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良くも悪くも

日本人は基本的に独裁者を嫌う.しかし,社会の変革期には,時代の要請として必要とされる.
また,話し合い絶対主義であり横並びを良しとする.国民性の根本から談合体質なのである.また,"御上の意向"に弱い.
朝廷の合議制然り,鎌倉・室町幕府の侍所然り,江戸幕府の老中然りである.
天皇あるいは執権や将軍の強権発動は,平常時は存在しない.
強権発動を辞さない指導者が存在し得たのは,制度疲労の極致に達したときである.後醍醐天皇,徳川吉宗,井伊直弼などが該当する.
(実は,昭和の第二次大戦時にすら該当人物はいない)
どれも最初は歓迎されるが,改革が成功したとしても懐刀的な部下以外には見捨てられ,英雄となることはないのが日本の社会である.
良政であれば権力が一人に集中する独裁自体は決して悪ではないと考えるが,日本人は良政を執っていても嫌う傾向がある.
市民革命も起こったことはなく,せいぜい一揆か強訴である.安保闘争以後は,それらしきものも起こらない.

さて,今回の総選挙であるが,ご存知のように自民党内の派閥を嫌い,国鉄・電電公社の民営化から取り残された郵政に執着した小泉純一郎の勝利(果たして与党の勝利と言い切れるか?)に終わった.
衆議院の解散から自民党公認候補の擁立に至るまで,独裁者の印象がどうしてもついて回る.
“独裁者”と,反対派や野党,マスコミがレッテルを貼って非難しようとも,国民はそんな人を総裁として頂く自民党を与党として選んだ.
時代の要請と言うほかに言い様が無い.何もかも閉塞状態になり,この人以外に託しようがないと思ったのだろう.
頭に置いておかねばならないのは,選挙戦中,与党は郵政民営化以外には何も言っていなかったことである.
各野党は,それに引き摺り込まれまいと,あれこれ言い過ぎ,印象が希薄になってまんまと術中にはまってしまったことは否めない.
おそらく,自民党に票を投じた人々は,「こんなはずでは…」と後々思うのではないだろうか.
連立与党の勝利ではない根拠は,自民党が単独過半数を確保でき公明党が微減したことである.投票率が上がったことも要因としては大きい.
公明党は,開票後のコメントで恩着せがましいことばかり言っている.
せっかく単独過半数なのだから議席数2/3は諦めて自民党には公明党との連立政権を早々に解消して欲しいものである.

私自身がどういう票を投じたかについては明かさない.国民審査は宣言どおり全員ペケである.

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2005年9月12日 20:08に投稿されたエントリーのページです。

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