私が高校生の頃,バンドブームの直前で,ビート系がチャートをにぎわすようになり,その兆しは見えかけていた.
その頃は,バンドはやっていなかったが,国内ものでは,鈴木賢司やヴァウ・ワウあるいはフュージョン系,
海外物でもヴァン・ヘイレンやナイト・レンジャーといった,非常に演奏の難度の高い物を好んで聴き,ギターを弾いていた.
国の内外を問わず,かなりテクニカルなものを好んでいたのである.
周りでも自分も含めて楽器を弾くヤツがかなりいた.しかし,コレが両極端なのである.
国内のバンドをコピーするヤツ等は,ボウイやバービーボーイズなどのテクニックをさほど要しないものをコピーし,
海外のバンドをコピーするヤツ等は,イングヴェイ・マルムスティーンやレーサーXなど相当に難度の高いものをコピーしていた.
逆に国内ものでラウドネスやカシオペアといったハイ・テクニックを要するアーティストをコピーするヤツは居なかったし,
海外もののビート・バンドをやるヤツはいなかった.
この現象は何だったのだろうか?カラオケと共通するように思えてならない.
国内に限るが,ここ何年かというもの,カラオケで歌いやすい曲ばかりヒットする.
素人に歌いやすい曲をプロフェッショナルの歌い手が歌ってプロのプロたる所以はどこへ行った?
ただ,手本,いや,形を供しているだけではないのか.
レコード会社もそんな売り方が消耗を早めるだけですぐに行き詰まりが生じてタマ切れになることに気づかないのだろうか.
昔は,ポップ・シングルと言えどももっとインターバルが長かったはずなのだが.
プロならば,
「お前らには,こんな難しいことは出来んだろ,悔しかったらやってみ?」
という気概を作品の中で主張してほしいものである.
これは,巷に溢れる凡百の珈琲店の店主にもまったく同様のことを言いたい.