このタイトルを聞くと西城秀樹の代表曲を思い出される向きも多いことと思う。
もうすでに20年以上の時が流れているが、小学生でも知っているのではないだろうか。
はつらつとした“若者賛歌”であるのは誰もが認めることであろう。
少し知っている方ならば、この曲がオリジナルでなく、'70年代末期のディスコブームのときに
“Village Peaple”なるディスコバンドが飛ばしたヒット曲のカバーであることが思い出されるであろう。
この曲、原題を「YMCA」という。そのくらいはご存知だろう。歌番組では「ヤングマン(YMCA)」と字幕が出ていたはずである。
そもそもYMCAとは、Young Men's Cristian Associationの略である。
日本では、英会話教室などで有名であり、アメリカ合衆国各地にはYMCAが主宰するユースホステルも数多く存在する。
それが何ゆえに、ディスコという歓楽街に存在する娯楽施設で流れる曲のテーマになるのか?
これは、レコードのライナーノーツに書かれていたことであり、ゴシップでもなんでもない。
名前は失念してしまったが、Village Peapleのリーダーは、ゲイのパリジャンなのである。また自分がゲイであることを誇りにしていた。
そして、YMCAのユースホステルは同性愛者が集うということが、ある筋では公然の秘密となっている。
「ヤングマン」のサビは“素晴らしいYMCA♪”である。
一方、「YMCA」の原詞では“Let's Go to Stay at the YMCA♪”なのである。
もうお分かりだろう。
この曲は若者賛歌でもなんでもない。
『同性愛者同志諸君!YMCAに集おうではないか!!』
という内容なのである。
私はこのことで何人もの友人に軽いショックを味わわせてきた。話のネタにはもってこいである。
国内の音楽しか聞かない友人を相手にしたときの楽しみの一つである。
海外のロックなどを聴いていると、こういう(悪趣味な)楽しみも一つ加わるのである。
ちなみにVillage Peapleには、「In the NAVY」という曲もある。NAVYとは海軍である。
(この曲もピンク・レディが「ピンク・タイフーン」としてカバーした)
発表された当時は合衆国国内でも、ベトナム戦争の反省もあり、戦争賛美曲である、と、かなり非難されたが、
真の意味は、もう解説するまでもないだろう。