去る3月29日,ギタリスト成毛滋氏が亡くなった.ニュースとして流れたのが4月5日になってからである.
成毛滋といえば,日本のエレクトリックギターシーンを語る上で寺内タケシ氏に次ぐ存在である.
私よりも上の世代の人は,フライドエッグが思い浮かぶだろう.
私の世代では,80年代後半の文化放送をキーステーションとしたラジオによるギター講座番組「PURPLE EXPRESS」である.
同時に,神田商会(Greco,Fender Japan)や東京サウンド(Guyatone)に成毛氏が製品アドバイスを積極的に行い,安くて扱いやすい楽器がアマチュアに提供されていた.
この影響をまともに受けていることは私のギター機材をご覧いただければ,分かる人にはピンと来るはずである.
ほとんど成毛氏個人の経験則に基づく偏見めいたところもあったため,番組を聴いていて,ちょっと違うと思うことも多少あったが,ギター片手にラジオに耳を傾けて練習したおかげで,ちょっとした速弾き程度はさほどの難もなくできるようになっていた.
そんな経験もあるPURPLE EXPRESSのリスナーだった者としては,ご意見番がいなくなってしまったことは感慨深く,非常に寂しいものがある.