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ドレミの弊害

 少し前に“絶対音感”なる言葉が,脚光を浴びた.
音楽教室などで,学齢に満たない子供達が英才教育を受けている場面も報道番組などで何度か目にした.

しかし,どうも腑に落ちない.

 先生が,ピアノで音を出し,その音を子供達が「ド」とか「ミ」とかで答えているのである.
ドレミで音を言い表すというのは,果たして正しいのか?決して“絶対音”ではない.
ドレミというのは,あくまで音階であり,音の前後関係を表す,“相対音”のはずではないのか?
西洋音階のスケールで,ミとファ,シとドの間が一音でなく半音であること.これがドレミのはずである.
音階は相対音なので,どの音を「ド」(短調なら「ラ」)に持ってきても成り立つはずである.

 絶対音を言い表すならば,日本語なら,“イ,ロ,ハ”,西洋式なら“A,B,C”という音名で言い表すべきではないのだろうか.
これならば,一応,イ=A=440Hzと決められている(ホール等によって若干変えるらしいが)ので,絶対音と言える.
あとは平均律で音を区切って並べればいい.要するに絶対基準がいるのである.
ハ長調でいうところの「ラ」=イ(A)音であるが,変ニ長調の「ラ」=ハ(C)音である.
バイオリン向けの演奏曲として有名なバッハの「G線上のアリア」,この“G線”は,G音に調律した弦を指すのであって,決して“ソ線”などとは言わない.

 ドレミで言い表すのは,音が無限にありすぎるため,間違いであり,調を限定してしか成り立たないのである.
○調の「ド」などという言い方なら正しいだろう.

 学校の音楽教育でも,この辺をきっちり教えてくれれば,私ももう少し,理論が分かり,音楽の時間も楽しかっただろう.
移調の課題を与えられ,半音上がったり下がったりする理屈が全く分からなかった.
ギターに触れるようになって初めて理解できたのである.
私は譜面が読めるわけでもないし,音楽理論もほとんど知らないが,その程度でも気付く問題なのである.


※私は学問として音楽を修めたわけではなく,あくまで少しだけ得た知識に基づいた疑問なので,平均律と純正調の関係などの質問はご容赦願いたい.
分かっているのは,ギターの場合,フレットは平均律に基づいて打ってあり,ハーモニクス(倍音)は純正調で鳴っているということだけである.

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2002年11月14日 20:18に投稿されたエントリーのページです。

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