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2009年6月 アーカイブ

2009年6月 3日

江戸の仇を…

もう,はるか昔のことになるが,小学校一年生の国語,漢字テスト.
漢字の読みで,「七」の右に括弧が二つあり,ひとつは「なな」もうひとつを「ひち」と書いて×を食らったことがある.
しかも,何が間違いかがまったくわからなかったし,何の説明もなかったのである.
生まれも育ちも中河内.普段の発音のとおりに書いたまでである.
戦後すぐほどはひどくはないながらも,昭和50年代,標準語化 が進められていた頃である.
それから30年.漫才ブームや吉本新喜劇のブームを経て上方落語ブームである.

先ごろ,天満天神繁昌亭で定額給付金と同額(昼席前売り6回分)で7回入場できる回数券「七度(ななたび)キテネ!」が売り出されたことが新聞記事になっていた.
この回数券の名称は,上方落語の演目「七度狐」にちなんでいるのだが,その新聞記事には「ひちどぎつね」とルビが振られていた.
決して「しちどぎつね」ではない.しかも朝日新聞である.
繁昌亭のオープンを機に出版された「上方落語家名鑑」の上方噺厳選120本でも,さ行ではなく,は行で「七段目(ひちだんめ)」や「質屋蔵(ひちやぐら)」と記されている.
30年あまりを経てようやく認められた気がする.
まさに江戸の仇を長崎で討った気分である.

IMEで関西弁モードがあるものもあるのだから,“じ”と“ぢ”,“ず”と“づ”に加えて,“し”と“ひ”のあいまい変換も加えてほしいものである.

2009年6月27日

ERIC CLAPTON & STEVE WINWOOD "LIVE FROM MADISON SQUARE GARDEN"

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ディスクレビューをブログに書くのはかなり久しぶりのことだったと思う.

これは,聴きたい!書きたい!という衝動が湧くような作品がしばらくなかったことも大きいし,落語に興味が行きっぱなしになっていたということもある.
程よく落語熱が治まってきたところへ,雑誌のリリース情報で見つけたこの作品である.
DVD-Videoと同時発売だったが,CDを選んだ.映像作品は目と耳を拘束されるからである.
買った動機は完全に惰性だったが,聴いてみると公式にリリースされた近年のECの実況盤でもっとも良いと思えた.
2005年のCREAM REUNIONよりもである.

ERIC CLAPTONとSTEVE WINWOODと言えば,BLIND FAITHである.
ごく短命に終わったスーパー・グループであるが,このときから本格的な歌い手としてのERIC CLAPTONがスタートしたように思う.
もちろんBLUES BREAKERSでもCREAMでも歌ってはいた.しかし,主たる歌い手は別にいたので余興に近かったのではないだろうか.
BLIND FAITHでもSTEVE WINWOODという素晴らしい歌い手がいたのは確かであるが,この前後で歌の比率がまったく異なっているように思えてならない.
本業のギターの弾き方も明らかに違う.

さて,作品の中身であるが,ごくシンプル.60年代末の雰囲気のままである.
最近の大所帯なクラプトンバンドに過剰ささえ感じていたので,とても好感が持てる.
選曲もBLIND FAITHに偏ることなく,ERICとSTEVEのバランスの取れた持ち寄りがいい.
「FOREVER MAN」は意外な感じがしたが,他は普段からのECの定番ともいえる楽曲なので手馴れた感じ.
大きく違うのは,「CAN'T FAIND MY WAY HOME」などのBLIND FAITHの楽曲群がオリジナルのSTEVEの歌で聴けることである.

ERIC CLAPTONはやはり60年代のアーティストであることを改めて強く感じた作品である.
古臭いと言う意味ではない,リアルタイムでは体験してはいないが,ロックミュージックがもっとも豊潤で芳醇な時代であったのかもしれない.

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