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2008年4月 アーカイブ

2008年4月17日

食べるということ

「大食いタレント」なる奇妙な人種が発生して久しい.
もともとはテレビ東京系『TVチャンピオン』から独立したものであるが,他局が真似して大食いと早食いを混同し,死亡事故まで発生させたが,我こそは元祖と復活させて定着したものである.
が,私自身は決して嫌いな番組ではない.
自らの特異体質を生かして人々の耳目を集めるのであるから,一種の才能であるといえる.
名前を売り,元手を作って起業しようとする者もいるので,それはそれで結構なことだろう.

見ていて不快感を催す人もいることもわかる.しかし,よくよく見ていると,常連の出場者は非常に食べっぷりが美しい.
食べ方も頭脳戦である.スマートなのである.見ていて感心する.
逆に挑戦者たちには余裕がなく食べ方が著しく汚らしい.これは確かに不快感に同意できる点である.
食べ物を粗末にしているという意見もあるが,前述のように体質なので必ずしもあたらないと思う.
ただ,食べるという行為は,動物にしろ植物にしろ,他者の生命を犠牲にしているということに他ならないのである.
それだけ,大食い体質を持って生まれたことは業(カルマ)が深いということが言えよう.

ひとつこういうことを考えてみる.
特に肉料理の場合,競技中に出場者達の目の前で家畜を屠殺しながら調理して出してはどうだろうか.
自分たちの体質がいかなるものか,農畜産物の生命とそれを料理として作る手間暇に思いを巡らせながら競技に臨んでもらうのである.

仮に音声だけであっても,とても放送できるものにはならないであろうが,食とは根源的にどういうことかを視聴者にも考えさせる機会にはなろう.
おのずと昨年来,話題になっている賞味期限や消費期限を表面的な数値のごまかし問題にとどまったとらえ方ができなくなると思う.

2008年4月21日

Japan Tour '83 & Rockin' Shibuya 2007

NRLIVE.jpg
NIGHT RANGERの新旧ライブ記録である.
Japan Tour '83は,本国アメリカ合衆国でのブレイクの呼び水となった新宿厚生年金会館でのライブ映像のDVD-Videoによる復刻,
Rockin' Shibuya 2007は,C.C.レモンホール(旧渋谷公会堂)の昨年の来日コンサートのCD2枚組実況録音盤である.
なんだかんだ言いながらNIGHT RANGERも聴き始めて20年を過ぎた.
アメリカンハードロックで初めて聴いたバンドがNIGHT RANGERである.実はVAN HALENよりも先にNIGHT RANGERだったのである.
エレクトリックギターに興味を持ち始め,数多くのギタリストを漁り聴いていた頃である.
トレモロアームの名手がいるバンドと言うことで聴き始めた.すなわち私にとってはNIGHT RANGERはBrad Gillisである.
典型的なウェストコーストのアメリカンサウンドではないだろうか,爽快感とおおらかさ,そしてボーカルやツインギターのハーモニー.

1983年のライブはまだ2ndアルバムまでしか発表されていない段階で新鮮なパワー感が堪能できる.
かつて,VHSで所有していたが,あまりに見過ぎたため,テープがダメになってしまった.そのくらい見た作品である.
当時,日本での所属レーベルはワーナー・パイオニアだったのに,CBSソニーから発売されていた不思議な作品である.今回もソニーミュージックから発売された.
それ故に版権の問題でこのDVDでの復刻がかなり難航したことがライナーノーツに記されている.
本国で大ヒットしたSISTER CHRISTIANも収録されているが,まだ,バラードバンドのレッテルが貼られていなかった頃で,最もNIGHT RANGERらしいのではないだろうか.
画面をみると普通のバンドと異なっているのは,リズムセクションの二人がリードボーカルなので舞台上手にドラムセットが置かれていることである.
Brad Gillisのトレードマークである改造された赤いストラトキャスターもまだ真新しく,Jeff Watsonもレスポールである.

2007年のライブは,既に再結成から10年を過ぎている.このことだけをとってもあの解散がバンドにとって不本意なものだったとわかる.
とはいえ,オリジナルメンバーから二人入れ替わっている.しかもバンドの二枚看板のうちの一人Jeff Watsonがいない.
代わりに舞台下手に立っているギタリストは,Reb Beach.言わずと知れたWINGER~WHITE SNAKEのギタリストでもある.
WINGERも大好きなわけだが,タッピングの名手ではあるけれどもBradと同系統のギタリストだと私は思っていたのでRebのNIGHT RANGER参加は意外なことだった.
メンバーチェンジがあると言うことは,バンド内に不協和音が発生したということもいえるが,ノスタルジーだけでつながっているのではなく進化していると前向きに解釈したい.
そのことを如実に表しているのが,2枚組でボリュームがあるにもかかわらず,BradとRebそれぞれのソロコーナーがないことである.
これまでのライブ記録を見返してみるとどうもJeffはソロコーナーをもちたがったような印象を受ける.その辺りが脱退の遠因であるかも知れないと思ってしまう.
前述のBradの赤いストラト,引退させたと聞いていたがジャケット写真に写っているのでよくよく見てみると,80年代に市販されていたFernandes製である.
聴いていて違和感があるのが,Bradが左チャンネル,Rebが右チャンネルから聞こえてくることである.ミキシングが間違っているのではなかろうか.

NIGHT RANGERのライブ記録というと,このほかに映像で1985年の『7 WISHES TOUR』,映像と音声で1989年の『JAPAN IN MOTION』,解散・再結成を経て音声で1997年の
『ROCK IN JAPAN』がある.
かつては,アルバム『BIG LIFE』からの選曲が全くなかったが,今回の『Rockin' Shibuya 2007』では『MAN IN MOTION』からが全くなかった.

やっぱりJack BladesはNIGHT RANGERを主たる活動の場としてほしいとNIGHT RAINGERのライブパフォーマンスを視聴して強く思うのである.TMGは血迷ったとしか思えない.

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