
FENCE OF DEFENSEのレコードデビュー20周年記念の2枚組ベストアルバムである.
ロゴがデビュー当初の細身のROMAN体文字であるのがうれしい.
ベストアルバム自体は10年ほど前にEPIC/SONYを離れた際に一度発表されているが,今回は,レーベルを超越した選曲となっている.
個人的なお気に入りの曲は選曲から外れている.具体的には「TRUE FACE」「CHAIN REACTION」「ROCK DESERT」等であるが,まあ,それは致し方ない.
最近よくありがちなベスト盤同様,新録音曲が収録されており,私のようなアルバム全作所有しているようなファンをも動かすようなことになっている.
リメイク曲よりも,私が食指を動かされたのは,シングルのカップリング曲である.
カップリング曲を含めたオリジナルアルバム未収録曲は,
「BACK TO EDGE」「STAY OR GO」「BEGINNINGS」「薔薇のダイヤを胸に」「DESPERATION」
である.
前二曲はライブビデオ作品『2235 ZERO GENERATION -完結篇-』にも収録されているので楽曲自体はよく知っている.
「薔薇の・・・」は,活動再開後のライブアルバムの付録(?)DVDに収録されているので聴いたことはある.
しかし,「BEGINNINGS」「DESPERATION」は,ほぼ初めて聴いたような気がする.
なので,これら5曲のスタジオ録音を聴いたことがなく,リメイク曲も合わせて全8曲分が事実上新たに聴けたことになり,それなりに値打ちがあったように思う.
曲の並びはアルバムの時系列によっているが,1枚目の1曲目が「STRANGE BLUE」から始まるのが文字通り奇妙(STRANGE)に感じた.
印象としては,2枚目ラストが新録の「FATHIA」ということもあって奥行きのあるリヴァーブの利いたスネアドラム一発から始まる「FATHIA」のほうがふさわしいと思ったが,ライナーノーツにFODとして最初にできあがった曲が「STRANGE BLUE」と記されているのを読み,そういうことならそうあるべきなのかと納得した.
先にビデオクリップ集や『live digitagram』がDVD-Videoで復刻されているが,『2235 ZERO GENERATION -完結篇-』が未復刻である.
これを含めて旧譜全作のリマスターによる復刻が実現するほど,このベスト盤に対する反響があればよいのだが.