立秋が過ぎ,暦の上では秋であるが,連日,厳しい暑さである.
まさに故・桂枝雀師が夏の厳しい陽ざしの描写で必ずやっていた,後頭部に手をかざして「お日ぃさんが,かぁーっ!」である.
夏になるとここ数年というもの熱中症の注意なんかが,毎回気象情報で言われている.
特に言われるのが,水分補給.
ところが,注意したいのが飲料の選び方.
お酒の好きな人なんかは,仕事が終わった後には冷たいビール!と言いたいところだろうが,誤り.
アルコールが苦手な者でも注意しなければならない.
私はこの点に特に注意しなければならないのだが,アイスコーヒーや緑茶・紅茶等は避けるべきである.
ビールにも通じるのだが,利尿作用があるため水分やナトリウムを排出する方向にはたらく.
スポーツ飲料も糖分が気になったり,それでなくとも甘いと後口が悪い.
味はともかく,薄い食塩水やにがりを混ぜた水が最適ということなのだろうか.
しかし,日本人は暑さに弱くなってしまっただけのように思えて仕方がない.
最高気温自体は,私が小中学生だった20年前ほど前とさして変わらないように思う.
当時,私は,風通しの悪い体育館でしかも分厚い道着と防具に身を包んで夏休み中クラブ活動で剣道をしていたのである.
にもかかわらず熱中症にも脱水症状にも陥らず,何ともなかった.
空調機器に慣らされてしまっているだけに過ぎないのではないか.
私の部屋には空調機はない.未だに扇風機のみで暑さを乗り切り,かつ,健康である.
しかし,日中の最高気温はともかく,熱帯夜だけは勘弁して欲しい.
都市の構造物の蓄熱容量と空調機器の排熱.これが元凶である.
せめて夜間は,空調機器の運転は停めるように努めて欲しい.
悪循環を断ち切るために.