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本当に認識できる人は?

進化するコーヒーショップ 郊外型や“団塊”向けなど続々
コーヒーショップチェーン店が様変わりしている。都心部を中心にした立地から郊外へ進出したり、ターゲットを団塊世代に絞るなど個性を打ち出して、顧客の囲い込みを目指している。
UCC上島珈琲(神戸市)は来年度、セルフコーヒーショップ「上島珈琲店」を二十店舗開業し、首都圏での本格展開に乗り出す計画だ。
同社は喫茶店に対するコーヒー豆の卸売り事業が中心だが、コーヒーチェーンの増加により、喫茶店が減少し、チェーン店の自社展開に乗り出した。団塊世代を意識した店作りで、差別化を徹底している。中高年への配慮は店内の至るところで見られる。椅子(いす)の高さは低めに設定し、安定して座れるようにした。コーヒーカップは団塊世代に人気の工業デザイナー、柳宗理氏がデザインしている。
スターバックスコーヒーが代表格のコーヒーチェーンは、若者に人気で味の濃いエスプレッソにミルクを混ぜ、甘みを増したメニューが主流だ。これに対し、UCCは「中高年でも親しめるコーヒー」として、二回続けて抽出するダブルネルドリップマシンを自社開発し、濃厚な味わいを実現した。上島達司社長は「若者にも人気で、本格コーヒーの需要の高まりを感じる」と自信を見せる。
一方、スターバックスは都心を飛び出し、郊外店の開発に注力する。ドライブスルーを併設した店舗はロードサイドやショッピングセンターなどに開業。深夜営業を開始するとともに、郊外のファミリー層の取り込みをはかる。都心店にはないテラス席を設けるなど、解放感のある空間を作り上げた。
郊外進出の背景には都心部での店舗過多があるとの指摘もある。課題だったフードメニューも充実し、昨年八月以降七カ月連続で既存店売上高がプラスに転じるなど、攻勢を強めている。
ドトールコーヒーは、二年前から全国七地区に分けた地元密着型の出店戦略を練る。今年度は年間百五十店を出店するなど地方都市を中心に積極展開しており、コーヒーチェーンの競争激化に拍車がかかっている。(川上朝栄)
(産経新聞) - 3月6日2時59分更新


シアトル系コーヒースタンドの乱立にうんざりしている者としては,好ましい傾向である.
何よりも“中高年でも親しめる”というのが良い.
いくら若くても,ファッションでなく本当の意味での珈琲を追求し始めると,年増好み(笑)のものに行き着くのである.
二十歳前後で珈琲に興味を抱いた私が身をもって体験してそう思っているのである.

ただ,上島珈琲のダブルネルドリップマシンというものには,疑問を抱かざるを得ない.
ネルフィルターは手入れが手間である.しかし,この手間を惜しんではならないのである.
銀座カフェ・ド・ランブルでは,カウンター席に座ると,カウンター内の端に電気洗濯機が置いてあるが見える.もちろんネルフィルターを洗濯するためである.
その上島珈琲のマシンには,ネルフィルターの洗浄機能が付いているのであろうか.そして仮に付いているとして,それは万全なものなのだろうか.
私は家庭で珈琲を淹れるだけなので,ネルフィルターは一回ずつ煮出し洗浄している.そうしなければ脂質が蓄積し,雑味や悪臭の原因となる.
何にでも当てはまるのであるが,少量であれば上手くいくものがマス化すると品質が低下するのである.
機会があれば,銀座・カフェ・ド・ランブルや表参道・大坊珈琲店,大阪八尾・ザ・ミュンヒ,そして福岡・美美でのドリップ作業を直にご覧頂きたい.とても機械に出来得るものではないことが分かるだろう.

コーヒースタンドと名だたる珈琲店を同次元で評価することは,そもそも間違いであるが,コーヒースタンドが高級志向を目指すのであれば,ユーザー側も本物とはどんなものかを知っておく必要があるだろう.
知った上でマス化のために何が犠牲になっているかが推測でき,値段と比較してユーザーとしての妥協ができるのである.

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コメント (0)

hana:

私も記事見ました。
何かリアクションされるだろうな~と思ってました。
ミュンヒのマスターが一杯のコーヒーのために何十分もかけているのを知ったときはビックリしました。
たしかに機械には難しそうですよね。
コーヒー愛について熱く語るマスターも貴重だし(笑

あれ以来“コーヒー”というキーワードに敏感になってます。
また色々教えてくださいね。

KenGO!:

だはは~,行動が読まれていましたか(笑).
まあ,しかし,四ツ橋に上島珈琲店があるようなので偵察に行ってみようとは思っていますよ.
そしてまたコーヒースタンド考に,良いにつけ悪いにつけ,つらつらと書くのです(爆).

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2006年3月 6日 19:32に投稿されたエントリーのページです。

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