など議論 愛媛大で開催へ

実は,私自身が権威に弱いのである.
「何々のオーソリティ誰々が言っている」と言われればそれに追従してしまう.
以前に,マイナスイオンが眉唾であることを書いたことがある.その件でも,友人にもらった化学学会誌記事のコピーを基に論じているのである.
自分では,研究できないので比較的信頼がおけるであろう何かを拠り所にしないと仕方ないのである.

“科学”とはどういうことかというと,調査分析の結果をそのまま出すことではない.
あらゆる状況から推理して一つの仮説を立て,実験や数理的証明を行い,また,他の研究者との議論や反証で洗練させていくものである.
(一言に科学と言ってしまっているが,この場合は自然科学を対象としている.突き詰めれば社会科学も人文科学も物理現象や数理的解析を用いなくとも同様の姿勢で研究されていることは言うまでもない.)

“ニセ科学”には,その反論という過程を全く経ていないように思われる.
「昔から言われているから」「社会的経済的に信用がおける一流企業が販売しているものだから」という理由だけである.
各家電メーカーが販売する“マイナスイオン”商品は信用できて,怪しげな白装束の団体が言う“スカラー波”は信用できないのはなぜか?
一般大衆が,権威者に対して思考停止しているからに他ならない.
“ニセ科学”というよりも“現代的迷信”である.

別に「人を見たら泥棒と思え」とは言わないが,反論ならずとも質問をしたうえで納得して気持ち悪さを解消したいとは思わないのだろうか.

少し前にあったニュースでは,地球環境問題に興味のある人を対象にしたアンケート調査で,
地球温暖化の主原因はフロンガスだと思っている人が半数を超えていると言う結果だった.
フロンガスは確かに温暖化係数の高い物質であるが,誤解された因果関係が秀逸である.
「フロンガスがオゾンホールを作り,紫外線が地上に到達するので温暖化に繋がる.」と言うのである.
地球環境問題に興味がある人がこのていたらくである.
言うまでもないが,
「フロンガスのオゾン層破壊により,紫外線が地上へ到達することによって,皮膚癌や眼の障害発生の危険性が著しく高まる.」
「二酸化炭素濃度の増加によって熱の宇宙空間への放出が阻害されるために温暖化が進行する.」
というのが公式見解である.
大衆は,いかに表面的で短絡的にしか捉えていないかが分かる.

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