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煙に巻かれるな

 昨今,宣伝文句として専門用語のようだが,少し考えると意味不明の言葉が氾濫している.
例えば,“マイナスイオン”であり,例えば,“アミノ酸”である.
具体的にどんなものなのか?はたまた,どんな効果があるのかが,さっぱり説明されていない.

 マイナスイオンなど,高校の化学の知識があれば,容易に眉唾ものの言葉であることは察しが付く.
マイナスイオンと聞いて,私が真っ先に連想するのは,化学反応式上では,Cl-と表記される,“塩化物イオン”である.
食塩=塩化ナトリウムNaClを水溶液にしたときに遊離する,アレである.
気体分子としては,便所の洗剤や漂白剤に使われたり,上水道の消毒に使われる塩素である.
単純に考えて,こんなものが身体に良いと思う方が間違いである.塩素ガスなど,最も簡単に製造できる毒ガスである.
また,便所の洗剤で誤って塩素ガスを発生させてしまって,死亡事故にまで発展するケースもしばしば起こっている.
果たして話題になっているマイナスイオンとは,何なのか,どなたか私に納得できる説明をして頂きたい.
寝ている間に,寝返りを打つことでマイナスイオンを発生する布団など,どう考えても静電気としか考えられないのだが.
静電気は,化学繊維の衣服を着用することで骨の主たる構成要素である軽金属=カルシウムに作用して悪影響を及ぼすとの説もある.
私にとっては,こちらの方がよほど説得力があり,良い影響があるとは到底考えられないのだが.

アミノ酸にしろ,世間で言っているのは,一体何を指しているのか?アミノ酸といえば,蛋白質の最小構成要素である.
単にアミノ酸と言えば,数が多すぎる.必須アミノ酸なのか?化学調味料である,L-グルタミン酸ナトリウムもアミノ酸である.
多岐に渡りすぎて,どれが何にどういう効果をもたらすかなど,一般人で言える人などいまい.

 「学校で習うことは,役に立たない」と言い切ってしまう方々にもの申す.
今回挙げたようなことに踊らされないだけでも,学校で習う知識は十分に役立っている.
無批判に取り入れてしまうことが,いかに学校で習ったことが身に付いていないかの証左なのである.

注)滝の付近で水の飛沫によって発生する,クラスターイオンは,仮説だが存在すると言われているが,
クラスターイオンとマイナスイオンは,言葉の定義上全くの別物である.
さらには,マイナスイオンと負イオンも別のものを指しているらしい.

世間を騒がせているあの集団.
キーワードが「スカラー波」.
スカラー波という言葉自体は,擬似科学,平たく言うと超常現象やオカルトの類の用語らしいが,
私など,スカラーと言われると,対語であるベクトル(ベクター)を思い出す.
理工系の人間でなくても,数学や物理学の用語として高校で習うはず.
ベクトルは方向と量を持ち,スカラーは量のみを持つ.
授業の導入部で,速さと速度は違うと教えられた.速さはスカラーで速度はベクトルだという説明だった.

その異様な服装や行動を見るまでもなく,眉唾ものの怪しい事を言ってるというのは,すぐに分かるはず.
自動車のエンジンからも電磁波は発生しているぞ!

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2003年4月12日 20:21に投稿されたエントリーのページです。

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