メイン

食・一般 アーカイブ

2002年1月26日

真に美味いもの

 グルメブームといわれるようになり,さらに定着してしまってから久しい.
 真に美味なる物とは,決してたまに食する高級なものではないと考えている.
私の考える真に美味なるもの,旨いものとは,例えば,“白いご飯”,例えば“お茶”である.

 具体例を挙げてみる.臨時収入か何かで,少しグレードの高い米を買う.しばらく毎日の食事にそれを炊いて続けて食べることになる.
しかし,ほんの少し高価だからと言って,それほど顕著に差は生じるようには思えないので,次にはまたそれまで買っていた米に戻す.
が,不思議なことに従前の米がまったく旨くない米だったことに初めて気づく.不味いものには戻れないのである.

 もう一例,ラーメンや何かでどこどこの店が旨いと情報を得て,訪れて食べてみる.確かに旨い.
近いうちにまた食べようと思い,実際に再訪して同じ物を注文する.
しかし,感激が無い.「こんな程度だったか?」と,落胆してしまう.
単に口に珍しいだけで,本当に旨いわけではないのである.

 旨いものほど,常々気づきにくく従前に戻ったときに初めて気づく,あるいは,突出した味ではなくこの上なく日常的なものにほど多く潜んでいる.

 私は“真に旨いもの”とはこんなものではないかと,珈琲を追求するようになって強く感じるようになった.
普段から良いもの(値段とは別)を口にする機会が増えたからこそ,巷に溢れる同種のものに関して敏感で評価は厳しくなってしまう.

 良いものには慣れることはあっても決して飽きることは無い.

 私が名店紹介に挙げる店を一度訪れただけで,「これが美味いのか?」とだけは決して思わないでいただきたい.
それは,一般の珈琲に戻ったときに気づくことかも知れないし,珈琲そのものがあなたに合わないだけかもしれない.
珈琲やお茶などはそんなものである.

 こういったことは何も食べ物に限ったことではないと思うが,いかがだろう.

 ちなみに,実家では高級な日本茶を喫むことも多いが,独りでいるときは,焙じ茶や玄米茶である.
安くて,どれを取ってもそんなにハズレが無いからである.
ただし,抹茶入りの玄米茶だけは絶対に避ける.茶葉そのものの出が悪いから抹茶でごまかしてあるだけである.

2006年9月17日

ミスタードーナツが高級路線

ミスタードーナツが高級路線 1個250円の商品も

何をいまさらという印象を受ける.
私の幼い頃には近所のダイエー系スーパーの一角にミスタードーナツがあったのだが,かなり高価だった覚えがある.
30年近く前で300円前後の価格帯ではなかっただろうか.しかも美味しかった.ミスタードーナツで買ってもらうことは最高の贅沢だった.
ところが,ここ15年ほど,飲茶風メニューを始めたり,ファスト・フード路線を打ち出してから急激に味が落ちたように思っていた.
ドーナツの生地がベーキングパウダー丸出しのパスパスのエグ味しか印象に残らなかった.
そういう印象が植付けられて遠ざかっていたら,いつぞやの禁止保存料使用事件や衛生上の問題が発覚したのである.
完全に見限っていた.少々,差別的な表現だが,「雑巾屋風情が外食産業に手を広げるとこういう事になる」と思っていた.

昔に帰って,また,あの贅沢なドーナツを味わわせてほしいものである.

続きを読む "ミスタードーナツが高級路線" »

2007年1月21日

着眼点が間違ってる

我が国の食糧自給率は極端に低くなっている.
特に大豆は95%を輸入に頼っているそうである.輸入元は合衆国である.
大豆は,味噌や醤油,豆腐等の日本食の代表の材料である.
それまでが,輸入に頼るとは何とも情けない状況である.
その合衆国では,70%までが遺伝子組み換え大豆に切り替わっているということである.
いまのところ,味噌や醤油の原料には,「非遺伝子組み換え」と記されているが,それが現実に即さなくなる日が近づいている.
偶然見たテレビ番組において,スタジオ観覧者に挙手で遺伝子組み換えは危険と思うかどうかを問うていた.
約半数の人が危険はないと思うと答えていた.
私の個人的見解では,おそらくは,遺伝子組み換え農産物自体には害はないだろうと思う.
しかし,なぜ遺伝子組み換えなのかということである.そこでは,目的も説明されていた.
大豆というのは,栽培初期に非常に雑草に悩まされ,コスト高の原因になるものなのである.
日本では古くから,大豆や枝豆は雑草の影響が少ないように水田の畦に植えるほどである.
除草剤は植物を枯らす薬剤なわけであるから作物も弱る.
したがって,大量の除草剤に耐えられるように遺伝子組み換えを利用するのである.
ここが問題である.
大量の除草剤は,当然ながら少なからず農産物に残留する.しかも,果実は主に栄養分を貯蔵する役割を果たす器官である.
ということは,果実に栄養分のみならず毒性の強い農薬が残留するのである.
よって遺伝子組み換え農産物は危険な食品となるのである.
その番組では,遺伝子を組み換える目的までは説明していた.しかし,その後の問題としなければならない残留農薬の部分には全く言及しなかった.
なんと片手落ちなことか.「みなまで言わせないで,気づくことができる人だけ気づいてね」というつもりなのだろうか?
スポンサーありきの民間放送で伝えられることなど,たかが知れている.核心には決して直接的には言及しない.
額面通りのことだけではなく,その先にあるものに気づけるようにしたいものである.

全く別の番組だが,今回の納豆騒動も番組内で矛盾したことを述べていたにもかかわらず,視聴者にその見極め力がなかったがために起こったように思えて仕方がない.

2008年4月17日

食べるということ

「大食いタレント」なる奇妙な人種が発生して久しい.
もともとはテレビ東京系『TVチャンピオン』から独立したものであるが,他局が真似して大食いと早食いを混同し,死亡事故まで発生させたが,我こそは元祖と復活させて定着したものである.
が,私自身は決して嫌いな番組ではない.
自らの特異体質を生かして人々の耳目を集めるのであるから,一種の才能であるといえる.
名前を売り,元手を作って起業しようとする者もいるので,それはそれで結構なことだろう.

見ていて不快感を催す人もいることもわかる.しかし,よくよく見ていると,常連の出場者は非常に食べっぷりが美しい.
食べ方も頭脳戦である.スマートなのである.見ていて感心する.
逆に挑戦者たちには余裕がなく食べ方が著しく汚らしい.これは確かに不快感に同意できる点である.
食べ物を粗末にしているという意見もあるが,前述のように体質なので必ずしもあたらないと思う.
ただ,食べるという行為は,動物にしろ植物にしろ,他者の生命を犠牲にしているということに他ならないのである.
それだけ,大食い体質を持って生まれたことは業(カルマ)が深いということが言えよう.

ひとつこういうことを考えてみる.
特に肉料理の場合,競技中に出場者達の目の前で家畜を屠殺しながら調理して出してはどうだろうか.
自分たちの体質がいかなるものか,農畜産物の生命とそれを料理として作る手間暇に思いを巡らせながら競技に臨んでもらうのである.

仮に音声だけであっても,とても放送できるものにはならないであろうが,食とは根源的にどういうことかを視聴者にも考えさせる機会にはなろう.
おのずと昨年来,話題になっている賞味期限や消費期限を表面的な数値のごまかし問題にとどまったとらえ方ができなくなると思う.

2010年3月26日

おかずラー油

『桃屋の辛そうで辛くないちょっと辛いラー油』のことである.
はっきり言って商品名が言いにくいので,TVCMを見た直後から標題の呼び方をしていた.正しくは「具入りラー油」だと思う.
発売が2009年8月.新発売時のTVCMを見て「これは,旨いに違いない!」とピンときて初めて購入して食べたのが翌月の9月である.
予想に違わず,美味しいものであった.私は主に白いご飯にのせて食べる.家族は納豆の味付けに使うのがもっとも良いそうである.
だいたい,私が気に入った商品は市場性がないのか,すぐになくなってしまうのが常なので,一回の購入で3~4瓶ほど買い込んでいた.
他のご飯の友もあるし,毎食毎日食べるわけではないので,半年ほどで10瓶くらいは消費してきたが,常に買い置きがあって切らしたことがないわけである.
勤め先の公休日が水曜日なので3月24日のよみうりテレビ「情報ライブ ミヤネ屋」をなんとなく見ていたら,“桃ラー”として取り上げられていた.
TVCMが流れていたのが前述のように8月で,すぐに見なくなってしまったので売れ行きがよくないからだと思っていた.
だから,すぐになくなってしまうと思って一度に3~4瓶買っていたのだが,ところが,その認識は誤りで,売れ行きが良過ぎて品薄に拍車をかけてはいけないとの配慮だったそうである.
世間では,売れすぎて品薄なそうではないか!ツイッター等で話題が話題呼んでいるとは,まったく知らなかった.
逆の意味で店頭からなくなっている.
しかも,ネットオークションでは,市価の3倍もの値段がついていると言う.
あほか.ちょっと待っていれば落ち着くものを.
旨いとは言えども,そこまでの商品ではないことは断言しておく.

また,23日にはS&B食品から同種の商品『ぶっかけ!おかずラー油』が発売されたそうである.おそらくは桃屋より少し辛めになっているのではないだろうか.
S&Bの商品はチューブタイプのわさびなどでも,刺激が強い.
まだ,店頭では見かけていないが,どんなものか,実際に食するのが楽しみである.
一時のブームにとどまらず,どちらも定番の商品として根付いて欲しいものである.

2010年4月 2日

続・おかずラー油

『桃屋の辛そうで辛くない少し辛いラー油』の買い置きが一瓶になったので買いに行ったが,案の定売り切れだった.
前回書いたように,駆けずり回ったり,割に合わないネットオークションで買うほどのものではないので,ないならないでいいと思っていたら,
家から最も近いスーパーにS&B食品の『ぶっかけ!おかずラー油』が入荷していた.その店には,桃屋の『辛そうで辛くない少し辛いラー油』は一切入荷したことがなかった.
当然,早速購入して桃屋のと食べ比べてみる.

チューブタイプのおろしわさびをはじめ,香辛料全般にS&Bの製品は刺激が強いので,おそらく桃屋に比べて辛いのだろうと思っていたが,大差はない.逆にもう少し辛くてもいいくらい.
原材料を比べてみると,菜種油,揚げにんにく,ごま油は同じ,まず違うのが,桃屋は薄切りたまねぎを揚げてあるのに対してS&Bは粉状にした乾燥たまねぎで,S&Bに特徴的なのはアーモンドである.
全体的には,桃屋は固形分が大きいのに対して,S&Bは小さいので,具が少ないように見える.そのせいかどうか,値段は桃屋よりもS&Bのほうが100円以上安い.
強いて言えばS&Bのほうが風味があるような印象があるが,正直どちらでもよい.桃屋にこだわる理由はまったくない.
あるほうを買えばよいわけである.
私個人の都合からいえば,家のほぼ向かいにあるスーパーにあるのだから,わざわざ自転車で5分走る理由はなくなるので,大差がないならS&B製で十分である.
桃屋の品薄状態が続く隙に案外とS&Bが食い込んでくるのではないだろうか.
桃屋が入手できないとお嘆きの向きにはS&Bで十分であると進言したい.

About 食・一般

ブログ「Weblog : 侃侃諤諤」のカテゴリ「食・一般」に投稿されたすべてのエントリーのアーカイブのページです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のカテゴリは音楽です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Creative Commons License
このブログは、次のライセンスで保護されています。 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス.