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バンド名あれこれ

 最近,日本国内のバンドでも,日本語や漢字を使ったバンド名やグループ名にほとんどお目にかからなくなった.
以前は,加納秀人の“外道”,パンタの“頭脳警察”,沖縄のHRバンド“紫”など,貫禄や重厚ささえ感じるものが多かった.

 私が最もこのグループ名はいいと思っているのが石田長生&チャーのアコースティック・デュオ,“バホ”である.
グループ名のロゴとしては,“馬偏に呆”という造字を用いるのだが,江戸のギター馬鹿と浪花のギター阿呆がコンビを組んだ
というグループの特徴を分かり易く言い表していてしかも語呂も非常によいと思う.
 ところが近頃のヒットチャートを駆け上るグループの名前は,非常に薄っぺらに感じる.“名は体を顕し”ていないのである.
英語だけに飽きたらず,少しでも特異性を持たせようと変にドイツ語やフランス語を使ってみたり.無理に辞書調べただけで付け焼き刃ではないのか.
しかし,横文字を使っていても,よく思想を顕しているものも確かにある.しかも難しい単語ではない.
“FENCE OF DEFENSE”がそれである.直訳すると“防御壁”.
ハード・ロック・サウンドの要である音圧や厚みをうまく表しているではないか.それにうまく韻を踏んでいる.
かえって実力のあるミュージシャンによるグループ名の方がシンプルながらもウィットに富んでいるものが多いように思う.

 一方,日本では案外と無いのが,中心人物の名字をそのままグループ名にした例.
Ronnie Montroseの“MONTROSE”,Van Halen兄弟の“VAN HALEN”,John Bon Joviの“BON JOVI”やKipp Wingerの“WINGER”などがそれに当たる.
Alice Cooperの“ALICE COOPER”などというのもあったりする.
GUNS 'N' ROSESは,一説には男性器と女性器の比喩とも言われるが,実際にはVo.のAXL ROSEと当初のG.のTRACII GUNSの二人を中心に結成されたバンドなので人名に由来する.
日本で同様の例は,辛うじて“甲斐バンド”や“KUWATA BAND”があったくらいか.
しかし,これはどちらかというと“Jeff Beck Group”や“Michael Schenker Group”に近いようにも思う.

 また,60年代にはグループ名というと,THE xxSというのが主流であったが,そこに現れたのが,
“CREAM”
御存知のように,Jack Bruce, Ginger Baker & Eric Claptonの伝説のロック・トリオである.
ヴォーカルだけではなく楽器の演奏に重きを置いた,自分たちは単なるポップ・グループではなく,
ジャズ,ブルーズ・シーンの“精粋(Cream)”である.
だから“S”は,要らないのだ,と.

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2003年1月15日 20:20に投稿されたエントリーのページです。

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