J,L&Cの初期のライブ映像を収めた江戸屋アーカイブスの最新リリースである.
非常にとんがった演奏であると感じた.ちょうどいい荒っぽさである.
先に80年代後半のPINK CLOUDのライブ映像2編が発表されていたが,そちらと比べても非常にスリリングである.
Real Rockと題されて十分それに遜色のない内容であると感じた.
PINK CLOUD解散後に発表されたビデオ作品『FREE SPIRIT 1979-1994』で加部正義氏がいみじくも言っていたが,バンド名を付けたのが間違いではなかったかということが重く引っ掛かるのである.
Johnny, Louis & CharとPINK CLOUD,構成人員は全く同じでも微妙に前後で違いが見られる.
語りぐさになっているVAPレコードとの2年でアルバム6枚契約のせいで変にこぢんまりまとまった作品にならざるを得なかったのがPINK CLOUDなのに対し,イエローのジョニー吉長,ゴールデンカップスのルイズ・ルイス加部,スモーキーメディスンの竹中“チャー”尚人というそれぞれ個性の強いミュージシャンが集まったのが,文字通りJohnny, Louis & Charの3人であってバンドではない.
それぞれのパートのソロイストが同時に音を出しただけ.「○○みたいなバンド」を目指したのではない.
それ故スリリングなのである.
いくつかのライブ演奏で聴いてきて,モタリ気味なのが特徴のJohnnyのタイコで「Smoky」はツラいと思っていたが,意外と本作に収録されているテイクは違和感は少なかった.
それと,ムスタングでもストラトキャスターでもなく,初期の白のESPチャーモデルがメインで使われている時期の映像であることが珍しい.