昔,あるお洒落な落語家がトーク番組で言っていたのだが,なぜか印象に残っている言葉がある.
その落語家はジャズが趣味で自らサキソフォンを演奏するという.
自分がサキソフォンを演奏する裏付けとして言った言葉で他のパートを指して
「ベース好きな,まあ要するに低音好きは馬鹿ですから」
なんという偏見に満ちた言葉だろうかとは思った.もちろん洒落で言っているのは分かっているが.
時間が経ってから考えてみると確かにやや知性に欠ける印象は無いとは言えない.
サイト本編を見て頂ければわかるが,私はギター弾きだがベースも大好きである.
ギターはリズムギターでは高音弦を使ったカッティング,リードプレイでは倍音をたっぷり含んだ突き抜けるような鋭いトーンに魅力を感じる.
同時に力強いベースラインにも耳を惹かれるし,ベースドラムもしっかりとないといけない.
こういう私のようなのは,低音が好きなのか高音が好きなのかどちらなのだろうか.
どちらかと言えば低音好きなのかもしれない.
EDWARD VAN HALENとSTEVE VAIのどちらの演奏が好きかと問われれば,私は迷わずEDDIEである.
理由としてはバッキングに低音弦を駆使したリフが多いことが挙げられる.VAIはどちらかというと高音側を使っているような気がする.
二人を並べてみると,双方共に天賦の才能を持ったギタリストだが,どちらが賢そうかという面では,見た目の印象はVAIに軍配か.
EDDIEはどうしても本能的な印象がついて回り,VAIは理詰めで音楽に向かっているような印象を受ける.
実際のEDDIEはもちろん違うと思う.奔放に聞こえるようにかなり考え込まれている緻密な演奏である.