大阪とシカゴ
なんばHatchで行われた第一回,大阪シカゴ・ブルーズ・フェスティバルの模様が8月10日土曜午後,TV大阪で放送されていた.
ライブの模様だけでなく,赤井英和をホストに,木村充揮,野毛洋子を交えて姉妹都市提携を結ぶ,大阪市とシカゴ市のブルーズの似合う街としての類似点も散策しながら紹介していた.
かたや日本で第二の都市,かたやアメリカ東部第二の都市.
東京をにらみながら,あるいはニューヨークをにらみながらの微妙な位置にありながら,独特の味を醸し出す街のカラー.
人なつこい人が多いのも似ており,川が多く古くから食糧の集積地として栄えた経緯も持つ.
大阪弁がブルーズにノリやすいのは,「あほか,あほか」や「ほんまか,ほんまか」など,3連譜に合う言葉が多いからだとか.
大阪は西淀川区塚本にある,ブルーズクラブ"Howlin' Bar"での木村・野毛のセッションも少し.
ギタリストは,店の紙ナプキンの入ったままのグラスでスライドギターを演奏していた.
大衆音楽なんてそんなものである.その場にあるもので,どんちゃん騒ぐ.それでいいのだ.
コンピュータがないと演奏できないなど,お笑い種である.
ブルーズの起源は,ワークソングである.
泥まみれ,汗まみれになって仕事をしながら歌うのに気取りはいらない.
必要なのは週末に繰り出すための一張羅だけ.
お涙頂戴の演歌とは根本的に違うのである.
ダンスミュージックであり,むしろ,民謡や河内音頭に近いかも知れない.
形式だけが決まっていて,歌詞の内容など,その時々によって何でもいいのだ.