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ちょっと信じがたい

5月13日付共同通信のニュースで目を引くものがあった.
 甘味、塩味、酸味、苦味を認知する感度は4つすべてで女性が男性を上回り、年齢が若いほど感度が高いことが佐賀大の水沼俊美教授(栄養学)らの大規模な調査で13日までに分かった。
 水沼教授は「一番味覚の鋭い若い女性に人気のある店はおいしい店と思って間違いない。味覚に鈍感だと味付けが濃くなるので、健康によい薄味の調理をするには女性が有利」と話している。
 調査対象は、佐賀県に住む20~70代の男女815人。水沼教授らは、甘味はショ糖、塩味は塩化ナトリウム、酸味は酒石酸、苦味は塩酸キニーネを使い、それぞれ30段階の濃度で水溶液を作成。それぞれの味について水溶液に浸した小さな濾紙(ろし)を濃度が薄い方から順番に舌先に載せ、どの段階で味を認知できるかを調べた。

私自身,子供の頃は偏食まではいかないが,かなり好き嫌いが多かったのが,大人になるにつれてほとんど大した努力もせずに克服できた.
この理由に第一に味覚が鈍化していることが挙げられるであろう.子供が嫌う"大人の味"と称する苦みなどがまさにそれである.
蕗(フキ),セロリ,独活(うど)といった香りとクセの強い野菜は食べられなかったが,今となってはあの香りがないと物足りないほどである.

確かに自然科学的調査では,以上のような結果が得られるのであろうが,実際のところ私の印象では信じがたい.
若い女性を侮るつもりはまったくないが,では,なぜ,珈琲に凝る女性が少ないのか?この結果は鵜呑みにできない.
私が嫌うシアトル系コーヒースタンドになぜ若い女性が群がるのか?である.雰囲気に流されているだけとしか思えないのだが.
しかも,若い女性で問題になっているのが,無理なダイエットや偏食が原因となって亜鉛不足による味覚障害が意外と多いことである.
味覚というのは最大の主観で心理作用も大きな要因となるはずである.

名うての料理人は,歳を取るに連れて味覚障害に陥り,味が濃くなりすぎる傾向があるのはよく聞く話であるが.

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コメント (0)

tomo-nya:

若い女性の味覚が優れているっていうのは、信じられないですね。
佐賀県だけなんじゃないでしょうか。

イマドキのお嬢さんたちは、「ギョッ」とするようなものを「おいしい」と言って食べてたりしますもの…。
絶対、有り得ない。

調査対象が815人というのは、大学の研究にしては少ないと思いますが…。
『トリビアの泉』でさえ、2000件以上なのに。

女性のほうが優れているなら、なぜ男性の料理人が多いのでしょうか?

KenGO! さんの書かれている通り、主観の問題だと思うんですよね。
味覚は、単に味覚だけの問題じゃなくて、視覚、嗅覚、聴覚なども関係してくるそうです。
味覚は育てるものだそうで、親の教育(食育)が重要かと。

はて、自分の味覚はどうなんだろうか?

コメントなのに、長文になってしまいました。すみませんです。

KenGO!:

佐賀県は,出身者のはなわが茶化すほど自然豊か(換言すれば田舎)なので,
都市生活者よりも派手ではなくとも格段に本当の意味で上質なものを食べているのでは(笑)?

嫌いなものを鼻をつまんで食べるのは,嗅覚からの影響が大きいからなんですよね.
心理作用が左右する時点で心理学の領域ですから自然科学ではなく人文科学になります.
後は,教育とも関連しますが,文化と慣習ですよね.
異文化の食物で「ゲッ!?」って思うものはありますから.
欧米から日本を見た場合の烏賊や蛸,生卵なんかは,それに当たるかもしれません.

料理人に男が多いのは,職人気質が女性には少ない.
言い換えるとオタク的気性はやっぱり男のほうが強いでしょうから.

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2005年5月17日 18:08に投稿されたエントリーのページです。

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