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爆風スランプ/Runner

7月4日放送の『笑っていいとも!』の「プラチナランチショー」コーナーで思い出の青春ソングということでサンプラザ中野が生出演で爆風スランプ時代のヒット曲「Runner」を歌っていた.
曲の誕生エピソードも紹介されていた.
「当初は特定の個人に向けたものだったが…」というものなのだが,その特定の人物がこの曲が収録された『HIGHLANDER』を最後に件の曲がチャート上位に昇っている最中に脱退した江川ほーじんであり,歌詞の中の“君”である.
恥ずかしながら,つい数ヶ月前に「Runner」の裏エピソードを知ったところだったので,ほーじんファンの私としては,単なる懐メロとしてではなく,全く別の感慨をもって聴いていた.
番組では,詳細な事情までは明かされなかった.明かしてしまうと“青春ソング”イメージが崩れ去ってしまう.
アーティストの表現の衝動が商業主義につぶされた結果が青春ソングの代表曲になるとは皮肉なものである.
アルバム『HIGHLANDER』完成で発表を待つのみというタイミングでの雑誌インタビューでは,全くほーじんは語らなかった.
プロデューサーと相当に衝突し,もう既に脱退が決まっていたのだろう.
ウィットの効いた歌詞の内容と迫力あるリズムセクションに底支えされたバンドサウンドに魅力を感じていたので,その要である屈指のスラップベーシスト・江川ほーじんの脱退をきっかけにそれ以降の作品を追うこともやめた.
はじめは「うわさになりたい」「無理だ!!」などの曲やサンプラザ中野のキャラクターで興味を持ったが,バックに聞こえる歯切れの良い低音にだんだんと耳が移っていった.
スラップ(当時はチョッパーと呼ばれていた)奏法を私に強く意識させたのが江川ほーじんである.
ほーじんが居ない爆風スランプには全く魅力は感じなかった.
それ以前にリードトラック「Runner」のそれまでにない青臭いストレートさに違和感と胡散臭さを感じていた.
いくら私であっても,当時まだ高校生だったので,それなりに青臭いことは好きだったはずなのに,である.
著作権の関係で歌詞の抜粋もするわけにはいかないが,
落伍者の分まで自分たちは走り続ける
というのが大方の一般的な解釈だと思うが,
純粋な志を持ち続けるが故にチームを辞めて離れていく友を見捨ててまでも,脇目もふらずに走り続けさせられる
というのがこの曲の真の大意であると思う.
「解散」という結論にたどり着いた爆風スランプのメンバーは江川ほーじんに何かを打ち明けることができたのだろうか.

サンプラザ中野が曜日レギュラーを務める朝日放送「おはよう朝日です」のイベントで爆風スランプが再結成されたが,そのときに江川ほーじんの姿は無かった.
江川ほーじんは大阪府出身である.「おはよう朝日です」は,関西では朝の看板番組であるにもかかわらず.

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2007年7月 9日 19:54に投稿されたエントリーのページです。

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