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2002年6月 アーカイブ

2002年6月 8日

ちゅうぶるどう

 私は中古レコードをあさるのが好きである.旧譜となると,まず,簡単に見つかりそうなら中古盤が無いかどうかから始まる.
何かを始めるに当たっては何かのきっかけが大抵あるものである.
私の中古レコードあさりはどこから始まったか.
それは高校生の頃にさかのぼる.
当時,渡辺美里が好きで,彼女がパーソナリティを務めていたラジオ番組等は欠かさず聞いていた.
そして,コンサートツアーのサポートメンバーのミュージシャンもゲスト出演することもしばしばあった.
同時に宮原学も好きで,彼の番組も当然聴いていた.
 彼らが相棒として頼り切っていたミュージシャンが,当時からアレンジャー兼ギタリストとして頭角を現し,
現在では大御所アーティストの信頼も厚く,自らも“山弦”で活躍する佐橋佳幸だった.
私は当時,ロックバンドの中での彼のアコースティックギターの使い方が非常に気に入っていた.
エレクトリックギターのプレイでも安定したリズムで,リードプレイは反対に良い意味で荒削り,ワイルドな演奏だった.
それぞれの番組中で佐橋がデビューした頃の話も出ていた.
彼は“UGUISS”という,ヴォーカルに山根栄子を擁したアメリカンロックスタイルのバンドでデビューした.
ところが,デビューアルバムの『UGUISS』をメンバーの誰も所有していないと言うのである.
そういう話を聞くと,そのレコードを聴きたくなるのが人情である.
 “UGUISS”は既に解散しており,年数も経ているので当然廃盤である.中古レコードを探すしか方法はない.
ミナミのアメリカ村や,東心斎橋,キタの大阪駅前ビルなど,めぼしい中古レコード店の密集地はほとんど回ったが見つからなかった.
探しているうちに,横目に入るもので気になるレコードは片端から買っていった.
当時既にCDプレーヤーは所有していたが,何せ,新品CDの1/3以下の価格で盤質良好や新品同様のLPが入手できるのである.
中古で買ったアナログ・レコードやCDの数は増えていったが,当初の目的の“UGUISS”は見つからないまま10年が過ぎ,
中古レコード店巡りのきっかけになったレコードのことなどすっかり忘れていた.
 そのころにはERIC CLAPTONのアルバムなどは,最新から『FIVE LIVE YARD BIRDS』や『What's Shakin'』に至るまで,オリジナルアルバムの95%までがそろっていた.
ところが,ある日,家から自転車でも15分程度のところにある,よく行く中古レコード店の邦ロックコーナーで何か面白そうなのはないかなと,LPを繰っていると,
ジャケットの左上方にペンで手書きしたような“Uguiss”の文字.裏ジャケットには若き日の佐橋佳幸や山根栄子らメンバーの写真.
間違いはない.あまりの驚きに左胸が一瞬痛み,そのレコードを持った両手が軽く震えた.
本人達すらもっていないレコードが,大阪の田舎町の隅にあるような中古レコード店で見つかったのである.
 実に10年越しである.

 他にもアン ルイスのアルバムで,現在は廃盤でチャー・ファンには垂涎の『HEAVY MOON』,CDを一般市場で探すのは非常に困難,
そのため,ネットオークションにかかると万単位の価格が付く.
これが,中古アナログ価格で1600円で普通に並んでいるのである.

 廃盤や品切れになって,欲しいLPやCDが入手できないと諦めてらっしゃる方も多いかと思うが,
ことあるごとに中古店を覗いていれば,何となく見つかってしまうものである.
しかも,見つかることを切望しないことである.一所懸命にならずに気長に,何となく,というだけである.

2002年6月22日

歌姫が聞いて呆れる

 メガヒットを放つ,若い女性歌手,浜崎あゆみ,宇多田ヒカル,倉木麻衣,etc….
彼女らは歌姫などと呼ばれて,誉めそやされている.

本当に彼女らはそんなに歌い手,いや,ヴォーカリストあるいはヴォイス・プレイヤーとして実力があると言えるのか?

浜崎あゆみ:
あるとき早朝のニュース・ワイドショーの芸能コーナーで見たときに彼女が取り上げられていた.
「今までコンサートを行わなかったのは,2時間歌い続けるだけの持久力・体力がなかったから」
ナニ!?そんな女の子が歌姫!?ちゃんちゃら,おかしいわ.
最近は何とか,ステージが出来るようになってはいるらしいが,全国何十箇所というツアーに出るという話は現実的ではないのだろう.
同じ番組の別の日,アジアのどこぞの国のイベントで大会場で歌ったのが流れたこともあった.
非常にしんどそうに歌う姿で,ぼんやりと見ているはずのこっちまでしんどくなる.ラジオやCMで歌声が聞こえてくるだけでしんどい.
本人は,辞めたがっているという話も聞く.早く解放してやったほうがいいんじゃないか.

宇多田ヒカル:
ミュージシャンとして,センスはあるし,リズム感がよく,英語も母国語と言ってもいいくらい幼い頃からの本場仕込.
この3人の中ではもっとも認めたいとはおもうが,無理な音域は使うべきではない.
歌詞などハッキリ言って,声を聞かせるための手段に過ぎないものだから聞き取れる必要はない,と私の意見としてはあるが,
そうは言っても,歌詞付きで歌うからには,言葉が聞き取れる音域が無理なく聞きやすいことに繋がると思う.
意外に音域が狭いじゃないか,というのが結論である.
例の病気が原因でこれに拍車がかかるんじゃないかと心配する.部位が部位だけに.

倉木麻衣:
宇多田ヒカルのパチモンと言われて問題に発展したこともあったが,正直言って私の印象ではそこにも届いていない.
ラジオ等で聞こえてくる限り,全く声量がないコだな,と思っていた.体型もあまりに華奢であるし.
このことをある人に言ったことがあるが,「実際のライブだったらどうかわからない」と言われた.
まあ,私は実践主義なところもあるので,そのときは反論しなかったが,前述の朝の番組で倉木麻衣のライブの様子が流れたことがあった.
やはり,声量が全くない,か細い声なのである.あんなもんヴォーカリストでもなんでもない.カラオケレベルである.


 こんなことを考えるには何かのきっかけが当然あるのだが,北島健二のソロ・アルバム『guitar_pure』のゲストとして参加した,
坪倉唯子の歌声が非常にソウルフルで迫力があったから急に上記のような疑問,不満,憤懣が頭をもたげてきたである.
また,金子マリもアマチュア時代から“下北沢のJANIS JOPLIN”と呼ばれ,低音から高音まで幅広く発声できて,
母国語でもないのに英語の発音もよい,ソウルフルで卓越したリズム感と圧倒的な迫力のある歌声を持つ人である.
さらに宮本“MIMI”典子.日本人でありながら,あの“GRAHAM CENTRAL STATION”のヴォーカリストとして一時期在籍した.
1992年に2枚組ライブアルバムを残しているが,ベースのチョッパー奏法の創始者,LARRY GRAHAMや
“THE BROTHERS JOHNSON”のGEROGE JOHONSONをバックに据えて堂々たるものだった.

 かくいう,私も高校生の頃は,白井貴子や渡辺美里をよく聴いていた.
ちょうど,いわゆるアイドルとロックシンガーの境界線があいまいになっていく兆しが見え始めた頃だった.
しかし,その頃は既に私もギターを弾くようになっていたし,当時の彼女らのサポート・バンドだったCrazy Boysの山田亘や The Lover Soulの佐橋佳幸など
名うてのプレイヤーがいたこともあり,ロック・バンドとしてのまとまりなども注目すべき点だった.
 また,彼女らがパーソナリティを勤めるラジオ番組では,主に海外のロックしかからないので,
私は,これはカッコいいと思ったアーティスト名と曲名をメモしては,レコード店に行ったものだ.
この結果として現在の非常に節操の無い音楽リスナーの私が居るわけである.

 果たして現在このようなことがあるのだろうか….

 …話を戻そう.

 それは金子マリ,坪倉唯子や宮本典子に比べたら上記3人のほうが若いし一般層のとっつきはいいから,
レコードも売れるし,ファッションリーダーとしても取り上げやすいだろう.
そういう面も確かに必要だろう.しかし,それだけでは,お人形さんに過ぎず,ミュージシャン,ヴォーカリストではない.
.
10年前の「踊るポンポコリン」のヒット,B.B.クイーンズなどというなんと人を食った畏れ多いグループ名なんだ!?と憤ったが, その正体が近藤房之助と坪倉唯子とわかった瞬間に“赦す!”と転んだのは誰あろうワタシである.

2002年6月23日

家庭でダッチコーヒー

 かつて珈琲豆を調達していた,近所の「田代珈琲」では,
何ヶ月に一回か「いっとこセール」と称して安売りをするのだが,
今回は,カリタの“ウォーターカフェ”なる商品もアイスコーヒー用深煎り豆とセットで安く売っていたので,ものは試しと買ってみた.

 水出し(ダッチ)コーヒーで,仕組みはドリッパーを水没させるような感じで,水で2~3時間かけて抽出する.
 実際には便利かも知れないが,味が良い珈琲とはほど遠い物ができあがる結果が火を見るよりも明らかなので
普段は,市販の珈琲の器具などは,あまりお薦めしないが,これは自信を持ってお薦めできる.理屈というか基本的手法は私の抽出法と全く同じである.
高温抽出ではないので雑味も出ないし,珈琲は飲みたいけど暑い季節にはホットはさすがにどうも,ということもさすがの私にもある.
何よりも簡単である.
 普段の出し方では,粗挽きにするところを細挽きにする点が異なる.セット販売されていた深煎りのアイス用の豆を使わず,
普段から使っている中煎りのブレンド豆を使ったが,抽出温度が低いため香りも飛んでしまわず,抽出に長時間を要するにも関わらず後口も非常によい.
何千円,何万円もするコーヒーメーカーやエスプレッソマシンなどよりも,おそらく通常価格でも千円しないであろう,
この“ウォーターカフェ”のほうが格段においしい珈琲が楽しめる.

 もともとダッチコーヒーというのは,あまり良いとは言えない珈琲豆を使うものなのだが,それだけに雑味が非常に出にくい方法なのである.

 普通のスーパーマーケットの台所用品コーナーでも売っていると思われるので興味があれば是非お試しいただきたい.

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