« UNPLUGGED | メイン | 「ヤングマン」 »

不遇の(?)ギタリスト

先ごろ(10/24)、4thソロアルバム『guitar_pure』を発表した、北島健二。

特別に売りの特殊テクニックなどは持っていないが、非常に特徴のあるギターを弾く人である。
印象的なリフ・ワーク、切り込むような鋭いリードプレイ。
ジェフ・ベックがスケベになったようなギターを弾くと評した人がいたらしい。

知る人ぞ知る日本のハードロックギターのカリズマである。

レコードデビューは高校時代の同級生の織田哲郎とともに"9th Image"で。
"WHY"解散後、数々のサポートなどで売れっ子セッションギタリストとして名を馳せつつ、2枚のソロアルバムを発表した。
れっきとしたバンドのセッションにも多数参加しているので、そのバンドのギタリストが弾いていると思っていたら、
実は北島健二のギターだったということが多々あるのである。例えばプリンセス・プリンセス。

数年後、出たがりのマネージャー、Y氏の企てにより、ドラマーの山田亘、ベーシストの西村麻聡とともに
デジタル・ビートを取り入れたハードロックバンド"FENCE OF DEFENSE"が結成された。

それに目を付けたのが小室哲哉。
今でこそ、自分の限られた手持ちフレーズの順列・組み合わせだけで曲を書き、
まともなオーディションで次点どまりの女の子の実力を上げ底した挙句、ポイ捨てにしている印象しかないが、
'84~'86年当時、TMネットワークでは、実験的なサウンドメイキングを試みていた。
FOD丸抱えでツアーサポートに使おうとしていたが、北島が余りにセッションワークで多忙なため、実現しなかった。
そこで北島は自分の代わりを紹介した。「あいつ、なかなかいいよ~」当時、浜田麻里などのサポートを勤めていた松本孝弘である。

FODのレコードデビューが具体的に進むにつれ、西村もFODに専念するため、TMのサポートから抜けた。
TMネットワークの人気がブレイクしたのがその後である。
TMの人気とともに松本孝弘の人気も上がっていき、インストゥルメンタルのソロアルバムも発表し、B'zも始動した。

一方、FODは一定の人気は保っていたものの、パッとした人気は出ないまま現在活動休止状態である。
3人とも両手が塞がって派手なライブパフォーマンスができなかったこともあるかも知れないし、
自称"重くて暗いバンド"だったせいもあるかも知れない。

ここ数年は、田村"SHO-TA"直美のプロジェクト、"PEARL"にカーマイン・アピスらとともに参加したり、
2年前に3rdソロ、『WILD FLOWeR』を発表。この作品では自らも積極的に歌っていたが、ギターの片手間という印象は拭えなかった。
しかし、今回の4thソロでは、すべての楽器をこなし、ゲストヴォーカルに坪倉唯子を迎えているものの、見違えるほどヴォーカルは力強くなっている。

声を大にして言いたい。

サウンド・メイキング、リズム感、プレイ・センス。全てにおいて松本孝弘なんぞより格段に上である。

実力と人気が比例しない好例である。

余談:
機材倉庫にある私のオリジナル・ストラトに搭載しているハムバッキング・ピックアップ、
ESP LH-200は、北島健二がヤマハとエンドースする前に使用していたことで有名である。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://kenkengogo.s15.xrea.com/x/mt5/mt-tb.cgi/2

コメントを投稿

About

2001年12月10日 23:09に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「UNPLUGGED」です。

次の投稿は「「ヤングマン」」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Creative Commons License
このブログは、次のライセンスで保護されています。 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス.