缶コーヒー:ブラック商戦激化 健康志向が波及 「おじさんの目、甘くない」
最近,似たようなコーヒー関連の経済ニュースが多く,そのたびにこうやって書いているのだが,そもそもコーヒーは嗜好品であり,それによって健康云々するものではないことを重ねて主張したい.
私が缶コーヒーを買う場合に無糖を選ぶのは,砂糖入りは後口が非常に悪く,なおかつ,自分でも分かるほど口臭がするからである.自分でも分かるほどなので他人には不快この上ないことだろう.
詳しくは知らないが,双方ともに,虫歯の発生メカニズムと同根の口腔内細菌が糖を分解する作用なのであろう.不快な酸味が残るので想像に難くない.
なので決して糖分の熱量を気にして避けているのではない.
私の記憶している限り,缶コーヒーのブラックを初めて見たのは,20年ほど前,ポッカ製だったように思う.
ちょうど私が珈琲に凝り始める直前の頃で,甘すぎるのは避けるようになった頃だった.
まだ,あらゆる技術が進んでいなかったり,世間の意識が低かったりということで,救いのないものだったことは覚えている.
そんな経過がありつつ10年少し前に上島珈琲からUCCブラックが発売になり,CMは一時期SANTANAの"BLACK MAGIC WOMAN"だったことがあったが,一貫してDEEP PURPLEの"BLACK NIGHT"がバックに流れている.演奏はDPでもSANTANAでもない新録音だが….
これを皮切りに本格的に各社ともに缶コーヒーのブラックが始まった.
珈琲を愉しむと言う面では程遠いものの,一社を除いてはとりつく島もないほど酷いものはない.
セルフコーヒースタンドはシアトル系の濃い味付け,缶コーヒーは無糖と正反対に進んでいることが奇妙な現象で面白いところである.
ニュース本文
缶コーヒーの無糖(ブラック)タイプの人気が高まり、飲料メーカーの商戦が激化している。缶コーヒーの主要な顧客は男性だが、「自動販売機の前でカロリーを気にするおじさんが増えた」(大手メーカー)ことが背景とされる。缶コーヒーにも健康志向が波及してきた。
ブラックタイプの缶コーヒーの出荷量は98年に1800万ケースだったが、06年には4000万ケースの大台に乗る見通しだ。清涼飲料市場では、女性を中心に糖分を敬遠する傾向が強まり、業界推計では、04年に緑茶系飲料(ウーロン茶含む)の出荷量が4億ケースに達し、コーヒーを抜いて初めてトップに立った。缶コーヒー全体の出荷量はほぼ横ばいだが、その中でブラックタイプは、40代以上の男性の間で需要が急増しているという。
このため、飲料メーカーも力を入れており、UCC上島珈琲は主軸商品の「BLACK無糖」で、高級スポーツカーのポルシェが当たる販売促進活動を5月に始める。JTも10日、「ルーツ・アロマブラック」のレギュラータイプを、24日には大容量ボトル缶タイプをそれぞれ刷新する。
アサヒ飲料は12日、岡田正昭新社長の下で初めて投入する主力商品として、日系ブラジル農園の豆を100%使用した「100年ブラック」を発売する。サントリーでも、「ボス・無糖ブラック」の05年の販売量が前年比3割増と過去最高の伸びとなった。【三沢耕平】
毎日新聞 2006年4月11日 東京朝刊