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まるで時限装置

 昨今,資源のリサイクルや製品の長寿命化が,うるさく言われている.

 しかし,メーカーの態度は宣伝等で言われているような耳に心地のよいこととはほど遠いように思われて仕方がない.
例えばビデオデッキ,経験がおありなのではないだろうか,購入から1年を過ぎたビデオデッキで,
テープがデッキ内部に巻き付いて取り出しができなくなったということが.

 ビデオの再生・録画の際には,アームがテープを引っ張り出してヘッドに巻き付けるような格好になるのだが,少し古くなると取り出しの際に
テープをカセット内に戻せなくなってしまうにもかかわらず,一方では無理矢理カセットを排出しようと動作するから,せっかくのテープも台無しである.

 原因は何種類かあり,一つは,潤滑油の劣化あるいは部品の摩滅ですべりが悪くなって駆動しなくなること.
もう一つはプラスチック製の駆動プーリーが収縮のために割れて動力が伝達されなくなってしまうこと.

 どちらにせよ,映りは悪くなっていないのに修理に出すと,ヘッドまで交換されて,部品代と工賃合わせて2万円ほどもかかってしまう.
しかし,この二原因とも自分で修理が可能と来ているので余計に腹が立つ.
特に2つ目の故障要因など,部品自体は数百円のはずである.
ところが電器店で部品注文しても,全体がユニット化されているので単体では売れないと言うのだ.
プーリーの割れ方を見るとどう考えてもそういう収縮するような素材を使うべきではない場所に使われているのだ.
経年変化で必ず全体の機能に支障をきたす部品である.換言すれば時間が経つと必ず決まった場所で故障する時限装置のようなものである.

 実は私は自分で使い古しのギターの弦を焼き鈍してこの修理をやってしまって,更にヘッドの摩滅で映らなくなるまで3年ほど使い続けたのである.

消費者に製品の回収費用を負担させるくらいなら,その前にもっとまともに使い続けられる商品を生産して欲しいものである.

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2002年10月18日 20:17に投稿されたエントリーのページです。

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