FENCE OF DEFENSEの通算14枚目のアルバムである.
2006年12月に発表になったが,明けてこの3月21日にようやく店頭販売されるようになった.
メンバー3人がすべて戌年であることから13年前に『hot dogs』という作品が発表され,戌年である昨年年内に発表すると宣言されてぎりぎり年内に間に合ったと言う作品である.
秋頃から沖縄での録音に入ったので実質3ヶ月程度でリリースにこぎ着けたということである.自主レーベルだからこそできることかもしれない.
前回の『hot dogs』は事実上,EPIC/SONYからは最後の作品となった.
前回の『hot dogs』は,「IN LONDON」で始まり,今回の『hot dogs 2』は「IN OKINAWA」という三線の音色でのんびりと始まる.作品の印象は,というと,オリジナル作品活動再開第一作である前作『パンゲア』よりは良いんじゃないかと思った.
私見であるが,FENCE OF DEFENSEの音楽性への印象を喩えて言うなら,
水晶のように透明感がありながら硬質で骨太,かつ,無機質ではないが冷徹でシニカル
と思っていたが,中には90年代初頭のバンドブームの頃の青臭いビートロックの曲もあって若干身を引いてしまったし,「君にムチュムチュ」などという題を付けられると,なんか違う,もうちょっとなんかなかったのかとついつい思ってしまう.曲調も歌詞も嫌いではないだけに複雑である.
私の一回り上,30~40年前の会社員ならば後10年しないうちに定年が待っている年齢である.
3人とも,あまり老けたという印象がないので何ら問題はないのであるが.
久しぶりに,典型的なゴリゴリのハードロックを新作で期待したい.