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2007年4月 アーカイブ

2007年4月 3日

Johnny, Louis & Char / Real Rock

realrock_logo.gif
J,L&Cの初期のライブ映像を収めた江戸屋アーカイブスの最新リリースである.
非常にとんがった演奏であると感じた.ちょうどいい荒っぽさである.
先に80年代後半のPINK CLOUDのライブ映像2編が発表されていたが,そちらと比べても非常にスリリングである.
Real Rockと題されて十分それに遜色のない内容であると感じた.

PINK CLOUD解散後に発表されたビデオ作品『FREE SPIRIT 1979-1994』で加部正義氏がいみじくも言っていたが,バンド名を付けたのが間違いではなかったかということが重く引っ掛かるのである.
Johnny, Louis & CharとPINK CLOUD,構成人員は全く同じでも微妙に前後で違いが見られる.
語りぐさになっているVAPレコードとの2年でアルバム6枚契約のせいで変にこぢんまりまとまった作品にならざるを得なかったのがPINK CLOUDなのに対し,イエローのジョニー吉長,ゴールデンカップスのルイズ・ルイス加部,スモーキーメディスンの竹中“チャー”尚人というそれぞれ個性の強いミュージシャンが集まったのが,文字通りJohnny, Louis & Charの3人であってバンドではない.
それぞれのパートのソロイストが同時に音を出しただけ.「○○みたいなバンド」を目指したのではない.
それ故スリリングなのである.

いくつかのライブ演奏で聴いてきて,モタリ気味なのが特徴のJohnnyのタイコで「Smoky」はツラいと思っていたが,意外と本作に収録されているテイクは違和感は少なかった.
それと,ムスタングでもストラトキャスターでもなく,初期の白のESPチャーモデルがメインで使われている時期の映像であることが珍しい.

2007年4月 5日

Dr.シーゲル逝去

去る3月29日,ギタリスト成毛滋氏が亡くなった.ニュースとして流れたのが4月5日になってからである.

成毛滋といえば,日本のエレクトリックギターシーンを語る上で寺内タケシ氏に次ぐ存在である.
私よりも上の世代の人は,フライドエッグが思い浮かぶだろう.
私の世代では,80年代後半の文化放送をキーステーションとしたラジオによるギター講座番組「PURPLE EXPRESS」である.

同時に,神田商会(Greco,Fender Japan)や東京サウンド(Guyatone)に成毛氏が製品アドバイスを積極的に行い,安くて扱いやすい楽器がアマチュアに提供されていた.
この影響をまともに受けていることは私のギター機材をご覧いただければ,分かる人にはピンと来るはずである.

ほとんど成毛氏個人の経験則に基づく偏見めいたところもあったため,番組を聴いていて,ちょっと違うと思うことも多少あったが,ギター片手にラジオに耳を傾けて練習したおかげで,ちょっとした速弾き程度はさほどの難もなくできるようになっていた.

そんな経験もあるPURPLE EXPRESSのリスナーだった者としては,ご意見番がいなくなってしまったことは感慨深く,非常に寂しいものがある.

2007年4月24日

LAYLA AND OTHER ASSORTED LOVE SONGS BY DEREK AND THE DOMINOS


Jan Reid著/前むつみ訳
かの名盤『LAYLA AND OTHER ASSORTED LOVE SONGS/いとしのレイラ』の制作ストーリーである.

Eric Claptonの作品を聴き始めて20年になる.この20年,何冊かの伝記,数知れない雑誌やムックを読んできた.
普通に「Claptonっていいよな」程度のファンよりは格段に彼のことについてのデータを蓄えているつもりである.
海賊盤には手は出していないが,YARDBIRDS以降の公式のオリジナル・アルバムはすべて所有している.
とはいえ,ECファンの中ではまだまだ若造であるし,ぬるいファンであることも自覚している.
何せ,このアルバムが制作された年に生まれているのである.当然ながらリアルタイムでは知り得ない.
本書を読み始めたときに,ECの出生からCREAM~BLIND FAITHの記述など月並みなECの伝記と何ら変わらないと思ったが,読み進めるとなかなかどうして,興味深い内容である.
ドミノスの鍵盤奏者でセカンド・ボーカリストBobby Whitlockのインタビューが背骨になった内容となっているからである.
DEREK & THE DOMINOSは,ECのソロプロジェクトの最初期であるので,彼中心のようではあるが,しかしながら,その周辺の人物達についてもまんべんなく記述がある.
特にドミノス解散はECとドラム奏者Jim Gordonとの大喧嘩が原因であるが,Jimの統合失調症など,その詳細についてはあまり書かれてこなかった.
また,もう一人のこのアルバムの主人公,Patti Harrison(当時)とのことも比較的これまでより詳しく記述がある.

前にも書いたことがあるが,今までから,ECほど自分のプライベートを直接的に切り売りすることでしか作品を作れない人はいないと思っていたが,ますますその印象が強くなった.
後年に発行される本ほど,その内容が赤裸々でショッキングなものとなっていく.日本語訳された本でPattiが不妊症だったことが書かれたのはこれが初めてではないだろうか.
そのことが,誰もが知っている悲劇をさらにECに間接的に課すことになるわけであるが….

ハード・ドラッグで心身ともに蝕まれながらも感情を絞り出すように素直に表した作品であるといえる.
しかし,とりわけ美しく感じる「BELL BOTTOM BLUES」について,睡眠薬に酔いながら寝そべって書いたとかなり以前に聞いてがっかりした覚えがある.
普段,私は音楽が大好きだが,励まされたり慰められたりすることはないと言い切れる.
しかしながら,この『LAYLA AND OTHER ASSORTED LOVE SONG』だけはアルバム全体を通して胸を締め付けられるものがある.
そこまでの情熱が詰まった名盤なのである.

2007年4月25日

最近購入したCD

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我ながら本当にバラバラである.
ソウル,ハードロック,クラシック.

CORINNE BAILEY RAEは,ここ一年ほどずっと気にはなっていたものの手が出なかったのをようやく入手した.
それほど上手というほどではないがアンニュイで独特な雰囲気を持っている歌い手である.
聴けば聴くほど引き込まれていく世界を持っているように思う.

NIGHT RANGERは聴き始めてもう20年になる.再結成3作目.前2作よりもパワーを感じた.
面白いと思ったのは,アコースティックバージョンの「Don't Tell Me You Love Me」である.
普通はアコースティックバージョンというと,テンポを落として雰囲気を変えるものだが,単にエレクトリックをアコースティックに換えただけで全く疾走感を失っていない.

村治佳織はDeccaレーベル3作目.CD-DAとDVD-videoの2枚組.5曲ずつ収録されている.
本格的なクロスオーバーアルバムで多くが新曲である.

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