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食べるということ

「大食いタレント」なる奇妙な人種が発生して久しい.
もともとはテレビ東京系『TVチャンピオン』から独立したものであるが,他局が真似して大食いと早食いを混同し,死亡事故まで発生させたが,我こそは元祖と復活させて定着したものである.
が,私自身は決して嫌いな番組ではない.
自らの特異体質を生かして人々の耳目を集めるのであるから,一種の才能であるといえる.
名前を売り,元手を作って起業しようとする者もいるので,それはそれで結構なことだろう.

見ていて不快感を催す人もいることもわかる.しかし,よくよく見ていると,常連の出場者は非常に食べっぷりが美しい.
食べ方も頭脳戦である.スマートなのである.見ていて感心する.
逆に挑戦者たちには余裕がなく食べ方が著しく汚らしい.これは確かに不快感に同意できる点である.
食べ物を粗末にしているという意見もあるが,前述のように体質なので必ずしもあたらないと思う.
ただ,食べるという行為は,動物にしろ植物にしろ,他者の生命を犠牲にしているということに他ならないのである.
それだけ,大食い体質を持って生まれたことは業(カルマ)が深いということが言えよう.

ひとつこういうことを考えてみる.
特に肉料理の場合,競技中に出場者達の目の前で家畜を屠殺しながら調理して出してはどうだろうか.
自分たちの体質がいかなるものか,農畜産物の生命とそれを料理として作る手間暇に思いを巡らせながら競技に臨んでもらうのである.

仮に音声だけであっても,とても放送できるものにはならないであろうが,食とは根源的にどういうことかを視聴者にも考えさせる機会にはなろう.
おのずと昨年来,話題になっている賞味期限や消費期限を表面的な数値のごまかし問題にとどまったとらえ方ができなくなると思う.

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2008年4月17日 22:44に投稿されたエントリーのページです。

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