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2005年3月 アーカイブ

2005年3月 2日

俗説:低音好きは馬鹿か?

昔,あるお洒落な落語家がトーク番組で言っていたのだが,なぜか印象に残っている言葉がある.
その落語家はジャズが趣味で自らサキソフォンを演奏するという.
自分がサキソフォンを演奏する裏付けとして言った言葉で他のパートを指して
「ベース好きな,まあ要するに低音好きは馬鹿ですから」
なんという偏見に満ちた言葉だろうかとは思った.もちろん洒落で言っているのは分かっているが.
時間が経ってから考えてみると確かにやや知性に欠ける印象は無いとは言えない.

サイト本編を見て頂ければわかるが,私はギター弾きだがベースも大好きである.
ギターはリズムギターでは高音弦を使ったカッティング,リードプレイでは倍音をたっぷり含んだ突き抜けるような鋭いトーンに魅力を感じる.
同時に力強いベースラインにも耳を惹かれるし,ベースドラムもしっかりとないといけない.
こういう私のようなのは,低音が好きなのか高音が好きなのかどちらなのだろうか.
どちらかと言えば低音好きなのかもしれない.
EDWARD VAN HALENとSTEVE VAIのどちらの演奏が好きかと問われれば,私は迷わずEDDIEである.
理由としてはバッキングに低音弦を駆使したリフが多いことが挙げられる.VAIはどちらかというと高音側を使っているような気がする.
二人を並べてみると,双方共に天賦の才能を持ったギタリストだが,どちらが賢そうかという面では,見た目の印象はVAIに軍配か.
EDDIEはどうしても本能的な印象がついて回り,VAIは理詰めで音楽に向かっているような印象を受ける.
実際のEDDIEはもちろん違うと思う.奔放に聞こえるようにかなり考え込まれている緻密な演奏である.

2005年3月 9日

シビレる音楽映像

1980年代といえば,MTVの時代といわれて,音楽とヴィジュアルが一体となった時代だった.
Michael Jacksonの「Thriller」が作り込まれたヴィデオクリップの代表だったが,
一方で非常にシンプルに作られたのがVAN HALENの「JUMP」だった.

FENCE OF DEFENCEの90年代の映像3作品が一枚のDVD-Videoにまとめられて復刻された.
その中でも北島健二が独りで演奏する「ROCK DESERT」が非常にカッコイイ.
もともとは,『FENCE OF DEFENSE IV -RED ON LEAD-』に収録されているヘヴィ・ロック・ナンバーだが,
これをエレクトリックギターのみのインストゥルメンタルでやろうという非常にシンプルなものである.
最終的にはギター3本のオーバーダビングと同じ事が起こるのであるが,
単なるオーバーダビングだけでなく映像でオーバーラップしてくるのが何とも言えずカッコイイのである.
なんと言う事はないが,前述の「JUMP」よりもさらにシンプルでありながら,
映像的に眼光鋭い風貌の北島健二が非常にSEXYで,同じ男が観てもゾクゾクするほどである.
cap.jpg

夢の共演

sr.jpg
Marcus Millerの新作『Silver Rain』を聴いた.
もともとMarcusの新譜が出たら聴こうとは思っていたが,
今作はタイトル曲がEric Clapton大師匠の作曲で,しかも歌で参加しているという.
ますます,これは,聴かないというわけにはいくまい.
ドラムス以外は鍵盤やサックスも弾きこなすマルチ・プレイヤーのMarcusでありながら,参加ミュージシャンが非常に豪華である.
しかし,Marcusは黒人であるのでもちろんのことだが,同じ黒人音楽をルーツとするClapton大師匠との共演など思いもよらなかった.
いや,かつて“Legends”でのライヴは実現していたが,なぜ,今までレコード作品としてなかったのか?というのが不思議なのである.
参加曲「Silver Rain」はレゲエのリズムのいかにも最近のClaptonといった感じである.
他の曲はもちろんコンテンポラリー・ジャズで硬質な音質の歯切れの良いスラップ・ベース全開である.
特定のジャンルにこだわりがない限り,自らも楽器を弾く音楽リスナーは必聴の作品である.

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