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悪魔再集結

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6/2の発表で聖飢魔IIが地球デビュー20周年ということで今年後半に再結成されるというニュースが流れた.
1999年(魔暦元年)末をもって解散しているので6年ぶりの集結となる.
2ndアルバム「THE END OF THE CENTURY」の歌詞に
なるものにえている悪II(再)び甦る
とあったが,みたび甦ったわけである.
聖飢魔IIは私が中学生頃に『聖飢魔II~悪魔が来たりてヘヴィメタる』でデビューしている.
カルト宗教とヘヴィメタルをデフォルメ,パロディ化したのである.
初めて見たときには,KISSの日本版かと思った(エース清水は,まるきりAce Frehley である).
当時から1999年をもって解散すると言い切っていたが,私はハードロック/ヘヴィメタルに全く興味を持っていなかったので,
正直,「あと14年ももつのか?」と冷ややかに見ていた.
イロモノ・ヘビメタバンドとしか見ていなかったのである.
少し見方が変わり始めたのが,ベーシストがゾッド星島からゼノン石川に交代したときである.
ゾッド星島がピック弾きだったのに対し,ゼノン石川は指で弾いており,時にはスラップもやっていた.
HR/HMでスラップ・ベースというのはほとんどないに等しかったので非常に新鮮だった.
次にギタリストの一名がジェイル大橋からSgt.ルーク篁三世に交代した.二名とも共通して速弾きギタリストである.
そのうち私自身もHR/HMにも興味が出てきて聖飢魔IIというバンドの上手さ,面白さに惹かれていった.
どうもその頃から,それぞれのキャラクターもクローズアップされてきてデーモン小暮以外の構成員もTV等でしゃべるようになっていたと思う.
デーモン小暮の話芸は勿論,エース清水のネタ,ルーク篁のオカマしゃべり等々は絶妙である.
日本でHR/HMというジャンルでは,まともにやっていては売れない.とりあえずは印象付けをしなくてはいけない.
私も高校生の頃,よく友人とピント外れなことをいう者に対して聖飢魔II構成員同士のの掛け合いを真似て
「こういうヤツはどうしたらいい?!」「ニッポンを去れ~!」
とふざけてやっていたことを覚えている.
菓子メーカーからは各構成員に合わせて5種類の(極端な)味を詰め合わせたキャンディーも発売されていた.
デーモン&ルークのコンビで深夜ラジオに出演していたことも忘れられない.

とかく悪魔の隈取りとおどろおどろしい衣装やデーモン小暮のキャラクターがクローズアップされがちだが,聖飢魔IIという集団は非常に器用なミュージシャンの集まりである.
現在はミュージカルもこなすデーモン小暮のエンターテナー性とカリズマ性,ハードロック・ヴォーカリストとしての技量.
ライデン湯沢&ゼノン石川の重量感のあるグルーヴとプログレ+ファンクに根ざした変幻自在なリズム.
元来マルチプレイヤーであるエース清水の精緻な音楽理論に裏打ちされたセンスとメロディアスでクールなギター.
エースとは静と動の対局をなすルーク篁の速弾きやタッピングを多用した複雑でテクニカルなホットなギター.
単なるイロモノ・バンドでは15年もたないし,解散から6年経って再集結という話も出ないと思う.
カブキ・ロックスもフラットバッカー~EZOも忘れられてしまっている.

実際,私も聖飢魔II解散後のデーモン小暮以外の各構成員の活動はフォローしている.
雷電湯澤&石川俊介のRX
ACEのFACE TO ACE
ルーク篁&雷電湯澤のCANTA
デーモン小暮のレコード作品は聞かないからといって嫌いなわけではなく,10年ぶりに中波ラジオのパーソナリティを務める番組は毎晩楽しみに聞いている.
日立製冷蔵庫のペンギンの着ぐるみが出てくるCMの,♪だから美味しいね.日立プロフリーザ♪の歌声はデーモン小暮である.
石川俊介は,ベースマガジン誌においてMarcus Millerの対談相手に選ばれる存在にもなっている.

私にとって聖飢魔IIの代表曲は「蝋人形の館」ではなく,ハードロックとジャズが交錯する「RATSBANE」である.
一曲の中でギタリスト二名のカラーの違いが明確に表され,リズム形態がめまぐるしく変化する.
黒魔術や怪奇現象,殺戮を過剰に演出した初期の作品とは趣を異にした,いかにも聖飢魔II的な楽曲ではないが,ミュージシャン,プレイヤーとしての真骨頂だと思う.

聖飢魔IIは,
永遠に 仏滅 なのである!!

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2005年6月14日 19:14に投稿されたエントリーのページです。

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